隔離地域報告書:隔離地域協会設立趣意書および運用要綱案
隔離地域協会(仮称)設立趣意書および運用要綱案
【管理番号:2029-PROP-001】
【秘匿区分:Sレベル(政府関係者・出資企業限定)】
【起草者:隔離地域暫定管理監 畠中 健一】
1. 設立の背景
2026年の「大崩壊」およびその直後の大規模脱走により、従来の行政・防衛システムは破綻した。隔離地域(大阪全域)内の魔素濃度は依然として致死圏内であり、従来の自衛隊による派遣・駐屯は兵員の精神汚染および肉体変異のリスクが極めて高い。
よって、既存の法体系に縛られず、異界の理に適応した「特殊技能者」を中心とする独立管理組織の設立が急務である。
2. 組織の目的
防壁の永久維持: 壁を物理的な境界から「聖域」へと昇華させる。
資源の独占的回収: 地域内で産出されるであろう資源、変異素材を新エネルギーとして研究・加工し、国家に利益を還元する。
特定個体の封じ込め: 現在「塔」に座する変異体の監視と、扉の再開放阻止。
3. 運用・人員(回収屋制度の導入)
本組織は、軍・民の垣根を取り払う。
特に、魔素への高い耐性が確認されている民間協力者(第1順位候補:カイト氏等)を「特級回収屋」として認定。彼らに対し、超法規的な潜入権・武装権・素材売却権を付与する代わりに、最前線での戦闘と情報収集を義務付ける。
4. 特記:サフミ博士による「想定存在顕現装置」の管理
本協会は、サフミ博士が提案する「環境制御理論」を全面的に採用する。大阪という閉鎖空間を一つの「巨大なシステム」として管理し、セーフゾーンの設定など、生存確率を向上させるための「ルールの再構築」を行う。
5. 結語
本協会は、単なる災害対策組織ではない。
来るべき「魔素共存時代」において、人類が上位種として君臨し続けるための、新たな統治機構である。本計画に賛同する企業・国家には、回収される新技術の優先的な分配を約束する。
【追記:畠中による極秘メモ】
政府の連中はこの「協会」を、ただのゴミ箱の蓋だと思っている。
勝手に思わせておけばいい。
サフミの装置が完成し、カイトたちが「ルール」に従って魔石を集め始めれば、この壁の内側は世界で最も価値のある『工場』に変わる。
その時、真の権力は永田町ではなく、新大阪の協会本部に宿ることになるだろう。
真田太陽が守ったこの地獄を、私は黄金の国へ変えてみせる。




