1話
手あたり次第に書きたい小説を書いてます。
故に不定期投稿になりがちです。ご了承ください。
『あなたは第一被験者に決定いたしました。能力を選んでください』
「は?」
そんな声で目を覚まし寝ぼけた目で周りを確認すること五分、夢かと思いもう一度寝た。
その日の変わったことといえばそれぐらいだ。
大学生にもなって厨二病だと言われたくないし、幻聴だと言えば薬やってると言われるし、碌なことがないだろう。
男なら一つは所持しているはずだ。
黒歴史というものを。
俺の黒歴史は押入れの中に深く深く眠っている。
段ボール箱三つ分にもなった、ありとあらゆる分野で描かれたモンスターたちである。
朝に変な声が頭に響き、黒歴史を暴露してみたが何かが起きることはない。
やはり夢だったのだろうか。
夢にしてははっきり聞こえた。
恥ずかしいが、一人暮らしだしお決まりを言ってみようか。
「ステータス」
「……」
「…」
何も起きない。言い方が違うとか?
「ステータスオープン」
「メニュー」
「開示」
「我が命令する!己の天命を示せ!」
反応しないようだ……。
最後のはえらく恥ずかしかったけど、そこは我慢だ。
やっぱり夢なのか……?
瞼がどんどん重くなる。
俺は眠気に抗えずそのまま寝落ちした。
『第一被験者の睡眠を確認。能力選択は未定。当機もスリープモードへと移行します。
エラーが発生しました。再度展開します。
エラーが発生しました。
原因を解析中……。原因が判明。第一被験者である精神体が拒絶しているため移行できませんでした。
被験者の身体を解析中……。解析終了。拒絶意思のため移行は不可能との予想。
当機を被験者が確認するためには融合が必要です。
当機と被験者の融合を開始します。融合…5%…。12%…。……。
融合が完了しました。融合にあたり欠落している部分の修復を開始します。
視力回復、五感強化、骨密度強化、筋肉質強化、外装硬質化、吸収速度上昇、支配領域拡大。
体内環境操作…。胃に対する異物を確認、除去します。
解析能力の向上…。……』
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