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族・月と太陽の交差点に潜む秘密  作者: ジャポニカダージリン
第1章
23/117

健太郎の失敗

仲直りしたと思ったら秒で険悪な仲になっていく健太郎とセナ

今は帰りの総武線の車両の中。

どうもおかしいのだ。

セナのやつ、3000円のホルスターを買ったら、これならいつでも話しかけられるからやっぱりスマホは俺のを使わせてくれたらそれでいいなどと言い出して。

まぁそれでも俺が一度言ったからには買うと言ったら首を首肯してくれたのだが、なんだかその時妙に俺にうっとりしたした視線を向けて来たのだ。

なんかむず痒いな……

周囲に人もいないので俺はカバンの中のセナに話しかける


「な、なあセナ?」


「……はい……」


「なんでお前さっきからしおらしくなってんの?」


「えっ!!?どういうことですか?」


「いや、ホルスター買ってからなんか変だぞお前??全然喋んねぇし」


「はい!?普通ですよ?そもそもいま電車の中じゃないですか?」


瞳孔を開いたようなマジ顔で俺を見上げるセナ。

あれ?勘違いだったのかな?

言われてみればそうだな、ここは電車の中。セナから話しかけてくることはないよな。

妙に腑に落ちた。


「悪い、俺が勘違いしてたわ」


「いえ、別に……」


それっきり、セナに話しかけてもハァとかそうですねとかやる気のない返事ばかりになり、何故かぎこちない雰囲気になってきて、俺は会話に困ってしまう。

なんなんだセナのやつ、俺を無視しやがって。

必死に会話続けようとしてるのにやる気のないセナの反応にだんだん腹の立ってきた俺はセナに疑問をぶつけることにした。


「なぁセナ?」


「はい?」


「お前、言いたいことがあれば言えよな?さっきから愛想のない返事ばかりしやがって、俺だって話題提供すんの疲れるんだぞ??」


「じゃあ話しかけなければいいんじゃないですか!?」


そう言ってセナはとうとう目も合わせなくなる。

しまった、直球すぎたか……

(どうしよう……ッッそうだ!!)


そのままセナとの会話はなく、俺は黙って幕張の家まで辿り着く。


「ただいま〜〜」


「おかえりなさいー、ご飯とってあるよ」


「後で食べるよ……」


「えらく疲れてるじゃない?何かあった?」


「しいていうなら女かな……」


「何?!どういう話??」


「30超えた男は母親にそんな話しねーよ、疲れたから部屋入る」


「はーい……」


俺は目をキラキラさせながら俺の異性交友に興味を示してくる母親を雑にあしらい、自分の部屋へ戻る。

「着いたぞ」


「はーい」

部屋に着くとセナはそう言って目も合わさずに地面に置いてあるハクリューとヤドランの方へトテトテと走って行く……あッッそっちは駄目だ!俺が行こうと思ってたのに!!!

しかしこれはデリケートな問題、下手な事は出来ない……ので様子を見ていると……しめた!!

セナはヤドランの方へ走って行くよい。よし、これならいける!!!


「お前はヤドランと話してるみたいだから俺はハクリューと話すわ」


「……」

ずっとヤドランの方むいて俺の事は無視……そりゃ俺も悪かったよ、けどしょうがないじゃん、俺は人間でお前はフィギュアなんだから……あんな目を向けられたら誰だって……


「じゃ行くぞ」

俺はハクリューの首をヒョイと掴むとーートイレへ直行した。今回はセナの前では流石に出来ん話なんでな。いつものように耳に意識を向けると……


「やあ、今回はどうしたんだい??」

いつものようにキリッと答えてくる。


「おお、やっぱバカなヤドランとは違うな、この安定感!!」


「……なんだかセナの雰囲気がいつもと少し違うようだけど……」


「まぁ、それも含めて全部話す。聞いてくれ、ハクリュー」


俺が『リアルイマジネーション』と名付けたこの特殊能力が使えるようになってからちょくちょく世話になってるハクリューに今日の出来事そして……セナの目を避けた事を話すとーー

「うーむ、セナに可哀想な事したもんだな……」


「ああ」


「弱ったな……」


「お前弱点多いもんな」


「真面目な話だ健太郎、今君とセナは非常にまずい状態にある」

と、ハクリューは真剣な口調で言ってくる。


「お前もそう思うか?俺もだ。なんかすっごい罪悪感感じてる……」


「うーん……捉えようによっては全部になってしまうんだが……いいかい健太郎、ショックを受けずに聞いてくれるかい?」


「今更一個や二個与えられても変わらん。早く教えてくれ」


「そういう所はカッコいいね!!じゃあいうよ、いいかい?健太郎、君にはその、デリカシーがない。それも、天才的に……」


そう、なのか……

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