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「ヒック、ヒック……」
アリスが泣き続けるのを待ち続ける事おそらく5億年ボタン。
ようやくアリスの泣きも治まってきた感がある。
その間俺は何も悟りを得ることは出来ませんでしたがね。
まあとにかくアリスも落ち着いてきた。
だから俺は今アリスにある事を尋ねてみる事にした。
それはさっきからずっと気になっていた事、多分、聞かない方が無難な事なのだろうが……
「なあアリス?」
「ヒック……ヒック……ハイ……」
ふと顔を上げたアリスと目があい、俺は聞こうとしていた事を断念する。
本当はなんでリカちゃんを怒らせるような事をしたのか聞きたかったのだが……
聞けない……聞いちゃいけない。
そう思わせるくらいに涙で濡れた女の子の瞳ってのは男の決意を鈍らせる浸透力がある。
だから俺は意図してなかった別の事を尋ねる事にした。
「そのなんだ、そろそろラーメン食べに行かない?」
そう言うと、アリスはポカンと鳩が豆鉄砲を食らったような顔をした後、俺の目を見た後俯いてしまった。
やば、俺またなんかやっちゃいました……?
アリスに目を逸らされ、下手をこいたのだと確信した俺。
二人の間に沈黙が流れ、俺は咄嗟に謝ろうとしたのだが、俺よりも先にアリスの様子が少し変わった事に気づき、おろしかけた首をそのままにした。
「もう……」
「へ?」
「もう……なんなんですか、健太郎さんは……」
俺と合わさずに俯いたまま独り言のようにそう呟くアリス。
しかし一応俺の耳にも届いているので何かしら返答しなければならないのだろう。
なので俺はその問いに答える。
「何って、冴えない中年サラリーマンだけど……」
「そうじゃなくって……」
そうじゃなくって?がっかりしたような怒ったような、顔が見えないので何を思っているのか判別つかないが、アリスはそんな事をいう。
何か返答を間違えたらしい、じゃあなんて答えればいいんだ?
もっと込み入った俺と言う人間を話せって事なのか?
そう思った俺はもう一度、若干声を裏返させながらアリスに答える。とにかくアリスをこれ以上泣かさないように。
「俺は馬鹿で気が利かなくて、今なんでアリスが悲しんでいるかもわからないしょうもない男だって、だからごめん、とにかく機嫌を直してくれよ?何か至らなかったのなら謝るからそ……」
そういうと、アリスは小さな声で、
「やっぱり、…ッコ良過ぎます……」
??アリスが小声で話すものだからよく聞こえなかった。こよ過ぎます?
なんだろ?しかし聞き返すのもどうかと言うような空気なので俺は、それに雰囲気からネガティブな意味合いでは無さそうなので、ここはアリスに合わせとこう。
「そうそう、俺ってそうなのよ!だから、な?早くラーメン食べに行こうぜ!な?」
っとだけ返すと、アリスはハァっとため息をつき、それから……
「ごめんなさい!私、自分の事ばかり考えてました!そうですね!ラーメン食べにいこ!!」
っと自分の頬を両手でたたいた後、シャツで目を拭い!さっきまでの元気溌剌な感じで気持ちを切り替えてくれた。
よし、ラーメン行くぞ!
俺もう腹減ってやばいよ、って事で俺たちはアリスオススメのラーメン屋に向かったのであった。




