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3話


 はい、おはよう。


 今日は高校の近くの弁当屋でバイトする日だ。


 お金が親父から振り込まれてくるとはいえバイトを止める理由にはならない。


 だって高校生だぞ!


 バイトしたいじゃん!


 バイトの先輩と仲良くなって……とかその先のこと考えたりするじゃん。


 健全なら。


 まあ弁当屋だからかは分からないが、集まってくるお客さんもスタッフもおばちゃんしかいないけどね。



 朝食を食べながらテレビでニュースを見る。


 昨日の隕石のことをやってた。


 そりゃいきなりデカい音と車が吹っ飛ぶくらいの衝撃が来たらニュースにもなるわな。


 どうやら負傷者は135人、死傷者は65人、被害場所は某集合施設だったらしく映画を見てるようだった。


 なんで真横に落ちてきたはずなのに俺生きてんだろう?



 切り替わってボヤ騒ぎの犯人も捕まったらしい。


 なんでそんなことをしたのかと聞かれると、



「主を呼び起こすための必要な儀式なのだ!!下劣な貴様らには分かるまい!!」



 って言ったらしい。


 厨二病もここまで行くとひどいよな。


 車で連れていかれた時の一瞬のフラッシュ写真では吸血鬼のコスプレだった。


 やべえ……やべえよ……。



 さて、バイト行くか。



 オートロックの玄関を閉める。


 高校生が住んではいけない一室を出る。



「あら?おはようございます。お出かけですか?」


「あっどうも。おはようございます。そうなんですよ、バイトで」



 この綺麗な女性はお隣さんの看護学部に学びに行ってる大学生さんだ。


 就活に行ってると言ってたから大学四年生なんだろう。



「何のバイト?」


「弁当屋で…」


「そうなんだ。どこでやってるの?」


「駅前の…。〇〇ビルの前の…」


「あ、あそこ!今日は行ってみるね」


「いや、悪いですよ。なんか払わせてるようで……」


「いいの、私が行きたいんだから。何時までレジにいるの?」


「15時までです」


「じゃあお昼寄ってみるね」


「あ、ありがとうございます」


「いいの、いいの。じゃあ行ってきます」


「い、行ってらっしゃい」



 ……。


 よっしゃあ!!


 進展してる!はず!



 はっ!俺も行かないと!品出しがあるんだった。


 あれ?俺レジにいるって言ったっけ?


 まあ弁当屋だしレジ打ちぐらいしかバイトの仕事ないけど。




「すいません、遅れました!」


「いいのよ~。品出しやっといたから」


「あ、すいません!」



 このおばちゃんはパートの人。


 俺と同じバイト組だけどめっちゃ先輩。


 ここの弁当屋が出来てから2週間後くらいから働いているらしい。


 正社員でいいと思うのだが、副業らしい。




 正午になるとラッシュである。


 サラリーマン二人組。


 比較的おばちゃんが多いけど、同僚の人同士とか上司と部下とか女性三人組とかでも良く来る。


 なんか知る人ぞ知る弁当屋になってるらしく、安くてうまいから話題なんだと。



 そんなこんなでお隣さんが来た。


 お友達も連れて。


 お友達も綺麗な人ばかりだ。



「忙しいときに来ちゃったかな?」


「はは、大丈夫ですよ。まだ捌けるんで」


「そう?ごめんね」


「だから言ったじゃん。もう少し後にしようって」


「ウチらはいつでも来れるんだからさ」


「ごめんごめん。お昼に行くって約束しちゃったからね」



 お友達さんはズラしてくれようとしてたみたいだ。


 本音を言えばこの時間はキツいけど、誰がそれを言えようか。



「なんだ?兄ちゃんのコレか?」



 常連のおっちゃんが小指を立てて言う。



「ち、違いますよ。住んでるマンションのお隣さんってだけです」


「なんでえ、つまんねーの。ようやく兄ちゃんにも春が来たかと思ったのに」


「勘弁してください……」


「はっはっは!あ、俺いつものね」


「はい…」



 おや?お隣さん顔真っ赤じゃん。


 ここで俺に気があるとかは思わない。


 多分こういうノリが慣れてないんだろう。



「すいません、なんか」


「う、ううん!だ、大丈夫、大丈夫……」


「おっなんだ?嬢ちゃん生娘か?」


「なっ!!」


「待った!!それ以上は奥さんにチクりますよ!!」


「うげっ!それだけは堪忍してくれ!」


「ウチら忘れられてね?」


「そだねー」



 若干顔の赤いおっちゃんと大分顔の赤いお隣さんを帰らせた後、おばちゃんたちから質問攻めされた。


 よかったんだか、悪かったんだか。



「疲れた……」



 寝よ寝よ。


 明日は何もない日だ。


 ゆっくりしよう……。











『被験者のスリープモードを確認。能力選択は明日へ移行。

強化にかかる負担は見られません。累計立ち時間約7時間による足への負担を治療します。

完了まで、4%…23%……


……98%…完了しました。

その他の負担は観測不可。最良の状態へ移行するために脚部への強化を開始します。

筋力増加、骨密度強化、筋肉質強化、外装硬質化、支配領域拡大……。


記録整理中。隕石による*******による****の影響を確認。

****は被験者の身体に悪影響があるとの判断。

適応します。能力選択とは別枠で【適応能力】を確認。

今までの行動により【適応能力】が【最良適応能力】に変質。


当機はこれより2時間34分2秒後にスリープモードへ移行します……』


数字は半角と全角どっちのほうがいいんでしょうか?

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