5.至福のアルコール
プシュ
泡が弾けた
机の上にはキンキンに冷やした缶ビールと
皿にも移し替えず容器のまま陳列されたつまみ達
時刻は21時
乾杯 一人でKP
口の中に広がるアルコール
下戸な私は 缶ビール1缶で十分なのだ
グビグビと酒を煽って 砂肝をパクリ
なんともやさぐれた生活だが これでいい
友達は数人いればいい
無理に外で遊ばなくたっていい
たまには自炊しなくたっていい
そうあくまでも 「たまには」
近くにコンビニがあるからといって コンビニに頼っていてはいけないのだ
財布の中身があっという間にすっからかんになる
余裕があるならそうした
でもそんな余裕もない
だからこそ たまにいいじゃないか こんな贅沢
豪華な贅沢を望んでいる訳じゃない
高価な時計もお高いディナーもブランドの洋服も
確かに欲しいといえば欲しいけれども
望んでいるのはそれじゃない
心が裕福になれるなら
部屋で一人晩酌だっていい
一人でドラマや映画を漁ったっていい
久々に会う友人とたこ焼きパーティーをしたっていい
欲しいのは見栄じゃない
私を癒してくれる豊かさなんだ
だから今日もお疲れ様の意味を込めて
みんなとKP
晩酌しながらぽちぽちと。