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皇女物語(旧題 Lena ~魔人皇女の物語~)  作者: 弥也
愛しさの19歳
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反撃5

 オクサナがコサムドラの城で常駐の医者として働き始めて二週間がたった。

 この日は、レナの元にカーラとエヴァが遊びに来ており、カーラの経過を診たいとオクサナも同席していた。

「もう、カーラは大丈夫なの?」

 何としてもカーラは乳母になって貰いたいレナは、オクサナに食いつく様に聞いた。

「ええ、大丈夫です。おっぱいもしっかり出てますね。二人とも、そんなに見つめたらピエルが恥ずかしがりますよ」

 レナとエヴァが、カーラが息子ピエルに授乳しているのをマジマジと見つめるので、オクサナは笑い出した。

「だって不思議なんだもの」

 レナはピエルの柔らかい頬を突いた。

「何言ってるのよレナ。レナだってもう直ぐでしょ?」

「そうだけど……」

 突然ピエルが顔を真っ赤にして、しかめっ面をした。

「あら、ピエルどうしちゃったの? 私が突いたのがいけなかったのかしら?」

 カーラが笑い出した。

「いえ、レナ様。エヴァごめん、私のバッグからオムツを取ってくれる?」

 レナもすぐに臭いで気付いた。

「あら、ピエルはウンチなのね! でも、さっきオムツ替えたばかりなのに」

「向こうで替えてきます」

 カーラがピエルを抱いて隣の部屋へ行こうとした。

「あら、ここで良いじゃない。私にも予習になるわ」

「手伝いましょう」

 オクサナがカーラを手伝って、ピエルは新しいオムツに替えてもらい気持ち良さそうに眠り始めた。

 眠ってしまったピエルはソファに寝かされ、若い少女三人のお茶会が始まった。

「では、私はここで」

 オクサナが立ち上がろうとすると、レナが止めた。

「他に用がないなら、一緒にお茶をしましょうよ。オクサナさんの話も聞きたいわ」

 国王の娘にそう言われては、この場を去るわけに行かない。


「エヴァの髪飾り素敵ね。私なんてピエルの世話で自分の髪に手間をかける時間もなくて…」

 カーラが恥ずかしそうに、引っ詰めた髪を触った。

「小さな子供を持つお母さんは、皆そうですよ」

 オクサナがカーラに言った。

「そうなんですかね……」

「やっと少しまとまった時間眠れる様になったところでしょう」

「はい。でも、産んでから今まであっという間で」

「みんな、そう言うわ」

 レナとエヴァはオクサナのカーラの会話を物珍しそうに聞いていた。

「お母さんって、大変なのね……。私にはまだむりだわ。お店もあるし」

 エヴァがため息をついた。

「あら、アル……今は違ったわねジャンとはどうなってるのよ」

「どうも何も、何もないわよ? あ、この髪飾りはジャンがプレゼントしてくれたんだけど」

「「「え?!」」」

 レナ、カーラ、そしてオクサナまでが驚きの声を上げた。

 その声にピエルが目を覚まし泣き出してしまった。カーラが慌てて抱き上げ、あやしながら部屋の中を歩き始めた。

「エヴァ、あなたジャンと付き合ってるんじゃないの?」

「どうなんだろぅ……。多分付き合ってるんだと思うわ。ジャンが居ると安心するもの」

「あの本当にアルセ……ジャン様がプレゼントを?」

「ええ、これ以外にも持ち切れないほど買って来たんです。ほら、あの日。ジャンが城に呼ばれた日」

「そ、そうですか」

 オクサナには、到底信じられなかった。

 リエーキでのアルセンは、欲しい物はそれが異性でも魔力を使って全て自分のモノにし、飽きれば捨てていたのだ。

「本当に、その、男女のそういう事はないのですか?」

「やだなぁオクサナさん、ないわよ。そんな事」

「「ええ!!」」

 再びレナとオクサナが大きな声を出してしまい、やっと泣き止んだピエルがまた泣き始めてしまった。

次話も、よろしくお願いします。

(ただの女子会かよっ!!)

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