1話side麗子
別視点多めで書きます
「あ、あの!!!そこの君!!!」
「ひゃい!!!」
彼はビックリしたのか声が裏返っている。
驚いた表情なのに素敵だ。
私も男性と言葉を交わせた事に舞い上がってしまいそうな気持ちを押さえ、仕事を遂行しなくてはならない。
私の仕事は男性保護特別警察官であり、市民から男性が一人で不審に歩いていると連絡を受け飛んで来たのだ。
近くのビルにヘリコプターが停まっているので文字通り飛んで来たと言えると思う。
さて、相手は男性なのだから言動には細心の注意を払いながら行動しなければならない。
大丈夫だ。私ならできる。
「わ、私は藤堂 麗子と申します。私と結婚を前提にお付き合いをお願いします。料理を含め家事は苦手ですが、武道に心得がありますのであなた様を御守りできます。」
彼が何か驚いているが大丈夫だ。
問題ない自己紹介だ。
「男性が一人で街を歩いていると連絡を受け参上いたしました。男性保護特別警察官です。ここで話を聞きたいのですが女性が集まり始めておりますので男性保護所まで御同行願います。」
そこから全く動かなくなっていた彼を説得したかったのだけどフリーズしていて会話ができなかったので王子様抱っこをさせて頂き、全力でヘリコプターまで走りました。役得役得。
ヘリの中で彼は「ここは、日本じゃ無いんですか!?」、「今の年号を教えて下さい!?」、「女性が追いかけて来てましたよ!」「結婚って冗談ですよね?」などなど質問攻めに合ったので、取り合えず結婚について本気である事を伝えた。
なにせ、こんなイケメンな男性は見たことがない。結婚を申し込まなければ失礼に当たるだろう。
身体に触れたときも驚いていていたけど、怒鳴らなかったので可能性があるのではと考えてしまう。
彼の質問に答えていると男性保護施設に着いたようだ。
彼の名前は高山春斗と教えてもらった。
せっかく名前を教えて貰ったので、こう呼ばせてもらうことにした。
「旦那様、着きましたので行きましょう。」