市民生活を変えたい
悟と約束を来週の日曜日に決めて喫茶店を出た。
「悟。今日は何かええ感じに見えてきた。やっぱ、府会議員になってこの街を面白くしてやんねん。
そんで、この街から面白い奴がいっぱい出てきてそんで、日本そのものを豊かに快適に暮らせるように
したら、満足や!」
「せやね。その為なら光一に協力するよ。明日、職場の人にいろいろ聞いてみるんやで、結構深い話し
してくれたり、アホやって言われるかも知れへんけど。まずは聞く事からはじめてみたらええねん。」
「 じゃ、来週、紀洋にも宜しく言っといて。」
今日は、貴重なじかんやったなぁ。一人やったら考えもつかないことだらけやった。これをもっと沢山
聞いて行けば、何かいけそうな気がする。ほんまに、明日の仕事が楽しみや。いきなり聞いても変やから
何か、雑談って言うのもキャラやないし。まぁ、先輩の山口さんに聞いて、そんで後輩の濱中君にきいて
上司の中家部長に聞いて、悟にまとめてみようかな。何から話していいかわからん位テンションが上がってきた。もう寝よう。
朝か、よーし、今日は山口さんに政治について聞いてみよう。出勤時間の間、いつも寝て過ごしてるけど
今日は、人の会話を聞いてみよう。
「昨日の、テレビみた?何のあのお笑い芸人、結婚するんやって!」
ほんまに、人のことなんかどうでもええやん。
ほんと、どうでもいい会話してるよ。この会話、僕の話やったら面白いやろなぁ。これが、悟の言ってた
認知されるって事やろね。
休憩時間
「山口さん、昨日友人と話してて、政治について熱い話があったんですよ。」
「どんな内容?」
「地方議員はちょっと恵まれているみたいな話で、会社員にの僕たちより報酬も凄くあるみたいで
なんだか、ムカつきましたよ。」
「せやな。市民税も高くして、政治家は自分の懐を温めることしか考えてないからな。昨日、テレビで
地方議員のことやっとたわ。林君それ見て言ってるん。」
「そんな事やってたんですか。昨日、友人と3時間くらい話し込んでたんで、テレビ見てないですよ。
どんな内容やったんですか。」
「政務調査費って、最初に何百万円かぼーんって渡されて、そこから費用を議員が領収書を添付して
整合性を合わせていってるみたいやで。」
「僕、この前、東京の出張費自腹で払って、返って来たのが2ヶ月後ですよ!止まった宿代も安いところ
探して1日宿泊代五千円の所で3日間やったからしめて5万円くらい使いましたよ。それも、コーヒー代
は、経費に落ちないとか、遅くなってタクシー使ったのももってくれなくて自腹でしたよ。仕事遅く なったのは、研修の段取りが悪くて深夜になったのに。深夜手当すらつかないんですよ。議員ってそん なにざっくりと税金を使うもんなんですか。」
「彼らなりの言い分もわからなくないけど、会社員からすれば、ほんまにおかしい事だらけやで」
「 ほんまそうですね。山口さんありがとうございます。休憩時間にこんな訳のわからん話で時間を
使ってしまって...」
「ええで、もう、仕事に戻らんとあかんね。」
仕事終わりの更衣室で、濱中君を見つけた。




