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ハピネス活動再開

ハルの事件も一段落。

そして待望の時がやってきました。


 ハピネス事務所崩壊事件から、数週間。

 ハル拉致事件からも、数週間の時が経った。

 それは、ある事を意味する。

 即ち、ハピネスが再始動の時を迎えると言うことだ。



 新事務所には、ハピネスの全メンバーが集結していた。

 招集を掛けた千景は、それを満足げに見回すと、皆の前に立つ。

「みんな、よく集まってくれました。今日呼んだのは、言うまでも無いでしょう」

 いつになく上機嫌な千景に、ハル達も頷いてみせる。

「ご覧の通り、ついに私達の新たな事務所が完成しました」

「「おぉ!!」」

「あらゆる面で、旧事務所を上回るスペックを誇ります」

「「おぉぉ!!」」

「悲願だった光回線も導入済みです」

「「おぉぉぉ!!」」

「パソコンも最新型に切り替え。作業効率が桁違いに向上しています」

「「おぉぉぉぉ!!」」

「更に対人迎撃システムを新たに導入。一個中隊の襲撃も恐れるに足らずです」

「「おぉぉぉぉぉ!!」」

「そして極めつけ、対狙撃・砲撃の素材を使用、核の直撃だって耐えられます」

「「おぉぉぉぉぉぉ!!」」

「もはや私達に怖いものはありません。この日この時から、私達の伝説が始まるのです!」

「「よっしゃぁぁぁぁ!!」」

「……なんか色々、てか後半おかしくね?」

 テンション最高潮のメンバーに、ハルの突っ込みは届かなかった。



「とまあ、少しはしゃぎすぎましたが、ようやく業務を再開できます」

「……自覚はあったんですね」

 一安心です。

「でもこれだけの設備を整えたとあると、相当費用が掛かったんじゃ」

「まあ、一億もあれば充分でしたよ」

「い、一億……」

 宝くじでも当てなければ、一生手にすることはない額だろう。

 改めて事態の重大さを思い知らされる。

「その費用も、全てドクター払い。折角なので、色々な仕掛けを付けちゃいました」

「……蒼井」

 自業自得とは言え、流石に同情を禁じ得ない。

「そう言えば、張本人は何処に?」

「研究室に籠もっていますよ。新発明で、今回の出費を挽回すると息巻いてます」

「ドクターならぁ、寧ろ出費が増えそうだけどねぇ」

「……笑えないよローズ」

「そこはご安心を。研究室の耐久力は、考え得る最高強度を誇りますから」

 一体何処を目指すつもりなんでしょうか。


「まあ、仕掛けについては追々説明していくとして」

「誤作動とかしませんよね?」

「…………」

「黙られると、凄まじく不安なんですが」

「……即死系のトラップは、恐らく大丈夫かと」

 安心できない。

 何一つ安心できる要素がない。

 と言うより、トラップって何ですか?

「急ピッチで作業を済ませたので、まだ動作確認できていない装置もありまして」

「……例えば?」

「そうですね、まずビルの階段ですが、ここにもトラップがあります」

「どんなトラップを?」

「名付けて『つるつる坂』。一瞬で階段が収納され、滑る床に早変わりするトラップです」

 千景が自信満々に説明したその時、

「うわぁぁぁ~」

 階段の方から、男性所員の悲鳴が聞こえてきた。

「どうした……な、何だこりゃぁぁぁ」

「す、滑るぅぅぅぅ」

 状況を確認しようと、事務所から飛び出た所員達が、次々悲鳴をあげていく。

「…………千景さん?」

「どうやら、侵入者感知システムは再調整が必要のようです」

 千景は視線を逸らしながら呟いた。


 その後。

「お~い千景、家具の配置だが……なぁぁぁぁ!」

 事務所に入ってきた紫音が、突然床に開いた穴に吸い込まれていく。

「ななな、何だこりゃ!?」

「落とし穴です」

「んなアホな!」


「あ、千景さん。携帯鳴ってます……ぐふぅ!」

 千景の机に置かれた携帯電話を取ろうとした奈美に、金ダライが命中。

「ドリフかよ……」

「私の机に近づく者への、無差別トラップです」

「どんだけ用心するんですか!」


「えっとぉ、銀行に振り込むお金はぁ…………」

 金庫に近づいたローズを、とげ付きの玉が振り子のように襲い掛かる。

「ぬぅぅぅん!」

 身体を回転させて、間一髪回避するローズ。

「……これは?」

「スパイクボールです。泥棒対策ですね」

「ふ、ふふ、この緊張感。昔の感覚が戻ってくるわねぇ」

「流石に不謹慎だと思いますが」



 その後も誤作動を繰り返す、トラップの数々。

 所員の大半が犠牲になると言う、本末転倒な事態となり、

「「即刻撤去してください!!」」

 満場一致で、トラップは封印される事となる。


 こうして、ハピネスは波乱に満ちた再出発を切るのだった。



そんな訳で、ハピネス復活です。

久しぶりの日常なので、どうにも感じが掴めませんでした。

徐々に慣れていくと思いますので、ご勘弁を。



今後は変なシリアスは極力無くし、今まで通りの馬鹿話で行きたいと思います。

日常話なので、伏線や謎も殆どありませんしね。


悪い言い方をすれば、ダラダラと続くかと思いますが、

次回以降もお付き合い頂ければ幸いです。

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