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41.蜘蛛が消えた日
いつもの通り道
大きな蜘蛛の巣があった
雨露に濡れて
ぷっくりとした水滴がいくつもついている
家主は見当たらない
どこに行っているのやら
また別の日
今度は食事の時間のようで
世の常を目の当たりにした
弱肉強食
食われる側は食われる側でしかない
また別の日
家主は巣の中心に絡まって干からびていた
大きな個体だったのに
一体どうしたのだろう
変わらないと思っていた毎日は
常に何かが変わっているという事に気がつけない
毎日毎日 くだらなくてつまらなくて
同じ事の繰り返しだと思っていても
何かが少しずつ違っているはずなんだ
また別の日
蜘蛛は巣ごと消えていた
今日は蜘蛛が消えた日
今日は私が一歩を踏み出す日
くだらないと思っていた世の中に
久方ぶりに飛び込む日だった
息苦しくて生きにくい世の中。つまらないと思っていても、それは自分が見ないようにしているだけなのかもしれない。




