目覚め〜砂漠にて~
暑い暑い暑い。
とにかく暑い。目が開かないのでよく分からないのだが、その暗闇の中に赤いような黄色いような、ぼやっとした光の渦が見える。これはなんだろうか?その時自分の頭が目を覚ました。
暑い暑い暑い。五感が蘇ってきた。手で触れる感覚は砂だろうか?これも熱い。音は聞こえているがこれは風の音か?
そして自分はここで仮説を立てた。恐らく公園の砂場にいるんだろうと。そういえば今は夏だった。何故こんな事になっているのかは分からないが、ここは公園の砂場で自分は意識を失って倒れていた。そうだそうに決まってる。
やっと視覚も回復して来た。さてそろそろ起き上がるとするか。蝉の鳴き声が聞こえないのは不思議でならないが今はそんな事はどうでもいいか。そして目を開けると
「は?は?はぁぁぁぁぁー????」「なんで?なんで?どうして……?」頭がこんがらがってきた。自分は公園の砂場にいたのでは?今自分の見る風景は確かに砂場だ。しかし規模が半端じゃない。これは……??砂漠??
「おいおいまじかよ……」茫然として周りを見渡す。
見渡す限りの砂、砂、砂
これが世に言う砂漠?知識としてしか知らない物に対してこんなに簡単に判断していいものか?
自分は冷静になろうと考えた。ひとつ深呼吸してみる。熱い熱い熱い。吸い込む空気が熱い。こんな環境で深呼吸をしたって落ち着ける筈がない。
今になって体が火照っている事に気付いた。相当熱いんだろう。最近の夏は昔に比べて暑くなったというが、この暑さは別格だ。照りつける太陽、限りなく広がる砂漠、雲ひとつない快晴。うん、砂漠だ、まごうことなき砂漠だ。自分は雄大な風景の前でただ佇むだけだった。
「本当どうしようか?」思考を始めた。(とりあえずここは何処だろうか?自分の目の前の景色から判断するとここには砂しかない。現実的に考えて海岸辺りが妥当だろう。さっきここは砂漠だと判断した筈なのになと少し笑った。
「確か日本には鳥取砂丘とかいう砂漠まがいもあったよな。それならとりあえず海を目指そうかな。」
しかしもう一度言うが360度どこを見ても砂しか無いのだ。「太陽は真上にある。だから正午あたりか。」今、分かる情報を口に出してみる。何か呟いていないと心が折れそうになってしまう。それほどまでに自然は大きく自分は小さくて孤独だ。
「打つ手無しだな。詰んだ……」
どうしようもなくなり悲嘆にくれていたその時、視線の先に何か動くのが見えた。「あれはなんだ??」遠くて分かりにくいが、何かが動いているのははっきり分かる。「あれだ。あれに頼るしかない。」唯一みつけた希望を前に自分は重い足を進める。
少年は歩き続ける。目の前のただ一つの希望に向かって。
自分のこれを小説と呼べるかはちょっと分からないですけど一応デビュー作になります。
なるべく多く早く更新出来るように頑張りますので応援よろしくお願いします。