社会は甘くはないよね。
「 そうだね。何故、俺が辞めたいって思ったことから始めようか。それは、今息子と娘一人ずつ
育てているんやけど、中学1年生と小学4年生の子供がるんやけど実際手取り25万でこの金額はきつい
だから、嫁もパートに出て少しは生活の為にって頑張ってくれてる。今の会社で頑張っても給料が
上がるわけでもないし、子供に大学に行かせる余裕もない。でも、子供に金がないから大学にいくなっ て、口が裂けても言いたくないしね。」
「 そうか、紀洋は給料が安いって言うのがネックなんやね。でもちょっと言い方を変えて質問
するね。紀洋は、紀洋自身のやりたい仕事があって、今よりも給料が低い状態ならどうする。」
「やりたい仕事を優先してまで家族の生活をするつもりはない。今の仕事を続けるよ。」
「 甘いよ、紀洋!」
「なんやねん光一!家族を持っていない奴がこの気持ちを分かる訳ないやんけ!」
「 おい!悟も僕も子供がいないのにその発言は何か自分が社会の有利な立場にいるような発言
それは聞き逃せないね。子供を育ててる人間が偉いって言うんかい。」
「 まぁまぁ、落ち着きなよ。紀洋も悟も。確かに光一の言い分も解るけど、今日は紀洋が主役やから
余計な野次を飛ばす議員みたいな事は辞めた方がいいよ。僕はそのつもりで紀洋の話を聞きに来た。
さっきの質問の意味はやりたい事をこらえて今の生活をしているのかって言う事やったけど、
紀洋は、それよりも子供が第一優先って事やね。昔から変わらないね。さっきかっとなったのみて
僕は嬉しかったよ。守りたいものの為に全力で行動するそれが紀洋やね。でも、現実はそれを
許してくれないね。どうやって給料にの高い所で働くかって事やね。」
悟が何か作戦があるような顔をしているのを僕は見逃さなかった。




