4話
「里親リストってなんですか?」
「青少年限定里親制度と言って、あまり事例は無いのですが、身元不明の未成年の男性を預かり、家族として共に生活すると言う、国の定めた制度です」
なにそれ、ちょっと興味ある。
「里親リスト見せて貰って良いですか?」
江戸さんは手に持っていた電子タブレットを俺に見えるように向けてくれた。
「こちらが天使さまに応募された里親リストになります」
画面の応募者数に目を見開いてしまった。
「ご、578,652件……」
鳥取県の人口より多いじゃねーか!
こんな中から選ぶとか無理だろ!
それに一週間でこの応募数はおかしいだろ?
「江戸さん、いくらなんでも応募数多くないですか?」
「実はですね、男性保護課のホームページに載せてました里親募集の天使さまのプロフィールがSNSにて拡散されまして、ネットではお祭り騒ぎで御座います。」
情報ガバガバだな!おい!
「色々、言いたいことはありますが今はいいです。募集リストの絞込み検索とか可能ですか?」
江戸さんは「どうぞ」と言って検索画面にしてくれた。
俺はそこでワードにチェックを入れていく。
〆 姉
〆 妹
〆 母親
〆 一般家庭
チェックを入れ検索ボタンを押した。
「258,623件か半分位にはなったな」
再度チェックを入れようと検索ワードを見ていたら、やはりこの世界は想像の斜め上を行ってくれる。
□ 近親婚可
□ 家族間性行為可
隠しスキルきたー!
二つにチェックを入れて検索。
「なん……だと……。258,623件……減ってないだと……。」
恐ろしきあべこべ世界。