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発見〜砂漠にて〜

「それで、なんだってあんなところにいたんだ?」ラクダ乗りの男改めシャヒンは俺に聞いてきた。先ほど口にした水が身体中を潤していく中でこの質問は少し辛い。


「信じてもらえるかは分からないけど、気付いたらあそこにいたっていう説明で納得出来る?それ以上に説明のしようがないんだ。」シャヒンは眉をひそめて手で頭を掻いた。「納得出来ないな、それにお前の風貌はどう見たってこの辺りの者ではない。なのにお前の名前は俺の知り合いにもよく見かける名前だ。もしかして両親はこっちの人間なのか?」


「 両親がこっちの人間?そんな馬鹿な?俺の両親は日本人だぞ。」「ニホンジン…??なんだそりゃ聞いた事ないぞ。それにしてもお前の名付け親も大層な名前をつけたもんだ。シエルつまりは獅子のことだろう。どこが獅子なんだ??」


いきなり名前の意味は獅子だ。ライオンだと言われても納得出来ない。俺の名前の由来は…あれ…?なんだっけ?

そういえばこの名前が嫌い過ぎて由来など忘れてしまったんだったな。



シャヒンは続けて言う。「俺の名前もハヤブサって意味があるというかハヤブサそのものか。こっちもこっちで何を考えてんだろうな、名付け親って奴は…」軽く溜息をついてはいるが意外と付けられた名前に満足している節がある。


俺にとっては名前は忌むべきもので、余り口にはしたくないものだ。俺がいた学校ではこの名前は珍しかったようで、この名前のせいで不利益を被ることもあった。漢字の名前の人が羨ましいといつも思っていた。それは今でも変わらないことだけど、それゆえに何故さっきシャヒンに向かって、名前をはっきり言えたのだろうか?


シャヒンは俺を見て「それでお前はどうするんだ?これからは?」と言った。俺は少し目を瞑り話した。「今はそうだな、うん、軽い記憶喪失みたいなものと考えてもらえると助かる。実際名前くらいしか分からないしな。」


「今は情報が欲しい。ここが何処なのかとか、時間はまぁいいか。でも年代は知りたいな。今西暦、何年?」

シャヒンは訝しんでこちらを見た。


しまった。西暦じゃ分からないのか?太陰暦かイスラム暦なのかと頭を働かせていると「お前の言っていることは分からないが最近、西方の民族がお前の言うような時間を表す概念みたいなものを作ったと聞いているぞ。」


その言葉は俺の身体に電撃を走らせた。暦の概念が今までなかったのか?まさか…その西方の民族って…


「なぁシャヒンその民族ってシュメール人の事なのか?いや、まさかな。」

「よく知ってるじゃないか。その通りだ。あいつらは頭が良いからな、西方はここよりも栄えてるんだぜ。あれ…どうした?シエル??」


全てではないが断片的に得た情報を整理していく。まずはここは砂漠で今まで暦の概念はなくて西に行くとシュメール人がいるだと…「わぁぁぁああーー??!!??」俺は頭を掻きむしって叫んだ。そうするとまた喉が渇いてしまうのだが、ここは騒がずにはいられなかった。


「おいおい大丈夫かよ。お前なんか色々ぶっ飛んでんな。」シャヒンの茶化すような言葉も今は気休めにしかならない。それもそのはずで何故か知らない場所に転移していた事は事実として受け入れてはいたが、まさか時代も転移していたなんて…


つまりこれはタイムスリップなのか?ここまでくるともう何でも来いって感じになる。今だったら何でも受け入れられそう。そんな心境になってしまったのだ。


シエルの度肝を抜いたシュメール人とは世界文明の開祖と呼ばれる世界最古の文明、メソポタミア文明を作り上げた民族であり高度な医学、法体系、文化、天文学などを有し、更には民族の系図が不明でありらシュメール人宇宙人説が出るほどのぶっ飛んでいる民族なのである。


そして 彼らは世界最古の暦を生み出したとも言われている。「つまり西方にシュメール人がいるという事は、彼らの都市国家が有ったのはイラク周辺。この砂漠はその東というイラン辺りだろうか。


自分の理解を大きく超える事態に混乱していたが、そろそろ落ち着いてきたって時に更にとんでもない事が起きたのだ。


「シエル!伏せろ!」シャヒンが叫んだ。とっさに伏せるとその直後、何かが猛スピードで通り過ぎた。「くそったれ。なんで昼間に出てきやがるんだ!」何かが数百メートル先に着地するとシャヒンは悪態をついた。


「こ、これは…ドラゴン?」



3話まで来ました。はい、自分ホントに古代文明好きなんですよ。シエルはまぁ世界史好きって事ですね。自分世界史好きなのに日本史専攻なんですが(なんでやねん)世界史でシュメールってサラッと流されるって聞きました。残念です。それならばこの小説で知ってもらおうじゃないかということです。

それでは次もよろしくお願いします。

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