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メルヘンなんてクソくらえ!  作者: 夢見る女の子
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覚悟を決めて生きやがれ!

いつかの時代のどこかの国。

その国民は飢饉に貧困と悩まされていました。


人里離れた森の奥で暮らす、父に母に姉弟の四人家族もまた。


姉の名はチトグレーテル、歳は十四。

弟の名はココヘンゼル、歳は八。


二人が子供部屋で眠る夜遅く。

父と母は、隣の部屋で緊急家族会議を行っていました。


ママ「あかん。このままじゃ、家族みんな飢え死にでんがな」


パパ「木こりという仕事も限界でおま」


ママ「食いもんあらへんさかいなあ」


パパ「子供達が可哀想でしゃあないわ」


ママ「ほな、こうしましょ」


パパ「どないするでおま」


ママ「子供を森の奥に棄てるんでんがな」


パパ「なんやて!?せやかてママン」


ママ「せやかてパパン。みんなで飢え死には嫌や嫌や」


パパ「ええー」


ママ「神様がおるやったら、なんとか助かりまんがな」


パパ「むちゃくちゃやねえ」


ママ「覚悟きめなあきまへんがな」


パパ「ほな。そうしまひょ」


バタン!


パパ「チト!」


チト「その下っ手くそな方言で誤魔化せると思うわけ?」


ママ「なんやねん。おきとったんがな」


チト「腹減って寝らんないのよ」


ママ「ごめんね……」


チト「仕方ないことよ。だから希望通り、明日、私達出ていくわ」


パパ「今のは気の迷いだ」


チト「は?気の迷いってか気狂いしてるじゃない」


パパ「悪かった。もうこんな話しないから、ほら、はやく寝なさい」


チト「いや無理よ。私、かなりメンタルやられたし」


ママ「そうだ。お腹空いて寝られないなら、パンを」


チト「いい」


バタン!


ママ「はあ……私達って最低の親ね」


パパ「ごめんな……ごめんな……」


バタン!


チト「産んで育ててくれてありがとうね!」


バタン!


ママ「あら、チトったら……」


パパ「……よし!明日からはもっと頑張ろう!」


ママ「ええ!そうしましょう!」


一方、扉の向こうで。


チト「……やるしかねえ」ぐっ


チトは強く覚悟を決めましたとさ。


続け!

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