69.大好きだった貴方へ
もうどれくらい昔のことだろうか
若気の至りというのには若すぎる
子供の恋愛だった
告白なんてされたことない私に
貴方は好きだと伝えてくれたっけ
すぐに返事は出せなかった
どうしたらいいかわからなかったから
放課後にゲームをしに遊びに行く仲ではあった
好きになる感覚は告白されるまでは湧かなかった
好きと言われたから好きになったのか
好きだったから告白されて嬉しいのか
どちらが先かなんてもう忘れたけれど
大好きだった貴方へ 一言送るなら
幸せになってね
それ以外には見当たらない
ずっとずっとすれ違いだった
貴方が私の前からふっと消えて
連絡が取れるようになったと思ったら
貴方には別の意中の人がいた
向こうが彼女と別れた後には
私に意中の人ができたのだ
お互いに恋人がいなかった時期は短いが
ある日 お互いがフリーだとわかった時に
遠距離じゃなかったらな…と貴方がぽつりと呟いた一言に
胸が跳ねた事もあった
ふと思い出す 手すらも繋いだことのない
子供同士の恋愛
あれだけピュアに好きだと言われたのは
それが最初で最後だった 若さが成せる恋愛だった
今 貴方は何をしていますか
連絡先は知っているけれど
向こうに家庭がある事も知っている
時折 生きてるかなんて連絡がくるけれど
そんな事よりも家庭大事にしろよと思う
貴方を想うのはとっくの昔に卒業したのだから
今 隣には 大切な人がいる
貴方だってそうでしょ?
ピュアだった幼い頃の恋愛は
汚れないように綺麗に保管しておかない?
これ以上私たちは歩み寄れないから
過去の記憶をこっそりしまおう
大好きだった貴方へ
私は今 幸せです
昔の恋愛って、どうしてあんなに補正がかかるんだろう。




