3話
謎の土下座から一週間が経った。
スイートルームの様な男性保護施設の一室を好きに使って良いと言われたので、部屋のテレビやパソコンのインターネットで情報収集や藤堂さんと江戸さんその他職員から得たこの世界の知識や常識にはかなり驚かされた。
まず、今いる国は日本で間違いない。
年号も元の世界と同じだった。
しかし、断言できる!ここは異世界だと!
異世界というかパラレルワールドみたいな感じなのかもしれない、食べ物や文化は大きく変化はないが歴史上の人物やタレントなどは、俺の知る人物は今のところ存在していない。
一番元の世界と違う事は男女の人口だろう。
人口の95%が女性なのだ。
男女比1:20って人類滅びるんじゃないの?って思っていたが重婚義務や現代では人工受精で昔より、かなり緩和されているらしい。
それに、男性への甘さが尋常ではない。
国からの生活援助金が年間最低500万円。
足りなければ申請手続きをすれば追金も対応してくれる。
基本的に男性は学校にも行かず、仕事もしない。
なにせ、国に甘えればお金が貰えるのだ。
自然とそうなるだろう。
ちなみに男性は医療費や税金は発生しない。
さすがに女性国民は怒るだろ!
って思うじゃん?それが女性国民の大半が…
「男性の為になるなら増税を希望するわ」
「私のお金が男性を支えているの」
「税金徴収?いいえ、これは愛の徴収よ」
などなど女性全体が男性に甘あまなのだ。
この世界の男女の貞操観念だが、これも元の世界と逆転している。男性は女性に身体を触られる事を嫌うようだ。
女性は死ぬまでに処女を捨てられれば勝ち組。
その勝ち組になれる人は一握りである。
この話を聞いて藤堂さんの行動に少しは理解が出来た。少しはだが。
もともと、女性と全く縁の無い生活を送ってきたけど、この世界で楽しめるだけ楽しもうと思う。
このイージーモードな世界で彼女を作って童貞などポイポイっと捨ててやる!
あと、俺への対応に男性保護施設は混乱していた。全国の男性住民データベースに存在しない名前と俺の住所。
事件と記憶の乖離の両面で調査されたけど、面倒くさくなってきたので記憶喪失で押しきる事にした。
前回、ふらっと登場して土下座を仕出かした江戸さんだけど一応この施設の所長らしい。
そして、江戸さんから驚きの発言があった。
「天使さま、里親リストをお持ちしました。」