ホワイトノイズ・ノクターン
行き場を無くして街中に独り、寒さに震えて立ち尽くす。
どれだけ歳を重ねても、寂しいものは寂しいのだと、眩し過ぎるネオンサインの下で呟く。
積み上げるのに幾数年。
失う時はただ一度。
現実から逃げるのはそう難しいことでは無かった。
適当に声をかけ、今夜の食事代を捕まえる。
最初こそ怖かったが、お金も愛も手に入る生き方に不満は無かった。
ほら、今夜もまた、名も知らぬ誰かと肌を重ねる。
ねぇ、もっと私を愛して?
その指で、口で、貴方の全てで…
窓にチラつく粉雪とは対照的に、この部屋は、誰かと私はとても熱くて。
速くなる2つの鼓動と、反響する嬌声は、背徳的な夜想曲。