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異端の死霊術師  作者: デラぽん
3/3

第2話

感想お願いします。

洞窟を出て、森を抜けてもうすぐ街というところまで僕とシャリーは歩いてきた。


「街の中は見えないけど、外壁は昔のままだね、雰囲気もあまり変わりなさそうかな?」

「そうね、ところでサクリ?」

「なに?」

「貴方ってそんなに強かったかしら?」

「いや…もっと弱かったと思うけど…」

「魔物を即死させてたわね」

「魂魄回帰の副産物で身魂剥離ができるようになったからかな?」

「そんな名前あったのね。いきなり魔物が倒れていくんだもの…心臓に良くないわ」

「うん、基本無詠唱でやってるからね…それはごめん。僕も実際に使ったのは初めてだったから…できるとは思ってたけど…ちょっとね」


本当にショッキングだった…だって手を魔物に向けて魔術を放ったらバタバタ倒れていったし。


幸いなのかどうなのか一切苦しんだ様子がないのがせめてもの救い…かな?


でも魔物相手だし手は抜けないからね…あんまり命を奪うのは好きじゃないけど、殺られるなら殺るしかない。


「…貴方は強くなっても変わらないわね」

「そうかな?僕は分からないや」

「ええ、変わらないわ何時でもどんな相手でも命を尊重している。ふふ、そんな貴方を見て私は惚れたのだけど」

「あ、ありがとう…なんか面と向かって惚れたって言われると照れるね」

「あら、貴方は私によく好きだって言ってるじゃない?」

「それはそうだよ。聞き飽きたかもしれないけど、僕はシャリーが好きだからね」

「ふふ、ありがと。でも一つだけ訂正させて」

「なに?」

「愛を囁かれることに聞き飽きるなんてことは無いのよ」

「そうだね。うん、もう言わないよ」


もうシャリーと居るだけで僕はこんなにも幸せを感じられる。


シャリーの笑顔を見ながらそんな感想を抱いてしまう。


僕はやっぱり彼女が大好きなんだ。


「うぉっほん!」

「うわっ?!」

「失礼…邪魔をしたかはないのだが、ここは人通りが多いものでね。申し訳ないのだがそういう事は宿か食事処でしてはくれないだろうか?」


いつの間にか、街の前まで来てしかもそこで止まって見つめあっていたらしい。


いや、今はそんなことを考えているどころじゃない…すっごい周りの人に見られてた。


「す、すみません!」

「ほら、さっさと通りな」

「はい、失礼します」

「本当におバカね。サクリは」

「気づいてたなら言ってくれよ…」

「気づいてる訳が無いでしょ?私はあなたしか見えてなかったもの」

「あ、うん…それじゃあ行こうか?」

「あら?手を繋いでくれるのかしら?」

「嫌だった?」

「寧ろ嬉しいわ。でも、昔はそんなことしてくれなかったのに」


そういえば昔は周囲の目が、主に僕のやっていた事を知っている人が多かったからできなかったな。


「うん、今は僕たちを知ってる人は居ないから気にせずできるのかもしれない」

「ふふ、そう。やっぱりさっきのは訂正」

「何を…っと急に止まってどうしたの?」

「サクリは昔と少し変わったわ。いい方向にね」

「そっか」


満面の笑みでそう言ってくれるなら良かった。


「ところで街に来たのはいいけど、何をしようか?」


街並みは昔とさほど変わっていないから何処に何があるかっていうのは覚えている。


「一応お金はあるんでしょ?」

「うん、まあ昔この街を出る時に持てるだけは持ってきたけど…でもそんなに多くないよ?」

「なら冒険者になりましょ。ええ、それがいいわ」

「う、うん…」


よっぽど冒険者になりたいんだね…少し心配だけど、過保護になりすぎるのも良くないよね。


お互いを尊重したいし、シャリーには長い時間を待たせてしまった。


シャリーにとっては短い期間かもしれないけど、それでも楽しく生きてほしい。


「そういえば、冒険者になるのはいいけど…冒険者ってどうやってなるの?」

「知らないの?」

「うん…僕は領軍所属だったからあんまり詳しくはないんだ」

「なら冒険者ギルドに着くまでに簡単な説明だけしちゃうわね」


多少しか知らない僕にシャリーは分かりやすく簡潔に教えてくれた。


冒険者ギルドとは冒険者として活動していくに辺り重要な場所で、冒険者としての登録、冒険者同士のパーティ結成、クエストの受付を行っている場所ということらしい。


冒険者って登録が必要なのか…


いや、仕事なのだからそれは当然かもしれない。


シャリー曰く登録自体はギルドカードを受け取りそこに魔力を流す。


非常に単純で分かりやすい。


ギルドカード自体は掌より一回り小さい長方形のもので身分証明にも使えるらしい。


冒険者のパーティ結成については、安全にクエストをこなしたり効率よくこなせるようにするシステムのようなもの。


一人でやるよりみんなでやれば楽だからね。


ただこれはある程度実力が均衡していないと組むことは出来ない。


それは当然だと思う。


例えば、強い三人の中に弱い一人をパーティに入れたとする。


一見、強い人といるのだから弱い人はそれを見て成長が出来ると思うかもしれない、けどそれは間違っている。


これが単純に弱い人を育てる為に入れたとかであれば良いかもしれない。


だけど現実はそういい話ばかりじゃない。


物凄く嫌な話だけど、その昔、登録したての冒険者を高額な報酬で誘い込み囮にして戦うという戦法が流行っていた。


当然、普通に考えればそんな事をして生きては帰れないと思い断ると思う。


だけど、冒険者になる人は大概夢を追う人が多いせいか、その提案を安易に受ける人が多かった。


その影響でまだまだ伸び代のある者が数え切れないほどに亡くなってしまうという事態が発生。


それを重く見た各国の冒険者ギルドの長が設けた制限が実力が拮抗していない者をパーティに入れる事を禁止しパーティ結成の際は必ずギルドに申請をするというものだった。


当時のギルドを運営していた人は英断だった思う。


それを許容していたら今頃冒険者ギルドは立ち行かなくなっていただろうし。


因みに弱い…というと語弊があるか、実力がまだ身についていない人達のパーティに強い人が入るのも禁止されている。


強い人任せになってしまうことが多くなってしまうからね。


それ関連でクエストの受付。


クエストはランクがあり、簡単に言えばそのクエストがどれだけ難しいかを表すもので、F〜Sまで存在していてFが1番低くSが最も高い。


これらのランクは冒険者それぞれに宛てがわれていてクエストの数もしくはその質によってランクが上がっていく。


このランクを証明する方法はギルドカードの色なんだけど、僕達は普通に暮らせればいいので気にしなくていいとの事。


まあ僕も成り上がる気はないし、そんな難しいクエストを受けてシャリーを危険な目に合わせるなんて以ての外だ。


クエストの受付とパーティ結成のどこが関連しているのかと言うと、無茶なクエストを受けさせないという点。


クエストの受付の際は毎度ギルドカードを提示しなければならない。


それはどれだけランクが上がっても同じで、全く同じ顔をした別人が無謀にも受けてしまう事がないようにする為らしい。


うん、冒険者って結構危険な職種ではあるものの結構安全面に気を使っている。


「なんかイメージと少し違ったよ」

「まあ、イメージで言えば荒くれ集団の巣窟って思われがちだけど、結構女性も居るのよ?」

「へぇ、そうなんだ。なんか意外だなぁ」

「ええ、と言っても男性が多いのは間違いないのだけど」


男なら誰しもが冒険したくなるんだろうか?


いや、でも僕は冒険よりシャリーだし…そこは人によりけりって所かな。


「あ、着いたわよ」

「ん?…ここが冒険者ギルド…大きいね」

「まあね。でもここは一応支部だからこれでも小さい方らしいわよ。でもそれだけ冒険者をやってる人が多いってことね」


え、それだと本部は王城ぐらいになってしまうんじゃないかな?


もうちょっとこじんまりした所をイメージしていたのになぁ。


なんというか、まるで貴族の屋敷みたいだ。


「はぁ…」

「サクリは元領軍所属でしょ?ならこれぐらいで緊張しないの」

「う、うん…」


情けなくも返事したけど…これってつまり面接でしょ?


うわぁ…僕、面接苦手なんだけどな。


お願いします…圧迫面接だけはしないでください。


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