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族・月と太陽の交差点に潜む秘密  作者: ジャポニカダージリン
第2章
69/117

続き

「お待たせしてすみませんーん!!」


アリスちゃんに指示され、田町駅東側出口前のベンチに腰掛けながら、しばらく心ここにあらずと言った感じでスマホで適当にAmazonをザッピングしてると、遠くから声が聞こえてくる。


「キタッ……!!」


その声を聞き俺の心臓が大きく爆ぜる。

まさか本当にくるなんて。

女子に対してチキンな性格の俺は心の片隅では気まぐれか何かでキャンセルとかしてくれないかと心の片隅では期待していたが……来てしまったのならしょうがない。


スマホをポケットにしまい、ベンチから立ち上がると、数十メートル先からアリスが小走りでかけてくる。

夏用のベージュ色のブラウスにボーイフレンドデニムをこなれた感じで着こなしまさにお洒落な大学生といった感じだ。


「ごめんなさい〜、バイト抜けるの思ったよりも時間掛かっちゃって……」

息を切らせながらアリスは言う。きっとmeringueから走ってきたんだろう。


「あ〜いいよ……俺も今さっき着いたとこだから」


「えっ、でも私がLINEしてから一時間くらい経って……」


「いや、いいのいいの!女の子は何かと時間が掛かるんだろ?そんぐらい待つって!」

本当は気が気でなかった俺だが歳下の女の子に舐められないようにここはあえて余裕な態度を見せておかないとな。

彼女もきっと大人な俺に少なからず期待しているはずだからな。


「す、すごーい、健太郎さんって優しいんですね!やっぱり大人だからですか!?」


「まーね」

よし、とりあえず俺のハッタリを信じてくれたみたいだ。

あんまり期待を持たせてもバレた時怖いから適当に話題を変えないとな。


「それよりどうして急に俺を誘ってくれたりしたの?」


「あ、えーっと、たまたま友達と行く予定だったのがキャンセルになっちゃって……」

そう言うアリスは頬をうっすらとピンク色に染めている。

え、何なに?

これってやっぱりそういう事……?

なんか自信湧いてきちゃったよ俺!


「マジで、ドタキャン!?」


「そ、そう、ドタキャンなんですよ、酷くないですか!?」


「どうだろ、何かやむを得ない理由があったんじゃないの?」


「えっ!?」

アリスは驚いた顔を見せる。当然だ。

アリスの様子から察するに彼女は幼い故にドタキャンされた事で少し感情的になっているようだ。

ここで無責任に賛同して彼女の友達との間に亀裂に入るような事が有れば大変。

ここは俺が大人らしくアリスを諭してやらないとな。

「その子にちゃんと理由は聞いた?」


「あ、え〜っと、まだ、だったかも……」


「だろ?そりゃ不味いって、まずは理由を聞いた方がいいと思うぜ?」


「そ、そうですね……」

やっぱりな。

アリスはドタキャンされた友人からちゃんと理由を聞いてなかったみたいだ。

しかしアリスは手提げカバンの中に手を入れ一度はスマートフォンを探すそぶりを見せたが、途中で手を止め、


「……まあ理由を聞くのはまた今度でいっか」


とわざと俺に聞こえるくらいの声量でそんな事をいう。


「いいの?」


「いいんです、私らこんな事しょっちゅうなんで!買い物の約束で現地で待ってたら来ないんで電話したら寝てたとか普通にありますから!」


「へ、へー」

そう言われてみると学生時代ってなんでもなーなーで済ませる事が多かったかもしれない。お互いのルーズさを許しあえるのが信頼の証みたいな気がしたりして……

けど果たして女の子ってそんなルーズだろうか?

もしかして男友達……?

いかん、ちょっと考えたら気になってきてしまった。


「それってもしかして、男?」

そう尋ねて俺は緊張の為若干顔が強張る。

冗談風に聞いてはいるが、8割は真面目な質問だ。

ほとんど初対面とは言え可愛い子に彼氏がいるとショックを受けてしまうのが男心。

それに後々誤解がなき様男の影をここで確認しておくのも大切な事なのだ。


「えっ……?違う違う!女友達ですよー」


「な、なんだ、そっか!彼氏なら俺が説教してやる所だったんだけどな!こんな可愛い子を……ん?」


男じゃなくて安心した俺は、気が緩んだ弾みで冗談をいいかけたところで、


クイクイ。


ジャケットの内側でセナが襟を引っ張ってくる


「アリスちゃんちょっとごめん!」


「あ、はい……」

俺はポケットから携帯取り出し耳にあて、セナが見えない様にアリスちゃんから少し距離を取る。


「なんだよセナ?」


「も〜、毎度毎度ほんとに懲りないですね健太郎さんって……」


懲りる……?なんの事だ?俺なんか悪い事したっけ?


「何だよ突然、意味わかんねぇし」


「はぁ……とにかく!!さっさと花火会場に向かいましょうよ!私もヤドランさんも退屈しっぱなしですよぉ」


「それもそっか」

たく、しょうがねぇな……

セナがホルスターに引っ込んだ後、ロックすら解除してないなスマホの通話を切るそぶりをしてから、俺はアリスちゃんの所へと戻った。


「ごめん!」


「大丈夫ですよ、どちらから?」


「んーっと、仕事仲間……?」

流石にフィギュアからとは言えないのでとりあえずパートナーであるセナを仕事仲間にしておく。


「え、大丈夫なんですか!?」


「いいのいいの!それよりそろそろ行こっか!」


「そうですね!」


「あっ……」


そこで俺は重大なことに気づく。

そういえば江戸川花火って何処でみるんだ……?

昔見たことあるんだけど場所名がわからないのであてにならん。

江戸川のどの辺なんだ?


「ごめん、花火って何処で見れるんだっけ?」


「あ、じゃあ私知ってるんで大丈夫ですよ」


大人なはずの俺は結局情けなくアリスちゃんにそうやって先導してもらうのであった。


ほんと書いてて何がしたいのか分からなくなってくる小説ですな。

一応方向はあるんですけどねぇ

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