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おつかれ
もう一台のパトカーを待つならどうせなら俺が送ってこうかと同じく警察署に呼ばれたらしいタクシーのおっちゃんが警察に了解をとり、俺とリカちゃんはタクシーの後部座席に座り、送迎される。
皆々頭の整理をするためか、タクシーの中誰も口を開こうとせず、沈黙が続き、周囲を走る車のライトと電灯のオレンジ色のライトのみがチラチラと車内を照らしていく。
うー、気まずい、俺苦手なんだよねこういうの。
空気を読むのがことさら苦手な俺はこういう時、何か口を開いて雰囲気を明るくしたいのだが、何を言えばいい?
小粋なジョークか漫談か?何を言っても自滅しそうで怖い……
悶々と何か話題をと考えていると、胸元からセナがヒョイと顔を出す。
その僅かな変化にリカちゃんとおっちゃんもふと気付いたみたいで一瞬焦るが、二人とも今はセナの存在を認識している。
だから大丈夫か。
セナは俺、おっちゃん、そしてリカちゃんの顔を見て、
「お疲れ様でした。健太郎さん、運転手さんそしてリカさん、頑張りましたね」
そう告げた。




