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プロローグ2
まだシリアスな感じが続きますー
微睡む意識の中で彼女は夢を見た。
幸せな夢だった。
異世界に来ることも無く、地球で高校生活を満喫し、大学で気の合う仲間を見つけ、めでたくゴールインし、夫と仲良く暮らし子供も二人でき、子供たちと平穏に暮らし、家族に看取られながら幸せな気持ちで天国へ向かう夢だ。
そんな平穏な生活をしている中、時折彼女はこれも何度繰り返しているのだろう?と思ってしまったことがある。
しかし彼女にとってはそんなことどうでもよかった。ただ、この争いのない世界で永遠に暮らせればいいと思った。
だが、彼女はどんどんと戦いの記憶を思い出してきてしまった。
当然だ。彼女は地球が産まれてからの年よりも遥かに長い年月戦い続けたのだ。
しかしそれは彼女にとっては苦痛でしか無かった。
時折戦いの記憶を思い出し、泣き崩れる。その繰り返しだ。
もう彼女にはまともな精神などなかった。
崩れゆく自我の中で、彼女は願った。
【我の記憶を…消し去ってくれぇぇぇ】
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