15話
美少女あらため女装娘ちゃんなんだが……
めちゃくちゃ、なつかれてしまった。
「春斗くん、これなんてどうかな?」
「お、おう」
「こっちのネックレスも絶対似合うよ!僕がつけてあげるね」
「あの……虎太郎くん、近いんだが……」
「男同士なんだから」
クソがッ!上目遣いしやがって!
虎太郎くんが女の子に見えてしまう!
信じられるか?イチモツがついてんだぜ?
ネットで男性の写真とかあったけど、イケメンって書かれていても、俺の感覚では中の下が良いとこだったんだが……
世の中には隠れ美少年も意外といるのか?
ってか……
「なんで、女の子の格好してんの?」
「普通、外に出るときはバレないように変装するよ。僕も女性は苦手だけど外に出かけたりするのは好きなんだぁ」
変装のクオリティ高ぇな!
髭が濃い男とかどうしてんだ?
殆どの男が引きこもってるんだっけか?
「春斗くんみたいに格好いいのに変装しないで出かける人なんて普通いないよ」
まぁ、俺にはこの世界の普通がわからん。
「僕はいつも女の子の格好だけどね、学校も女子の制服で通ってるんだ。ふふん。」
自慢気に語りやがって、可愛いじゃねぇか。
「俺も来週から学校通う予定だけどな」
「え!?在学するだけじゃなくて通うの?」
「夢在学園、共学だから虎太郎くんとは別の学校だと思うけどな」
「同じ学校だよ!?僕、4月に入学したんだけど春斗くんも一年だよね!」
すげーテンション上がってるな。
まぁ、俺もビックリだけど。
「誕生日が4月だから16歳だけど学年は一年だ」
「やったー!嬉しい」
ギュッ
腕に抱きついてきやがった!
悔しいが悪くないぞ。
「携帯番号交換しようよ、チャットとかでもお話したいしさ」
美少女あらため美少年の携帯番号をGETした。
その後、帰ろうとする俺の服を掴み離さない虎太郎くんを説得して家族の元に戻った……
「お兄ちゃん、知らない女の臭いがする」
ギクッ
「春斗くん、ギクッってなってたよ」
小夏にもジト目で見られる。
「男の友達ができてさ、それだけだよ」
「春斗さん遅かったから皆心配してたのよ、お母さんオコです。」
プンプンっと体を揺らす。
怒って揺れる胸に視線が行ったのは仕方がない。
それから個室のレストランで晩御飯を食べて、無事に帰宅しました。
家族での初めてのお出かけで、ラブコメイベントを楽しむハズだったのに男性の友達ができるとは思わなかった。
まぁ来週からは学園生活だし、楽しみだ!
ピロン♪
(はるとくん、今日は出会えて嬉しかった)
ピロン♪
(僕、はるとくんの事好きになっちゃったかも)
既読スルーで寝ることにしました。




