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異端の死霊術師  作者: デラぽん
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第1話

うん、書いてみて自分ではよくわからん!


とりあえず…感想お願いします

懐かしいはずなのに、昨日のように思えるシャリーの温もりを感じながら今後の事を考える。


「そういえばサクリ」

「ん?何かな?」

「100年以上も経ったのにどうして私以外に妻が増えてないのかしら?」

「えっ?」

「だから、私以外に妻が居ないのは何故かしら?」

「それは…シャリーの為にずっと籠ってたし…」

「はぁ、妻が私一人なんて…」

「い、いや妻は一人で十分でしょ?」

「貴方はそうでも、私は嫌なの。男なら女性の四、五人ぐらい囲って箔を付けなさい」

「それは一般的にだからさ…僕は一人で…」

「特殊になるなら一人ではなく十人ぐらい欲しいわね」


うぅ…聞き入れてもらえない。


僕はシャリーだけでいいのになぁ。


「どうしてもシャリーだけじゃダメかな?僕はシャリーだけを見ていたいんだ」

「そっ…それは…嬉しいけど…そう言われちゃうと他の女を寄せ付けたくはないけど…でも私はサクリが凄いって所を見てほしいの」

「それなら別に女性に限らなくても…」

「貴方は男性に言い寄られたいのかしら?」

「それは…嫌です」


僕に男が好きという趣味はないし…それだったら女性の方がいい。


「でしょ?なら決まりよ。今後の方針は妻探しね」

「え…いや、無理に探す必要はないんじゃないかな?」

「だーめ、だって貴方自分から声をかけられないでしょ」

「それはそうだけど…でも、向こうが好きでもないのにくっつけようとするのは…」

「サクリは純情よねぇ…政略結婚だってあるのに」

「それは貴族とか豪商の話だから…僕は一般人だし…」

「それに…私は人造人間に魂を移したから貴方との間に子供は…」


ああ…そこを気にしてしまってたのか、確かに人造人間は生殖機能が失われたり寿命が人族より落ちてしまうという欠点がある。


しっかりとした作りが出来ていないのか、それとも生命を擬似的に作り出すことそのものがダメなのか。


でも…


「大丈夫だよシャリー、僕が創った人造人間は今までのものとは違う」

「えっ、それって」

「うん、寿命の短さを克服したし、子供だってしっかり作れるんだ」

「そんな…だってそれは不可能なはずじゃ…」

「僕の適正職業を忘れたのかい?死霊術師だよ。死とは生と表裏一体なんだよ、死を知るということは生を知ることでもあるからね」

「嘘…」


シャリーの目が揺れている。


出来ないと思っていたことが、出来るだなんて思っていなかったみたいだ。


「嘘なんてつかないよ…忘れたの?僕は君の為に寿命すら乗り越えてみせたんだ。それに不可能を不可能と決めつけてたら君を生き返らせることなんてできなかったよ」

「そう…そうなの…」

「大丈夫…僕は君のためならなんだって可能にしてみせるから」


シャリーの頬を伝う涙を拭いながら安心させるように頬笑みを浮かべてみる。


そういえば、僕はこの数百年感表情を動かしていたっけ?


上手く動かせているといいけど…多分ぎこちないだろうなぁ。


「ふふっ…ぎこちない笑みね。ありがとう…でも、妻は増やすのは変わらないわよ」

「あれ…?」

「当然よ、ここまで凄いんだもの。妻も沢山増やしましょ」

「善処致します…」


シャリーはどうやら妻を増やす気満々だ…僕は一人でいいんだけど。


「でも今は…」


唐突に僕に重心を傾けて押し倒されてしまう。


「ちょっ、シャリー?身体の調子が悪いのかい?」

「違うわよ、ちょっと嬉しくてね。私の中の女が疼いてしまったの」

「え…」

「あら、ここまで優しくしておいて今は無理です。なんて言わないわよね?」


目が本気だ…しかもさっきの比じゃない。


「せ、せめてベッドで…」

「なら私を生き返す前に家を立てておくべきだったわね。何も無いでしょ洞窟の中なんだから」

「はい…」


翌日…


僕は今シャリーに散髪してもらっている。


時々自分で切っていたけど、シャリーにはお気に召さなかったらしい。


よく散髪はシャリーにしてもらっていたから彼女の腕は信頼している。


「そういえば昨日聞き忘れたのだけど、これからどうするのかしら?ずっと洞窟は私は嫌よ」

「それは分かってるよ。とりあえず、僕たちが住んでいた街に行こう。知り合いはもう居ないと思うけど顔出しぐらいはしておきたいからね」

「それはいいわね。どうせなら冒険者になって旅をするっていうのも楽しそうだわ」

「冒険者って…そういえばシャリーは昔、戦争が終わったら世界を旅したいって言ってたね」

「あら、覚えていてくれたの?嬉しいわ」


それは勿論だよ。


「シャリーとの約束は何一つ忘れていないよ」

「ふふ…やっぱり自慢の旦那様ね」

「寧ろこれぐらいして当然だと僕は思うけどね」

「それが出来る男は少ないのよ」

「そうなんだ、シャリーしか見てなかったから僕には分からないな」


そういった僕を横から彼女は覗いてくる。


「あら、またそんなこと言って昨日の続きがしたいのかしら?」

「そ、それは…」

「冗談よ、それは街についてから…ね?」

「あはは…」


嬉しいけど…今度は加減してほしいかな。


「さて、終わったわよ」

「うん、ありがとう。やっぱりシャリーの散髪は上手いね」


ボサボサだった髪がいい感じになったかも?


僕の髪はくせ毛が少し強いけどそれがいい感じになっている…気がする。


あんまり自分の格好を気にしないせいか上手くは言えないけど、決して悪くは無い。


「見えてないでしょ…」

「そんなことは無いよ。昔より成長して、魂の断片を身体から抜け出させて周囲を見ることができるんだ」

「へぇ、凄いわね。流石長年引き篭っていただけあるわ」

「ぐふっ…」


ひ、引き篭もり…いや間違ってはいないけど、改めて言われると心に刺さる。


「何傷ついてるのよ、貴方はただ引き篭っていた訳じゃないでしょ?」

「シャリー…」

「私の為にやったことなんでしょう?後悔していないんでしょう?なら良いじゃない。ね?」

「そうだね…その通りだ」


僕はシャリーの為に注ぎ込んだ人生に何も後悔していない。


決して楽しいとは言えない人生だったけど、それはこれから楽しければそれでいい。


「それじゃ、気を取り直して街に向かいましょ?」

「そうだね。久しぶりの街だけどあんまり変わってないといいなぁ」


まさかだけど、ガラッと街並み変わってたりして…僕が分かるといいんだけど。

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