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11話

俺が荻野(おぎの)家の一員になり、一週間が過ぎた。

新しい生活にも随分慣れてきた。

うん……気がするだけだった。


高山から荻野に名字が変わったことにも慣れていかないとな。


正直、前世の記憶がある俺には、なかなか馴染める環境ではない。

元々、父親と俺の二人家族で母親は物心付いた頃には、すでにいなかった。

父親との関係は良好だったが、パピーに会いたいと言う気持ちが強いわけではない。



正直、この世界の魅力が強すぎる。



父さん、この世界に来て秋代さん、小夏、真冬ちゃんとも家族になり、幸せな家族ができたんだ。見てくれよ、目の前の幸せな光景を……。



「母さん!!真冬がまた春斗くんのパンツ被って白目剥いてる!!」



「小夏!あなたも春斗さんの靴下を手にハメてシャドーボクシングしない!」



「母さんだって、春斗くんの後のお風呂のお湯を化粧水に使ってるって真冬が言ってたぞ!」



父さん、安心しましたか?

こんな光景が毎日続いています。

やっぱり、父さんに会いたくなってきました。



なんてセンチメンタル気取ってみたが、こんな感じで楽しく過ごしている。



それに今日は麗子さんと一緒に俺が通うかもしれない高校の見学に行くのだ。今日は日曜だから部活動中の生徒くらいしか会わないと思うけど、俺はまだ男性保護施設と自宅以外知らないからな。ワクワクが止まらんよ。


今は4月下旬だから、ゴールデンウィーク明けくらいには高校に通えれば良いな。



俺は準備をして玄関の外に出る。

後ろから服を引っ張られ、振り返る。



そこには俺の服の裾を必死に掴んでいる真冬ちゃんがいた。


「お兄ちゃん、行かないで……外は危険。」



「大丈夫だよ、真冬ちゃん。」



「外は痴女や変態がたくさんいる。」



「大丈夫だよ。今の真冬ちゃん程の変態痴女は中々いないと思うから。」



そこには男性用パンツを頭に被り、棒付きキャンディーの様に俺の歯ブラシを持った変態がいた。



「無念……。」



真冬ちゃんをスルーして……。

新たな出会いを求めて、いざ出発!!

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