友人
セナとリカちゃんが二人だけで会話に華を咲かせている間、俺はぼーっと抹茶フラペチーノを飲みながら下界の街行く人々眺め続け、いよいよ俺の分だけ中身が底をつきかけてしまいストローの底からズズズと音が出てヤバいなと感じた時、
「あれ?リカじゃない!?」
っと聞きなれない声が後ろから聞こえてきた。
「やっぱりリカだ、ウッソ、凄い偶然!!」
「あ、リコ!!」
声の主の方へ振り向きながらリカちゃんが言った。
リコってもしかして先ほどリカちゃんが敬意がなんちゃら言ってた親友か……!?
俺も後ろを振り向いてその声の主を見ると、これが驚きの美人で声を失ってしまう。
派手な花柄のシャツをシャキッと着こなし、スッと長く伸びた足にタイトなデニムをはいたその少女は、小さな顔に大きくくっきりした目玉のモデルのような顔立ちとモデルのようなスレンダーな頭身をしており、ドキッとするような自信に溢れた笑顔で俺たちを見ている。
リカちゃんが女の子の清楚な可愛らしさを突き詰めたような美人なら、このリコと言う親友は女性のカッコいいと言われる美しさを突き詰めたTikTokとかで見るような陽キャ美女がそのまま現実に現れた感じだ……ヤバい!!
迫り来る恐怖に俺が口をあんぐり開けて驚いていると、
「あ、ごめんなさい、紹介しますね、この子はリコっていって私のクラスの親友です」
「どもども、リコで〜す。一応リカの親友やらせてもらってま〜す!」
とリカちゃんが親友の紹介し、リコさんはフラペチーノの容器を持たない左手をあげ元気に挨拶してくれる。テンション高いな、これはどうやって返せばいいんだ……?
「リコさんってさっきリカちゃんが話してた子だよね?」
俺がこんにちわと返した後、気遅れから助け舟を求めるようにリカちゃんに問うと、リカちゃんが
「あ、はい……」
と少し気まずそうに答えた後、
「ちょっと、何よ、私のこと話してたの?」
自分の事が話されてた事が気になったらしいリコさんがリカちゃんに詰め寄るように問いかける。ヤバ、下手こいた……
「うん、学校の話の流れで……ごめん」
「いいよいいよ、けどなんて話してたのよ?悪口とか言ってないわよね?」
「もう、そんなわけないじゃん!!大事な親友だって話してたんだって!」
「ほんとかなぁ〜」
そう言いながらリコさんは俺の方に訝しげな目を流してくる。
俺は緊張で喉がつっかえながら、「ほ、ほんとです、はい……」と首をコクコク上下に動かしながら答えると、
このリコさんはふ〜んと鼻を鳴らしながら、
「へ〜この人がこの前リカが話してた例の人?」
としたり顔で再びリカちゃんに話しかける。
へっ?この前話してたって……?
俺が不思議そうな顔をすると、
「ちょっとリコ!今それはダメ!!ほら、お兄さんが困ってるじゃない!!!」
っと慌てながら強い口調で親友を制している。
悪い悪いと片手でごめんをする親友にほんとに怒るからと膨れながらも冗談気味に返すリカちゃんを見て俺は少し微笑ましい気持ちになってくる。
リカちゃんがこんなに慌てる事あるんだな。
ふむふむ、いつも冷静なリカちゃんとは違う年齢に見合ったあっけらかんとしたリカちゃんが二人のやり取りから垣間見れるな。
こんな感じで学校では俺の知らないリカちゃんが日々仲間達と時を過ごしてるんだろな。少し寂しくもあるがそれにしてもこの間話してた話ってなんだ、気になる……
「改めて紹介するね、この人は健太郎さん。……幼じみの友達のお兄さんで、今日訳あった会いに行ったらスターバックスに誘ってくれたの」
「へぇ〜……よろしくお願いしますね、お兄さん!」
「もう、リコのお兄さんってわけじゃじゃないでしょ!?」
「あ、そっか、ごめんごめん、宜しくお願いしますね、健太郎さん!」
「あ、おう……」
リカちゃんの紹介のおかげで一応会話出来た俺はリカちゃんの親友と目を合わせながら軽く会釈をすると、
「ちょうど席ここしか空いてないし隣り座っていい?デートの邪魔だったら他探すけど?」
「ちょ、デートとかじゃないから!!」
見渡すと俺とリカちゃんの両隣しか席は空いていないようで隣に座っていいか確認をとり、リカちゃんはデートである事を思いっきり否定する。
いやそんなに強く否定しなくても……確かにデートじゃないんだけどさ……
「ごめんなさい、リコも一緒でもいいですか?」
リコさんが座る前に申し訳なさそうにリカちゃんが確認をとってくる。
ここで嫌だなんて絶対に言えるわけないので緊張するのでほんとは乗り気ではないがいいよと答えると、
「よっしゃあ、じゃあ隣り座るね!!」
とリカちゃんの隣の席にフラペチーノの容器を置いたかと思うと、
「あっ、その前にちょっとごめん!!」
と何かを思い出したかのように叫んだあと、座りかけていたリコさんは再び席を立ち階段の方へとかけていく。
なんだ、忘れ物か……!?それにしても忙しい子やな。
リコさんのスタイリッシュな後ろ姿を眺めながら、陽キャ女子という未知の存在に不安が押し寄せてくる俺であった。




