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族・月と太陽の交差点に潜む秘密  作者: ジャポニカダージリン
第1章
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ゲームセンター事件②

ピッコロの叫び声と共に男が現れた。

入り口付近に目をやる健太郎だが、そこには複数人の男が立っていた。

「来たぞ、奴だ!!」

ピッコロさんの叫び声を聞き、俺は入り口の方へ顔 目を向けるとそこにはーー

スーツを着たサラリーマン風の大柄の男と、白いTシャツの上に青と黒のチェック柄のシャツを羽織り、頭にはバンダナを巻いた痩せ気味の男、そしてブカブカの美少女キャラクターもののTシャツを着た小太りの男の3人がブラブラと歩いていた。サラリーマン風の男は大きめのビジネスバッグ、バンダナを巻いた男とTシャツの男はバックパックを背負っている。

確かピッコロさんの言ってた特徴に合致するのは、

「あいつだな?」

俺がチェック柄のシャツを着た男に目星をつけると、


「いいえ、あの大きいスーツを着た人です!今回は服装が違うみたいです」

ピッコロさんが言うにはこれまでずっと同じチェックのシャツにバンダナをつけた姿だったみたいだけど、変装か?怪しまれないように服装を変えて来店してるのかもしれない。セナがいて助かった。


俺はすかさず悟空さん達の台から離れるようにしてブカブカのスーツを着た男の様子を伺うが、男はまず、入り口から右へ折れた方のクレーンゲーム機の方へ行ってしまった。

何でだ?!今日は他の台をターゲットにしているんだろうか?

俺があわてて男の後ろを追っかけようとすると、

「慌てるな、周囲を見てみろ」

??ピッコロさんにそう言われ、俺は自分の周囲を見回してみるとーーそうか!!

今、悟空さん達の台の近くで女の店員さんが他のクレーンゲーム台の中の人形の整理をしている。

男は店員さんの目につくのを嫌がって離れた場所でやり過ごすつもりなんだ。

ここは下手に動かない方がいいな。


そこで俺は財布の中にあらかじめ崩しておいた3千円分のうち300円を投入して悟空さん達のクレーンゲームで遊ぶフリをしながら男への警戒を高める。

極力ピッコロさんを引っ掛けないように、しかし外しすぎずに、ここら辺かな、ポチッ。

俺が男への視線を解かずに押し続けてた上向きの矢印がプリントされている二つ目のボタンを適当なところで離すとーー

「あっ、健太郎さん!!」


「ん?どうした……えっ?!」

セナが叫ぶから台の方に目を向けるとーーなんと、真下に降りていったクレーンのアーマー部分が、戦闘態勢で構えをとっているピッコロさんの動体をガッチリホールド。これまでになくしっかりと。

何という奇跡、最悪な形の……

今回、この台で落とせるように設置されてるフィギュアはピッコロさんだけで悟空さんはガラスケースギリギリのアームが届かないところに設置されている。なので俺が今ピッコロさん落としちゃったら男がこの台にこなくなっちゃう。。

マジでヤバいと、俺がここ一番でオウンゴールを決めてしまったサッカー選手のように頭を抱えながらその様子を眺めていると……


「チッ……ハァ!!!!」

なんとピッコロさんは腰を更に下ろし、気合と共に両手でアームを押し広げた。

そのおかげでアームはホールドを溶いてすごすごと定位置へ戻っていく。

「す、すみませんピッコロさん……」


「オレの事はいいから、男から目を離すな!」


「はい!!」

ピッコロさんのおかげでなんとか危機を免れ、男の方へ目を向けると、さっきの場所に男がいない……どこに行った、まさか帰った?!


「あそこです、健太郎さん!!」

セナの声を聞いて。俺が見てるのと逆方向に目を向けると、男はさっきまでいた場所から俺の立ってる台がある列の裏側をぐるりと迂回して列の一番左端のところまでやって来ていた。そして、ちょうどそのタイミングで近くの台の整理していた店員さんが作業を終えて、ガラスのスライドドアの鍵を閉めにかかっていた。

なので俺は、ドラゴンボールの台を諦めたそぶりをして、いったん男とすれ違うように男の方へと向かって行く。

しかし、すれ違うその刹那、男は鋭い目で俺を睨みつけてきた。

ゾワッ……なんだ、威嚇された?俺の獲物に手を出すなって事か?……

男に鋭く睨まれ、殺気のようなものに当てられた俺は直感的に悟る。俺は今この男に警戒されている。

だから、きっと、俺が近くにいるとこの男は犯行を起こさない。俺は台の下にいるハクリューの方へ目をやるとーーハクリューは俺の意を汲んだようにうなずいてくれる。

(俺は男の視界に入らないように一旦距離をとる、だから、後は頼むハクリュー)


そうして俺は男が通ってきたであろう道を通って台の列の後ろ側を迂回して、店の東側まで行って男の動向を遠目に探る事にした。


先程男が立っていた辺りまでやってきてクレーンゲームに300円を入れながら男の方を横目にみると、男はーーピッコロさんが言ったように両手を台のガラスに押しつけて、まじまじと台の中を覗き込んでいる。ここからは特に何も怪しい感じはしない。

俺はまた300円をクレーンゲーム台に入れ、時間をかける。男にまだ動きはない。

それからもう300円投入するが、やはり男はじっと台の中を覗いている。

そしてもう300円投入した時、男が動いた。

男はガラスから手を離したかと思うとーーお金を台に投入してクレーンゲームを始めた。

あれ?ちゃんとお金払ってるじゃん……そしてどうやら取れなかったらしい、また男はガラス戸に手をつけて中の様子を伺っている。なのでまた俺は300円を投入したする。すると、男がガラスから手を離し、台の景品取り出し口に右手の先っぽを入れた。そして取り出してきた手には……ピッコロさんが握られている。何で?!

揺らしたとかだとブザーがなるはずだし。

とにかく、男の監視を続けると、男は大きめのビジネスバッグにピッコロさんを突っ込み、向かう先はーー入口から離れたところにある店のトイレ。なので俺は急いで男が去った台へ向かい、ハクリューを拾い上げると、

「クソ、またやられちまった。ここからじゃ何が起こったのか見る事が出来なかった。頼む……健太郎、ピッコロをとりかえしてくれ!!」

悟空さんが悔しそうに俺に助けを求めてくる。


「わかりました、とにかく男の後を追います。ハクリュー、どうだった、あの男が何をしたのか確認は取れたか?」


「ああ、バッチリ見させてもらったよ。何、簡単なトリックさ。フフ、僕が予想してた事と大して変わらなかったよ」

ハクリューは男が何をしたかちゃんと見ていたらしい。こういう時にハクリューのこの自信、心強いぜ。

俺はハクリューについた埃を綺麗に落とし、カバンの中に入れ、トイレの入り口が見えるところで男が出てくるのを待つ事にした。男が何をしたのかハクリューに教えてもらいながら。


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