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ノロイ箱

作者: 龍刃 暁

楽しんでくれれば幸です。

誤字があったり、表現が伝わりずらいかもしれません。

あらかじめご了承ください。

では、どうぞ。

ある日のことである。ある男性教師が死んだ。死因はわからない。しかしそれを聞いた一部の人間が、青ざめた表情を浮かべていた。その一部の人間の一人はビルから飛び降り、意識不明の重症を負っていた。

 「と、書いてありますね。」

 ここは生死の間である。周りは黒の壁で覆ってあり、椅子が二つある。椅子の間には、机があり、見覚えのある字で書かれた紙といくつかの資料が置いてあった。

「あのー僕は死ぬのですか。」

「はい、このままだと」

とスーツらしきものを着た男性は、答えた。

 この男性は、ノロイさんといい僕の地元では有名であった。有名であったと書いたが、うわさが有名で見たことがあるものはいない。

 噂とは、ある山の奥に、ノロイ箱という箱がある。そこの箱の中に嫌いな人や、殺したい人の名前を書くと、ノロイさんという死神が殺す又は呪ってくれるという噂だった。

 「で、君はなぜ私の箱にこの人を殺してくださいと書いたんだい。」

 ノロイさんは笑顔のまま言ってきた。

 「はじめは出来心で、ノロイ箱を見に行ってきました。そしたら本当にあったから、みんなで嫌っていた先生の名前を書いて入れました。」

「じゃ、注意事項を見たよね。」

 僕は知らなかった。注意事項があるなんて。

「え、・・・わからない?なかった木の下に看板に注意事項が書いてあったの。」

「箱の周り見ましたけどありませんでしたよ。」

「あれま、おかしいわねちょっと待ってね」

ノロイさんは慌てて、パソコンを取り出して調べていた。というかここネット使えるのだろうか。気になって聞いてみた。

「ノロイさんここネット使えるのですか?」

「使えなきゃ調べてないでしょ。死神ネットというの、死神たちと話したりするとき使うの。」

 色々と、死神ネットのことを教えてくれた。

 「あぁないね。これは私のミスだわ。昔はここにあってね。」

と、死神ネットの一つのサービス死神アースを見せてきた。

「注意事項は何だったんですか?」

「願いをかなえる代わりに地獄に行くこと。」

ノロイさんは怖い顔になり僕を脅すかの如く言った。

「だけど今回だけ特別サービスで、二つ選択肢を与える。一つ目は君が生き返り、このことにかかわっただれかを犠牲にする。犠牲にする奴が決まったら、そいつの名前を書いてノロイ箱に入れてくれればいい。二つ目は自分がそのまま地獄に行く。その二つどれがいい?」

ノロイさんは多分一番の笑顔で言った。

僕は決断をしなければいけない。どちらがいいのかを。生き返ればあの中から一人殺さなければいけない。だけどそんなことはできない。しかし、死にたくもない。どうすればいいのだろうか。

僕は終わりかけている、人生でこんなに悩んだことはなかった。どんなことも誰かと一緒の意見にして周りに流されてやっていた。誰かが「何かしよう」といえば「おぉいいね」と返すだけで自分から「何かしよう」とは言わなかった。そんな自分が人の人生を決めるかもしれないいや、決めてしまう決断をできるわけがない。しかしまだ死にたくない。ましてや地獄なんかに行きたくもない。自分はどうすればいいのか。悩み、悩み悩んだ結果自分が地獄に行くことを決めた。

「決めました。」

「決まりましたか。どちらにしますか。」

「地獄に行きます。」

「わかりました。ならばこれを渡します。」

どこか見覚えのある詳しく書くならば裏が黒色で表が緑の紙を渡してきた。

「この先に駅があります。次来る電車に乗り、何駅かは忘れたけど川を渡った後すぐの駅で乗り換えてくださいね。」

 「はい・・・。」

「長旅かもしれないけど気を付けてね。」

「ノロイさんありがとう。」

「一つ聞いていいかい?」

ノロイさんは不思議そうな顔で聞いてきた。

「なぜ地獄に行くことを決めたんだい?」

「大事な事を思い出したんだ。」

「大事な事とは?」

「自分がやった罪だよ。」

「罪ですか。」

「そうです。自分もノロイ箱に手紙を入れた一人間。一人の人生を奪った人間です。そんな人間が、生き返れるわけがないでしょ。」

 「君の決断は素晴らしい」

「自分が犯した罪の深さを理解して、自分が苦しむ道を選んだ。素晴らしい」

涙をこぼしそうになったノロイさんは話を続けた。

 「実をいうと看板は、わざと立ててなかった。今まで、何十人何百人もの人間がここを訪れて、同じ質問をしてきた。皆、生き返る選択しかしなかった。それほど地獄というのは行きたくないものなのだ。現世で想像されている地獄は厳しすぎている。本当の地獄は、鬼なんかいない。自分が犯した罪を何度も何度も唱え許しを得て、天国に行くこれが本当の地獄なのだよ。確かにノロイ箱に入れたことは悪いことだ。だけど君には天国に行く条件にも当てはまっている。どうだ、天国に行くことも考えては。君にこれも渡しておこう。天国行きの切符だよ。」

ノロイさんは満面の笑みとたくさんの涙を今にでもこぼしそうな目で天国行きの切符と手紙を渡してきた。

「君はどちらに行くのか君次第だ。天国に行くのもよし、地獄に行くのもよし。さー電車に乗り、選べ。」

「それとこれを駅員さんに渡して。」

「またもや決断ですか。勘弁してくださいよ。決断、苦手なのに。」

僕は笑いながら歩きだし、どっちに行くか悩んでいた。

「次は三途駅、三途駅終点です。お忘れ物なさいませんようご注意ください。」

「ふぅついた」

「あらお若いお客様ですね。あれどうして二枚も?」

「これノロイさんからのお手紙です。」

「あぁノロイ君ですかわかりました。どちらに行かれます。」

「   で・・・」

「よろしいのですね。わかりました。ちょうどいい時間ですね。まもなく電車が参ります黄色い線までお下がりください。」

「はい、さて行きますか。」

ガタンガタンと、電車がきて、自分が行こうと思った行先が書いてある電車が来た。

「長旅だと思いますが気を付けて。」

「行ってきます。」

電車に乗り、周りを見た。長旅かもしれないたびには寂しいくらいの人数だった。

「あいつようやく死んだね。」

「やめろよ、誰かに聞かれたらどうするんだよ」

「俺があいつの名前をノロイ箱に入れたんだから」

「ていうか、うわさって本当だったんだね。」

ノロイ箱完


この作品は空想上のものであり、宗教などにはかかわりはありません。ご安心ください。

いかがでしたでしょうか。楽しんでいただけましたか?この少年が地獄、天国に行くか皆さんはどちらだと思いますか?ぜひ、コメントで、皆さんの考えを教えてください。

また、誤字や、表現が分かりずらいところがありましたら教えていただけたら幸いです。

ではまた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 構成が非常にわかりやすくて、物語の構造が掴みやすかったのがとても良かったと思います。 主人公は天国に行くか地獄に行くかということで、とてもよく考えて悩みました。 そして結論を出した時の主人…
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