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女子レスラーがVRMMOに入場だあああっっ!平和を賭けて魔王に挑戦するまでのビクトリーロード?  作者: 灰ちゃ
第1章 電脳世界で再デビュー? どうなる、どうする、元チャンピオンの私?
10/11

第10試合 神様扱いですかそうですか

「それじゃミーナ、今日は番兵に紹介してもらった西側の森へ行ってみようかと思うんだけど」

「あ、始まりの森ですねっ!わたしもレベルアップによく使ってますよ、いい場所ですっ」


 何だかんだあったが、私とミーナはとりあえずパーティーを組んで西側の出入り口から街の外へと出て、今は平野(フィールド)を歩いている。

 もちろん物理的な距離は取りながら、だが。


「そう言えば、まだミーナのレベルとか聞いてなかったよね?」

「あれ?話してませんでしたっけ?」


 うん、聞いてないね。

 時々挟んでくる黄色い歓声で、彼女が魔法使いだってことと、ミーナの本名ぐらいしか聞けてない。


「わたしのレベルは今8ですね。実はわたし……ずっと一人(ソロ)で遊んでいたおかげで、こんな称号を貰っちゃいまして……」

「えっと……それはミーナの能力(ステータス)を見るために近づかないと駄目な流れだよね?」

「ひ、酷いですっ!如ら……いえ、フェブラさんが傍にいるからって身体を触ったりはしませんよっ!……もしかして、疑ってるんですか?」

「うん」


 いやもうそれは被せ気味に力強く。

 今までの遣り取りを見て、その可能性を疑うなというほうが難しいでしょうに。


「わっかりましたっ!そこまでフェブラさんに疑われたままでパーティーを組むのはわたしも我慢なりませんっ!……だから」

「え?もしかして……このゲームにはそういう機能があるとか?」

「いいえっ!もし、わたしが承諾無しにフェブラさんの身体に触れた場合、罰金としてタッチ一回につき100ゼム払いましょう!」


 と、自信満々に胸を張るミーナだったが。

 それじゃ、ミーナが私くらい金額(ゼム)を持っていたら触り放題ってことなんじゃないか?


「……な、なんですかっその疑いの目はっ?い、言っておきますけど、わたしの手持ちは5000ゼムしかありませんから50回が限度ですからねっ?」


 50回も触らせるわけないじゃないか。

 変な気持ちで触ってきたら、即座に脇固めを極めてやるっての。

 まあ、あまりミーナを疑ってても先に進まないから、からかうのは一旦止めにして。


「わかったわかった。ミーナを信じてあげるから、ちょっと能力(ステータス)見せてくれるかな?」

「は、はいっ!どうぞどうぞ見てくださいフェブラさんっ!わたしの事なら隅の隅までずずずい……っと見ちゃって下さいっ!」


 近い、ミーナの顔が凄く近い。

 だけどまた突っ込むと延々と話が進まないので実害が出ないうちは無視して、ミーナの能力(ステータス)画面を見る。


名前 ミーナ

種族 ヒューマン

職業 魔法使い(マージ)

レベル 8

HP 155/155

MP 420/320(+100)

筋力 25

耐久 30

器用 20

敏捷 35

魔力 50(+30)

精神 40


装備:樫の木の杖、魔術師のローブ、三角帽子、魔力の指輪

持ち金:5000ゼム

スキル:〈支援魔法(エンチャント)〉18〈格闘術〉8〈体術〉7〈応急処置〉5〈鑑定〉5〈マジックポケット〉5〈初級魔法(スタンダード)〉10


称号:「一人を極めた者(ソロマスター)


 魔法使いって聞いていたから魔力に能力ボーナスを振っているのかと思ったけど、案外平たく能力値を割り振っているのは一人で遊んでいたからなのだろう。

 そういえば会った時に「自分に支援(エンチャント)を掛けて」って言ってたのを思い出す。魔法使いなのに〈格闘術〉や〈体術〉が思った以上に成長してるのはそういう理由らしい。


 そしてスキルの下には気になる項目が……多分ミーナが言っていたのはこの称号のことか。

 どれどれ?


一人を極めた者(ソロマスター)

取得条件:パーティーを組まずに一人で連続10日遊び続ける。

効果:一人で戦闘して勝利した際の取得経験値が上昇(中)。


「……でも、こんな称号の効果があるんだったら私なんかと組まないで一人で遊んでたほうがレベル上げる効率は良いんじゃないの?」

「そんなコトはないですっ!……いえもちろん、今までは一人(ソロ)が良いと思ってたんですけど。フェブラさんと運命的な出逢いをしちゃいましたからっ!」

「……それ以上顔近づけたら100ゼム罰金だよ」

「じゃあニオイだけでも……くんかくんか」

 

 ミーナ……それはもう中年のオッサンの所業でセクハラ案件だよ……

 私の心底うんざりしている表情に気がついたのか、ミーナが慌てて体裁を整えるフリをする。


「い、いえっ違うんですっコレは!で、でも憧れの人とゲーム世界で一緒に遊んでると思うと身体が言う事を聞かなくて……ごめんなさい……」

「えっと……一応聞いておくけど、ミーナって……その、男の人より女の子が好き……とかじゃあ、ない……よね?」

「え?違いますよ?」


 あまり答え(にく)い性癖への質問に、実にあっけらかんと答えるミーナ。

 ……だが、次に続いた台詞は私の背筋が凍りつくようなモノだった。


「わたしにとって如月選手は、憧れの女性とか、恋愛対象とかじゃなくって、いわば『神様』ですからっ!」


 ヤバい。

 まだ街を出てモンスターと一戦も交えてないってのに、もう現実世界(リアル)の私のMPがゼロになりそうだよ……

ちょっとミーナとのやり取りが長くなって申し訳ありません。

一度モンスターとの戦闘を挟んでからやり取りを再開させようかどうしようか悩んだのですが。

結局まとめてやっちゃいました(笑)。

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