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4話


 はい、おはよう。


 最近寝つきが悪いんだがなんでだろう?


 まあ疲れとかはないし、この時期特有の腹痛の持病もなくなったぐらいだから元気そのものではあるんだけどね。


 朝のランニングが終わり次第、冷蔵庫の物を買い出しに行かないといけない。


 ここの部屋冷蔵庫がやたらデカいやつ置いてあって一人暮らしで使うにはちょっと大きすぎるのだ。


 貯め買いすれば何日も持つレベルだ。


 親父が買った特別性だそうだ。






 ランニングが終わりスポドリを買って帰宅する。


 フロントのお姉さんに「ただいま戻りました」と言って自室に戻る。


 エレベーターホールに行くと一つ下の階の部屋の女の子が一人で立っている。


 確か小学六年生だったかな?


 今年から中学生だと言ってたっけ?



「どうしたの?こんなとこで」


「あっ……」



 目が合うとすぐに俯いてしまう。


 黒髪でショートカット、グレーのパーカーにホットパンツにニーソックス?だっけ。


 ボーイッシュな恰好だ。


 童顔だし学校ではモテるんじゃないか?


 人見知りするとお母さんから聞いているけど嫌われているとは思いたくない。



「あの…お兄ちゃん、このゲーム知ってる?」


「ゲーム?」


「うん。友達に教えてもらったんだけど……。やり方が分からなくて……」


「俺がやってるものならいいけどな」



 彼女の携帯の画面をのぞき込む。


 ゲームは今散々テレビでやってる有名なパズルゲームだった。


 フリップでボールを動かし縦横3つ以上揃えれば攻撃判定となり消した数によってダメージが追加されていくらしい。


 よくあるタイプのゲームだが、このゲームのメインは自分のワールドというものを作り自分の仲間にしたモンスターを育成することらしい。


 自分だけの世界が作れるということで老若男女問わず今人気のゲームである。


 俺も入れて三日で飽きてアンインストールしたゲームだ。


 これがほんとの三日坊主だな。



「お兄ちゃん?」


「はっ!な、なんだっけ?」


「むー!ちゃんと聞いててよ……」


「ご、ごめん。何が分からないんだっけ?」


「このモンスターがね。進化素材が揃っているのに進化できませんって出るの。なんで?」


「ちょっと待ってね」


「うん」



 あれ?これなんで進化できないんだ?


 進化素材もゴールドも揃ってるのに……。


 ちょっと汚いけど攻略サイト見るか……。



 えーっと…?



 え?



 皆出来てないやん。


 進化ができないっていうコメントが多発してる。


 バグか?



「どうやらバグっぽいな」


「バグ?次のイベントまでには進化しとかないとダメなのに!!」



 がっつりハマってんな。


 バグは直しようがないけど、頼ってくれたことはお兄ちゃん嬉しいぞ。


 そうこうしてるうちにお母さんが来た。


 どうやら車を入れてたらしい。



「あらー!お久しぶりですね!」


「どうも、お出かけだったんですか?」


「ええ、恥ずかしながら今買い出しが終わったとこで……」


「自分もなので全然恥ずかしくないですよ」



 なんでもない話をしながらエレベーターに乗る。


 

「じゃあ私たちはここで」


「はい」


「またね」


「……うん」


「この子は全く…」



 44階で降りていく。


 俺は一戸上の45階。


 超たけえ。


 親父…。俺には宝の持ち腐れだぞ。




 リビングに入り、ふと窓の外が目についた。


 優雅に泳ぐクラゲ。


 飛び回るドラゴン。


 そのドラゴンを追う羽の生えた馬。


 その馬に乗る騎士。



 流石に俺疲れているんだろうか……。


 ベランダに行き周りを見渡す。


 ビル群を縫うように泳ぐトラックほどもあるマンタ。


 球体上のUFOみたいなものも浮かんでる。





 あれ?ここどこ?



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