12話
数年振りに更新ですm(_ _)m
「やっぱり男子校はないな……」
麗子さんが準備したパンフレットを車の中で見ていたが、そもそも俺にはこの世界では男子校に通うという選択肢がない。
麗子さんや家族は共学ではなく男子校に通って欲しいようだった。変な虫がつくと家族一丸となり共学に反対していたが小夏の通う学校なら監視もできると言うことで、見学に行くことになった。
まぁ、学校に通う事は里親申請時に容認していたけど、共学希望とは思ってなかったみたいだった。
俺は男子校のパンフレットをポイっと投げ捨て、今向かっている学校のパンフレットを手に取る。
「夢在高等学園……」
なかなか、期待できそうな学校名だな。
『男性必見!優良女子多数在籍!』とデカデカと書いてる所が学校側も男性を入学させたいことが伺える。
男性が学校に行くことも稀で、共学に行く男性は更に少ないとなれば、いくら日曜日でも俺が学校見学に行ったらパニックになるのでは……
まぁ、女の子達に揉みくちゃにされるのも悪くない気はするけど、ちゃんと見学はしたいから、麗子さんに確認しておくか。
「麗子さん、今回はちゃんと学校に連絡いれてますよね?」
「もちろんです!旦那さま!抜かりありません!」
「お、おう……」
勢いがありすぎて、信用がないことを一瞬忘れてしまった。まぁ、大丈夫だと信じよう。
その後、車を走らせ学校が見えてきた。
「到着しました」
麗子さんにお礼を言って車を降りる。
「「「お待ちしておりました!荻野様!」」」
ふぇっ!目の前の正門からレッドカーペットが敷かれ、両サイドには正装した教員らしき女性が並んで出迎えている。
振り返り麗子さんを見ると……
「事前に最上級のおもてなしをと伝えておきました」
ドヤって顔すんじゃねーよ!
気まずいんだよ、これ通るの?声かけるべきなの?なんなの?羞恥プレイなの?
「はぁ~」
深いため息が出ちゃったけど行くしかないか。
憂鬱になってきましたワタシ。
まぁ、過剰だけど学校側は悪くないので気持ちを切り替えよう。
「出迎えありがとうございます。」
サービスだ、ニッコリ笑顔っと。
「「えっ!!」」
近くの教師たちがフリーズしている。
愛想を振り撒く男性はよほど少ないのだろう。
「申し訳ありません、笑顔に見とれておりました。私が夢在学園の教頭をしております。飯田と申します。本日はようこそお越しくださいました。」
深いお辞儀をして、その後色々と感謝の言葉を長々貰いました。今から来客室まで案内してくれるそうなので、麗子さんと一緒に飯田教頭に着いていく。
コンコン
飯田教頭がノックをしてドアに手をかける。
「荻野様をお連れしました」
「どうぞお入りください」
部屋に入ると、校長?らしき四十路くらいの綺麗な女性が待っていた。
毎度思うけど、この世界の女性は年齢関係なく綺麗な女性が多い気がする。
男性が少ない世界の中で競争に勝利してきたハイスペックな遺伝子が多いのだろうか?
ぶちゃいくって女性は全然見かけない気がする。
まぁ、外には殆ど出ていないから確証はないけど……
「荻野様、お待ちしておりました。本学園の理事長兼校長をしております夢野と申します。どうぞ椅子にお掛け下さい」
ドカッ
俺専属の男性保護特別警察官は椅子にドカッと座り、足を組み……
「では、旦那さまに提示できる学園の条件を聞かせてもらいましょうか。最低条件で私と旦那さまのラブラブランチタイムの中庭貸し切りは当然必要なのはお分かりですね?保健室のベッドもダブルにしてください。あと……」
こいつ何言ってんだって顔で、麗子さんを見たら。
いつものドヤ顔でウィンクをする麗子さんに俺のSAN値は削られるのであった。




