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57.襟元の隙間風
「さぶっ…」
たかだかゴミ出しに行くだけだからと
ダウンジャケットを羽織って出ていった
カーテンを開けて見えた景色は真っ白だったから
長靴を履いて積雪に備える
玄関の戸を開けた途端に
びゅうと風が通り過ぎていった
ファスナーを上まで閉めているはずなのに
冷えた風が首を掠めていって
ブルっと体が震えた
既に除雪された後の雪を踏み締めて
ゴミステーションへ足早に向かっていく
まだ雪が降ってから日が浅い事もあって
体がまだまだ冬に慣れていない
寒い寒い寒いと頭の中で唱えながら
ゴミ袋を指定の位置に少し乱暴に置いたならば
それはもう駆け足で来た道を戻る
マフラーをし忘れた事を後悔しながら
全速力で雪道を踏み締めていたら
これまた油断した
すってんころりん
体中が雪だらけ
隙間風どころの話ではない
今日はついてないかもな…と
今度は少しだけゆっくりと歩き始めた
秋から冬になる間ってさ、体が寒さにまだ順応しないんですよ。
真冬になってくるとモコモコ着込んだり、体が慣れるからいいんだけど、
それまでが一番寒く感じる。




