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第3話 突然の旅立ち

徹夜ルートで描きました空があおいよ

「私は翼神竜人族と真祖の流れを汲むドラガルフォン家筆頭一門アガレシア大公家嫡流にして魔界賢姫 ユノア・イシス・ネフティリア=ドラグ・アガレシアです。

アンリ殿下、これからも末永くよろしくお願い致します♡」


最初の頃のようなミステリアスクールビューティで清楚な感じの声色から清楚を残しつつ愛情100の声色で手を握る少女に戦慄を覚えた俺ことアンリマン・サタンデモス=ドラド・ドラガルフォンは早くもこの状況を脱したかった。


「父上!なぜこのようなことになっているのですか!?説明をお願い申し上げます!」


俺の苦悩を秘めた叫びが面白いのか笑いながら答えた。いくら魔界大帝だろうとシバいたろうか?この野郎?と心の中で俺は呟く。


「ユノアはな帝国枢密院預言部からお前のためにそばに居るようにお告げを受けた従者兼許嫁、つまりは帝国と皇帝になるお前のために帝国が授けた未来の皇后だ。ユノアはお前と同じで生まれながらにしてかなりの魔力量と魔法の知識をもっていた。ちなみにお前の幼なじみという記憶を植え付けてある!」


「かなり余計な事だよ!何を考えているんですか父上!」


俺と同じ境遇で生まれたてしても好きでもない相手の幼なじみにされるなんていくらなんでもユノアに同情したくなる。


「いえ、アンリ、これはユノアの許可を得ているのですよ」


この声は我が母にして皇后のドロテーアだ。いや、本人の許可を受けていてもダメだろう。


「母上!いたのならどうにかしてください!そして、お待ちください!ユノアさんは僕の幼なじみということですよね?本人の許可ってどういうことですか?」


母の発言に疑問に思ったユノアは俺と一緒の時期に生まれた訳じゃないのか?


「ユノアはあなたが生まれる13年前に生まれております。魔力総量は同年代の皇族や門閥貴族の子供たちを遥かに上回っていたけども制御できていたので急成長の儀式こと『サトゥルヌウスの秘技』は使いませんでした。ですが、大魔神より『ユノアが13になった時、産まれる大帝の御子を身命を賭けて一生涯愛し護れ』とのご神託を受けていたのでユノアの母であり私の友であるメリエンヌより英才教育を施しました。なのであらゆる知識、戦闘技能、全てにおいてアンリと肩を並べる特訓や修行をしてきたのです。ユノアにとっては辛い日々でしたがこれも『アンリ様が産まれてきたら役に立ちたい!』といって13年間努力してきてのです」


俺が転生するまでの13年間、ユノアは俺という帝国の救世主のために青春を特訓と修行に捧げたのか。

俺をこの世界に転生させた存在がいるのなら今すぐぶちのめしてやりたいぜ。


ドロテーアがこれまでに見せたことの無い顔と声で俺に見せた。

仕方ない、たとえ自分の子じゃなくとも神の信託だからって理由で少女の大事な時間を奪っていいはずは無いからな。


本人の俺でも怒りが湧くしましてや自分の産んだ子の成長が見たかった母としてのドロテーアの気持ちを思うと許せない。

だが、そんな怒りを抑えて俺はドロテーアに、母に気持ちを伝えた。


「母上、大魔神様のことは詳しくは存じ上げませんが私はユノアという幼なじみが出来て自分は嬉しいです。」


ドロテーアは涙を浮かべながら俺を抱きしめた。

俺の言葉に救われたのだろうか?母親孝行が少しできて嬉しい気分だ。


「ンンンッ!」


リリュークが咳払いをした。これから大事な話があるのだろう。そうでもなければ俺やユノアはともかく両親そろって4人だけで皇帝の居室にいさせるはずがない。

普段ならなら皇帝の居室は近衛兵と近衛騎士、秘書室長などの側近が必ずいる。それらが席を外しているというのは余程の大事だろう。


「アンリ、ユノア。特にユノアは察しているかもしれないがお前たちにはジンカイに行ってもらう」


ジンカイ?なんだろうか。魔界では無い別の世界なのだろうか?

成長させるのなら知識をちゃんと授けて欲しいものだ。


「父上、ジンカイとはなんですか?」

「ジンカイはだな……」

リリュークの話を遮るようにユノアが話す。

「ジンカイは人間達が住まう地上にある世界です。

この魔界も今でこそ住みやすい環境ですが魔界以上に神々の加護がありとても住みやすい環境にあります。かつて魔族が環境の良いジンカイを支配するためにに攻め入ったこともあるほどです。

この世界の中で五指に入る広さを持つ世界ですよ、そして名前の通り人間達の世界なので言語も文化も異なるため我々魔族にとっては厳しい世界ではあります」


ユノアは少し悲しそうな顔をして答えた。

だが俺は嬉しかった、本当に俺のためにこの時のために知識を得たのだと実感した。


----


ジンカイは恐らく漢字で書くなら『人界』であろう。

人間と魔族の関係は転生してまもない俺にも察しがつく。

魔族の大多数が魔界に住んでいるがいくら快適でも魔族ですら住みやすい環境の人界に攻め入るのも分かるしそこで魔族と人間が対立関係になるのも想像が着く。


「つまり父上、帝国発展のために我々に人界に攻め入る前の偵察をしろとことですか?」


転生したばかりなのに戦争はごめんだが俺のために貴重な時間を奪って修行したユノアのためにめ国のために頑張らないとな。


「いや、人界人や人界を護る神とは不可侵条約を結んでいるから攻めに行く訳では無いぞ?」


意外ッ!それは戦争目的ではなかった!


「では何故、我々は人界に行くのですか?」


「アンリよ、人界にはまだ魔族が多く住んでいる。人界にある魔大陸と呼ばれる魔族や魔物のみが住まう大陸で魔界への門がある土地だ。多くの魔族や魔界から生まれた亜人は人間と共存しており人間も許容している。最近、魔大陸の情勢が不安定であり総督でお前の叔父で我が弟の魔大陸総督アンドレアスに会い魔大陸が安定しているか証明し必要とあればアンドレアスを助けて欲しいのだ」


「私に叔父上の手助けをせよとのことですか?」


アンドレアスは先帝の3男、すなわち叔父にあたる。家臣達の話曰く「かなりの有能な人物」だそうだ。まだ転生して間もないし急に知識と技を与えられても有能な叔父が手をこまねいている土地に行くのは無理だ。

「父上、私でなくとも他の人界に詳しい将軍や提督方もおられると思いますしここは私でなく……」

「殿下!このユノアが付いていますから安心してください!」

「ユノア、その言葉大儀である!アンリよ、そちは皇太子でありながら自ら行こうとせず許嫁が名乗りを上げるとは恥を知らぬか!」

「申し訳ございませぬ父上、私も男で皇太子の地位にあるもの、叔父上の力になりとうございます!」

「アンリよ、よくもうした。期待しておるぞ」

「御意!」

勢いに押し負けて大変な任務を請け負ってしまった。

しかも勝手に名乗りを上げたユノアより度胸がないと見なされて怒られてしまうとは我ながら恥ずかしい。

だが、修行したユノアでも未知の世界の未知の大陸で知識もなしに叔父の助けなどできるのだろうか?

2人では到底きついし俺は転生したばかりでほんの少し前まで赤ん坊ではっきり言うとこの世界のことを知らなさすぎる程に無識だ、無理な話すぎる。


「安心しろアンリ、朕が頼りにする騎士2名、護衛魔道士、護衛聖魔術師と卿ら6名のパーティで行ってもらう」

「どれも陛下の選りすぐりのもの達ですからアンリ、安心なさい!」

「父上や母上が信頼していても私はまだどんな人達か分からないんですよ?大丈夫なんですか?」


ドロテーアがモジモジしはじめた。これは何か言いたいやつだ。

「本当なら母がついて行きたいのですけど私は魔界帝国皇后、この国を統べる大帝陛下の傍らに常に居なければならないのです……。なので陛下と話した結果、

人界の知識が豊富な魔界帝国軍の中でも優秀な部下を4名つけるのと人界で使える金貨15000枚と帝国最高の数々の魔道具と魔大陸にある拠点を揃えることしか出来なくて申し訳ないですの……。」


「ありがとうございます父上!母上!それだけあれば充分です!」


ド○○エ2の王様と違って息子にかなり激甘な両親で助かった。優秀な相棒がいてもひのきのぼうと布の服では流石に見知らぬ土地では戦えないからな。

本当にありがとう!父上!母上!。


「それでは殿下、早速準備しましょう!」

「いや、俺には授業があってだな!」


俺は皇太子、この国の世継ぎで剣術やら魔術やら政治学やなんらやかんやらと学ばなくてはいけないことが多い。急成長して魔法とスキルが多く使えたとてちゃんとそれらの知識や技術を使えこなせば意味が無いのだ。

だが、隣にいたユノアはそんなことを意に返すことなく俺の手を取り皇帝の居室から出ようとする。


いや、俺はまだその人界とやらにいくと決めた訳では無いんだが。

だが、ユノアの手の引っ張る力が異常に強く抵抗が出来そうにない。

その様子を見て両親である皇帝夫妻も「子細は帝国宰相とメリッサに伝えてあるからな!もちろん、いつも通り教師たちによる訓練はあるので挨拶も兼ねて授業を受けるようにな、今日の夜は皇族と諸侯を集めての出征大会をするからな!」「頑張れ!アンリちゃん!怪我しないでね!」と人界行きはほぼ確定事項な発言をしている。


「まぁ、何とかなるよな……。」


そうだ、転生前は楽天家のフリーターだった。

金がなくてもどうにかしてくれる、今日失敗しても明日頑張ればいい……。

俺はポジティブに考えることにした。


魔大陸に行くからにはお世話になった人たちには挨拶回りもしないといけないしな。言うて、急成長したばがりお世話になった人は数える程しか居ないのだが。



だがこれがやがて始まる歴史に刻まれる物語になるとは誰も予想してはいなかった。


日を置いて書くべきだったと後悔しながら公開

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