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2.リリアーヌ変身する

「で、リリアーヌ嬢と婚約したと?」

「はい、父上。彼女は今はぽっちゃりとしていますが、磨けば光る逸材だと俺は見ています」

「商品だと思うなよ?付き合う()だからな?お前の婚約者(・・・)だ」

「わかっていますよ。もちろん、気持ちも伴っていますよ」

このような会話がバード一家でなされていたことは当事者以外知らない。


*****************


「しかしなぁ。ボンのとこの坊主が浮気していたのかぁ。いやぁ、結婚前で良かったよ。『バード商会』には感謝だな。しかもそこの若旦那がリリアーヌと婚約してくれるってんだからめでたい!!酒をおかわり!」

お父様は喜んでるけど、本当に甘えてるみたいでいいのかなぁ?実際甘えちゃってるけど。


翌週末、ベルタスはリリアーヌを『バード商会』が経営しているエステサロンへ連れて行った。

「どう?ここは私……あー面倒だ!俺が父上から経営を任されているエステなんだ。国内じゃ珍しいだろ?」

多分、国外でも珍しいと思う。

「リリにここを体験してもらいたくってさ。俺にはわかる!リリは絶対にキレイになる素質を持っている!俺は絶対にリリを手放さないぞ。そんでさぁ、キレイになったあかつきにはマイウェイだっけ?あの男を見返してやろうぜ?絶対ビビるぜ?どんなこと言ってもリリは俺のもんだもんねー!!」

そんなことを堂々と言われると、恥ずかしい……。平民パワー恐るべし。


それからというもの、毎週末リリはベルタスが経営しているエステサロンに通った。

「リリ様はお肌がキレイですね。ただ…あの…ムダ毛が……。処理してしまいましょう!」

「髪の毛は普段はどのようにケアしているのですか?」

「侍女がケアしているので私はよくわかりません。ごめんなさい。聞いておきますね」

「痩身になります。えー、我々は外部からの刺激を与えることで脂肪を燃やしやすくするのです。しかしながら、たくさんの食事をしてしまっては水の泡!肌艶も関連しますから、こちらで体によい食材と一日に必要な食事の量を書いたメモをお渡ししますので、是非ともお邸の厨房係へお渡しください」


このようなことでリリアーヌは努力をした。

その結果、魅力的なナイスバディのレディへと変貌を遂げることとなった。




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