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第2話 皇子と謎の少女の告白

どうも作者です。

投稿が遅くなり大変申し訳ございませんでした。

良かったら長く生暖かい目で守ってください

「なんか13歳になっとるー!!??」


玉座の間での皇帝臨御のもとに行われた皇太子お披露目の儀式が終わり皇族が暮らすユベル宮殿の自室に戻った俺は頭を抱えながら叫んだ。


美人な侍女に囲まれた赤ん坊ライフが満喫できると思っていたが儚き夢幻の如く潰えてしまい父である皇帝を憎んだ。


しかし、皇帝を憎んだとて年は戻らないだろうし13歳と言ってもあどけなさがあり美少年ショタで通じる見た目をしている。

左目は燃ゆる様な紅色、右目は海のごとく静寂を表す蒼色の瞳に太陽の如く輝く金髪ショートの美少年だ。


既に皇宮の侍女たちは「アンリ様おかわゆうございます!」と黄色い声をあげてお世話をしてくれている。


これはこれで悪くないしむしろ気分が良い。


でも、なぜ自分が13歳の姿になったか事情を知りたい。


「アンリ皇太子殿下、リリューク大帝陛下が及びです。直ちに陛下の居室にお向かい下さい」


父上にこんなことになった経緯を聞かねばならないな

と思い込んでいたところに皇太子付侍女頭のメリッサ・ジン=ハルピュイア・キュメリオが俺に声をかけた。


彼女は翼を持つハルピュイア族の出身で紅いロングヘアにメイド長のみが着用を許される豪華な装飾と羽飾りを施されたプリムと紅色のメイド服が特徴のThe メイドのお姉さんといった感じだ。


「わかったよメリッサ、直ぐに支度する」


俺は服装と髪型を整えメリッサと共に父である魔界大帝のいる居室へと向かった。


魔界帝国 ユベル宮殿 皇帝の居室


黒と金であしらわれた龍を形どった荘厳な装飾の扉の先に皇帝の居室が存在する。

この扉には入る者に対して威圧感と恐怖を与える術式が施されている。

たとえ家族たる皇族や信頼を寄せている側近や身の回りの世話をする者であってもこの術式からは逃れられない。

不死たる力を持つとされる魔界大帝でさえも暗殺や弑逆の恐れがあるためであるとか。

俺も今、この扉の前で畏怖か恐怖か脚がすくみ震えが止まらない。だが、父上のいいつけである以上には扉の先に行かねばならない


「陛下、アンリマンです。畏れながら陛下のお呼びにより参内致しました」


扉の前で父の部屋に入る許しを得るために言葉を発した。何人であれ許可なく魔界大帝の部屋には入れない。

部屋に入るにもこんな難しい言い回しをしなくてはいけないのかと少し気だるくなってしまった。

少し前まで赤ん坊だったのに我ながら難しい単語が思いつくなと関心してしまう。


「アンリか、入れ」


父の厳かな声が扉の奥から響いた。


「行ってらっしゃいませ、アンリ殿下」


「行ってくるねメリッサ」

メリッサが優しく手を握ってくれて少し緊張感が取れた俺は扉を開け皇帝の居室の中に足を踏み入れた。


居室の奥にある書斎の椅子に腰をかけているのはリリューク・サタンバアル=ドラド・ドラガルフォン。

通称:リリューク1世。

ドラガルフォン朝魔界帝国の第99代皇帝であり俺の父だ。

ドラガルフォン家は魔龍人種と呼ばれる種族でリリュークは魔龍人種を束ねる君主でもある。


魔龍人種を簡単に説明すると「魔龍」と呼ばれる魔神の血筋を引き体内に相当数の魔力を秘めた龍の種族が存在する。生まれながらにして人の姿を持ち普段は人の姿で生活をしている。彼らは魔界において頂点に君臨する力を持ち他の魔族からも畏怖される対象であるとされる。


「父上、何用にございますか?」


「いや、アンリよ、そなたにしかけた術のことで話があってな」


やはり、この急成長の術のことだったか。前世から引き継いだ記憶はあるがこの世界に関する知識は少ない。

父からかけられた術式を受けた時に一般常識としてこの世界の1部の知識が植え付けられてはいるがまだ自分の中では飲み込めていない。


「アンリ、朕がお前に成長の術式をかけたのはお前が生まれながらにして他の魔族、ひいてはドラガルフォン家を含む皇族や帝国72家門当主共より魔力総量が圧倒的に多く幼児には扱えぬからだ」


「だから、父上は私を13歳の体にしたのですか?一体何故ですか?私はまだ何も知らない赤子から急に成長したので分からないことだらけであります。どうか、教えてください!


父は「そうだな」と軽く笑いながら答えた。


「本来、魔族は我ら上位魔族とて産まれた時より制御できる範囲内の魔力をもっている。中にはそうでも無いが大体は鎮めることができる。だが、お前が産まれた時の魔力総量は魔界大帝である朕でさえ赤子のままでは抑えれぬと思ってな。先程も申したが成人皇族並の魔力総量だ、他の皇族や門閥貴族は危険視してしまう恐れが多い。側近や神官共の中に朕の命を奪うために天神共が災いを生したと言う者もいてな。そこで朕は皇后、宮廷最高魔導顧問官、帝国大賢人と語らい3人の力を借りお前を13歳まで成長したのだ」


いきなり産まれた魔界大帝希望の皇子が帝国の将来の禍根になり快く思わない皇族達に取り除かれるのは宜しくないと思った両親の優しい親心で急成長させらたのか。

だが、何故13歳なのか?父上に聞いてみた。


「何故、13歳からなのですか?10歳でも良かったのでは?」


「魔族は13歳から自ら持つ魔力を完全に制御できる。2年後の15歳で魔族は成人となる。15歳になれば皇族として軍務や公務につき嫌が上でも魔力を使い朕や我がドラガルフォン家に忠誠と恭順を従う諸侯や他の皇族を実力をもってまとめあげることが出来る。

ドラガルフォン家が魔界帝国を統治して5000年以上の月日は流れているが九代皇帝の朕でさえも抑えれぬところはある。だが、お前の魔力総量と術をかけた時に与えらた様々な知識、魔法、スキルがある。それらを使えばお前なら2年で知識と経験を積み真の皇太子として帝国全臣民が従うであろう。それにお前自信が13歳になった時にお前を助ける存在が目覚めるとお告げがあったのだよ」


父の話をまとめると


・俺は魔力総量が他の魔族 (皇帝を含む) よりもかなり多いため制御ができる年齢にまで成長させ成人の時により成長できる環境を整えた。


・ドラガルフォン朝魔界帝国は建国より5000年以上の歳月がかかっているが圧倒的な力を持つ父帝でさえも抑えれない


・俺には魔力総量とスキルや魔法と知識を使って2年間修行をする


・俺が13歳になったら俺を守護する存在が現れる。


つまり、生まれて直ぐに強大な力を得てしまったために父帝自らの勢力と王朝を立て直させるためゆくゆくは俺が即位するまでに経験を積ませるってことか。

我の父ながら食えない男だな。


「以上のこと全て把握致しつかまつりました。して父上、私を支える存在が目覚めるとの事ですがどのような存在でしょうか?」


リリューク帝は「よくぞ聞いたな!」と言うよな笑みを浮かべて椅子から立ち上がり俺の前まで歩み寄り声高に叫んだ


「それは我が神聖なるドラガルフォン家の未来を護りし者でありお前の幼なじみと言える存在だ!さぁ、入るのだユノア・ネフティリア=ドラグ・ゲーティオ=アガレシア!」


父の大声とともに皇帝の居室の扉が開かれる。


『陛下、参内の許しを得てこのユノア拝謁に上がりました」』


高原を吹き抜けるような清らかで優しい声がした。


俺は声の主の方に目線を向けた。


部屋に入ってきたのは月のような静けさと美しさを兼ね備えた銀髪ロングヘアに黒いレースのブリムをつけており服装は肩が出ている上品な上級貴族令嬢御用達の紅いドレス。

そして何より人目見て惹かれたのは右目が金で左目が紅の金銀妖瞳(ヘテロクロミア)の自分と同い年(13歳)ぐらいの少女だった。


少女は俺の方に歩みを進め一礼をして手を握った。


「ゆ、ユノアさんでいいのかな?こ、これからもよろしく?なのかな?」


突然、可愛い美少女に手を握られて動揺しない陰キャはいない。俺の前世は恋人ができるまでほぼ童貞だし彼女とデートする時、常に緊張したぐらいだから仕方ないのだ。

ユノアなる少女は俺の手を握ったまま話を続ける。


「はい、殿下!私のことは気軽にユノアとお呼びください! 私は今日より常に殿下のお傍に共に研鑽を積み殿下の愛を一身にさずかり許嫁として殿下ひ心身捧げるよう陛下の勅令を受けました!こちらこそ不束者ですがよろしくお願いします♡」


「はい!?!?許嫁ェ!?」


「そうですよ殿下?勅令でありますが私は大賛成であります!」


「ちょっと待てよォォォォォ!!!」


突然、転生して突然、13歳になって突然、国のために修行することになったと思ったら突然、許嫁が出来てもはや脳内から何かが爆ぜる音がしたアンリマンであった。

3話を作るにあたっての構想は先月後半から書いていたのですが全然納得いくものではありませんでしたので何度も修正してようやく落とし込めました。


これからもよろしくお願いします!

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