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42:ちょっとした秘密

 まぁ、そんな訳で。

 事情も色々わかったし彼もどうにか元気を取り戻したし、丁度いいからこの辺でさっきから考えていた事を提案するかな。

 そう考えてギリアムの方を見ると、彼は何か希望を取り戻したような顔で遠くを見つめていた。ちょっと不気味だが、そそのかしてやる気を取り戻させた本人としては見て見ぬふりをするのが正しいだろう。


「ところで話は変わるが……良かったらわしとフレンド登録をしてくれんだろうか?」

「えっ」

 まだ話した時間なんかは短いが、私はこの強面の異色ドワーフの彼をすっかり気に入っていた。是非ともこれっきりの関係にしたくない。どうせ友人になるならこういう面白い人が良い。

 きっとこの人となら、一緒に狩りなんかに行っても楽しいだろう。


「まぁ、わしも見ての通りの全身軽装備の身の上だからのう。どうせ身に着けるなら、自分と同じように色々とこだわりを持つ職人の手になる物を選びたい。生憎そんなに金に余裕があるわけでもないから防具を頼むとしてもまだ先になるとは思うが……良かったら、顧客の一人にさせて欲しいのじゃがの」

「マジか! いやもう喜んで!!」

 ギリアムはこくこくと頷くと、早速ウィンドウを開く仕草をした。私も同じようにウィンドウを開き、音声で相手を指定する。


「フレンド申請、ギリアム」

「お、きたきた。オッケーっと」

 ギリアムの操作と共にこちらのウィンドウでも登録を知らせる音がし、私のリストにまた一人フレンドが増えた。なんか濃いメンバーばっかりになっていっているような気もするが、新しい友人ができた事は純粋に嬉しい。

 さてあとは面白い話を聞かせてくれたお礼に、ちょっとだけ彼の悩みの解消に貢献できるんじゃないかと思ってるんだけどどうかな。


「ところでギリアム、これからまだ時間があったら、ちょっと付き合って欲しいんじゃが、どうかね?」

 ウィンドウをしまいそう言って横を見ると、彼はなんだか拳を握って打ち震えていた。

「呼び捨てキタ! ついに!」

「……」

 思わず胡乱な目で見つめると、ハッと我に返った彼に謝られる。

 いや、いいけども。私も彼のような立場で理想の魔法爺を目の前にしたら、絶対に挙動不審になる自信があるから。


「すまん、ウォレスさん、つい」

「いや、構わんよ。ついでだからわしの事も好きに呼ぶといい。呼び捨てでも爺さんとでも」

「それは……どう呼ぶのが理想的か、また悩む問題だな」

「……とりあえず悩むのは後にして、ちょっと付き合わんかね」

 そう言って私が立ち上がると彼も釣られて立ち上がる。

 歩き出した私達はそのまま広場を横切り、ここ数日ですっかり通いなれた通りに向かって歩いた。目指しているのは七番街の横、八番街だ。

 七番街は街の入り口に繋がる通りなので道幅も広く、大きな宿屋や酒場、冒険者の良く使う薬屋などが数多く並んでいる。では今目指している八番街はといえば、主要な通りの裏通りと言う雰囲気で七番街よりも大分狭く、大通りに店を出せないような小さな店が沢山並んでいる場所だった。


「どこに行くんだ?」

「ただの買い物じゃよ。薬を少し買おうと思ってな」

「七番の方が品揃え良くねぇか?」

 彼の最後の言葉には返答せず、私は一軒の店の前で立ち止まると彼を手招いた。上を見ればぶら下がった小さな木の板には壷のマーク。薬屋の印だ。ギリアムも私に釣られたのかそれを見上げたが、彼がこのマークの横に描かれた小さな印に気付いたかどうか。


「ギリアムはいつもどんな風に買い物しとるかね?」

「どんな? 買い物にどんなもこんなも、普通に店に入ってウィンドウ開いて、後はメニューから選んで、だろ」

「うむ。では、わしと一緒に店に入って黙って見ていてくれんかね。暇ならウィンドウでも開いて、メニューでも眺めとると良いと思うよ」

「よくわからんが……わかった」

 彼が頷いたのを受け、私は質の悪いガラスがはまった戸を開けて中に入った。ガラン、と重い音を立ててドアベルが鳴る。もうこの音を聞くのも何回目かだ。実は私はここ数日、毎日この店でMP回復薬を少しずつ買い足しているのだ。


「いらっしゃい。おや、またあんたか、ウォレスさん」

「邪魔するよ」

 昼間なのにどこか薄暗い店の中、奥のカウンターから私達を迎えたのは恰幅のいい髭面の親父だった。


「客に向かってまたとは、随分な歓迎の言葉じゃな」

「はっは、ちまちま訪ねてこないで、まとめ買いでもしていってくれたら大歓迎するんだがね」

「なら、あんたの顔を見に来とると考えたらどうだね」

「生憎、爺さんの顔を見て喜ぶ趣味もなけりゃ、自分が見れた顔をしているとも思ってないんでね」

 確かにそう語る髭面はむさ苦しい部類に入るだろう。

 おまけにこの親父さんは接客向きの顔でも態度でもないし、横も縦も大きい男が小さな店にいるのは窮屈な印象を与える。ついでに言えばこの店はメニューで見ると品揃えも一般的で、大通りでも買えるありきたりな物しか売っていない。

 普通のプレイヤーなら、こんな裏通りでむさ苦しい親父がやっている小さな店ではなく、表通りの大きくて若い美人の店員なんかが迎えてくれる店で買い物するだろう。

 しかし私がこの店を選んで買い物をするのには、それなりの理由がある。


「わしもそれには同感だが、この店の品には何度でも会いたいのじゃから仕方なかろう」

「ま、それは光栄だがね。で、今日は何をお求めで?」

 私は横に立っていたギリアムがウィンドウを開いて店のメニューを眺めているのをちらりと見やった。彼は私と店主のやり取りに戸惑いつつも、言われた通り黙っていてくれている。


「この前売って貰った飴が欲しいんだがね。今朝また入荷予定だと言っておったろう」

「ああ、入っているよ。と言っても、数は少ないんだが……赤と青どっちにするんだい?」

「もちろん青で。幾つあるね?」

「青なら今回は三つだけだ。あれは知合いの魔道士が小遣い稼ぎに作ってるから量にばらつきがあるのが難点でな。もっとも、入ってきただけいい方だが。一瓶五百Rだが、幾ついるね?」

「三つ全部頼むよ。ああ、せっかくだから赤も一つ貰おう」

 毎度、という言葉を受けてウィンドウを開き、所持金の数字に触れる。出てきたメニューから所持金取出しを選び、二千と数値を入れる。

 すると中空に手のひらに乗るくらいの大きさの膨らんだ革袋がうっすらと現れる。それに手を伸ばして掴むと途端に袋は実態を持ち、私の手の中にずしりと納まった。


「では、二千Rで」

「毎度どうも」

 お金の入った袋と引き換えに、店主は小さな素焼きっぽい壷を四つ差し出した。コルクのような蓋がはまったそれを受け取り、アイテムとしてしまう。店主も金を確かめたのか、確かに、と呟いて一つ頷いた。


「次の入荷は少し先になるよ。十日か、長ければもう少しだな」

「そうか。なら取り置きを頼めるかの。しばらくはこの街にいるじゃろうが、出入りもするだろうしの」

「はいよ。まぁ数は入らないが、こんな店に買い物にくるのはあんたみたいな物好きくらいだからな。売れることもないだろうが、一応取って置くよ」

「ありがとう、助かるよ。では、また来るからの」

「次は美人でも連れてきてくれると嬉しいんだがね」

「ははは、ならわしの親友でも連れてくるかの」

「あんたの親友じゃあなぁ……ま、期待しないで待ってるさ」

 よし、次はユーリィを連れてこよう。



 ガラン、と再びベルを鳴らして外に出る。ギリアムも黙ったまま私に続いてドアを潜り、店を出た。

 私が広場の方向に歩き出そうとすると、ぐい、と腕を引かれて止められた。振り向くと眉をぎゅっと寄せたギリアムと目が合う。うわ、怖い顔。


「今のは……爺さん、一体何をしたんだ?」

 お、どうやら私の呼び方はじいさんで落ち着いたらしい。

 私は彼の問いににやりと笑って、彼の腕を逆に取って引いた。


「ここではちょっと、の。そこの路地でいいから、こっちへ」

「あ、ああ」

 蜘蛛の巣の横糸のように隣の通りへと繋がる沢山の小路の一つへと入り込む。丁度良く人通りはなく、私達はその小路に少し入ったところで立ち止まった。


「さて、何が聞きたいんじゃね」

「何って、そりゃ色々あるが……じゃあ、とりあえずあんたが買ってた『飴』とやらは店の品物の中には見つからなかった。あれは一体?」

「ふむ、それはこれじゃな」

 そういってウィンドウを開き、そこからさっき買ったアイテムを取り出す。ぱこ、と壷の蓋を開けると中には一円玉くらいのサイズの丸い物が沢山入っていた。この半透明の青い物が、呼んでいた通りの『飴』に他ならない。青いのはミントに近いような爽やかな味と香りがする。


「飴……だな」

 中を覗き込んだギリアムは小さく呟いた。

「飴じゃよ。正式名称は『ブルードロップ』という。そのまんまじゃな」

「そんな商品、あそこのメニューに載ってなかったぞ?」

「そりゃ載ってないじゃろう。あれはいわゆるとっておきという奴だそうだからの」

 私は壷の蓋を元通りに閉めると、ギリアムに手渡した。アイテムの効果などを見せるためだ。私がトレードや贈呈を承認しなければ彼が持ち去ったところで私のアイテム欄からはなくなったりしないので不安はない。


「ブルードロップ、MP20%回復、ただし回復率は使用方法によって変動? 何だこりゃ。どういうアイテムだ?」

「それは口に入れて噛み砕くか、あるいは飲み込めば瞬時に使用者の最大MPの20%を回復してくれる、という薬の一種でな。ただし、それは液体の飲み薬と違い、あくまでも飴じゃろ。飴を噛まずにずっと舐めていれば、回復は緩やかに続くんじゃよ。最後まで舐めきると最大で40%くらいの回復効果があるそうじゃよ。舐めている途中で噛み砕くと、その時残った量に応じた回復をするらしい」

「……そんな薬、初めて聞いたんだが」

「だから、とっておきだと言ったじゃろう。わしだってあの店にこの一週間何度となく通って、補充しようと思っていたMP回復薬を毎回少しずつ買って世間話をして、ようやく教えてもらえたんじゃからの」

何日も通って顔を見せ、会話をして軽口を言い合うくらいの仲になってやっと、「こんなに毎日魔力回復薬を買いに来るなんて、よほど困っているのか」と言われて割安で効率のいいこの薬の存在を教えてもらえたのだ。


 薬の類はプレイヤーメイドなら差が出るが、NPCショップで買うとその効果は一律だ。今のところ買える品は全て小瓶に入った液体で、飲むか体にかけるかして使う。

 回復量もMP30ポイント回復、HP50ポイント回復、というように数値ではっきりと決まっている。食べ物の類もそうだ。薬と食べ物で違うのは値段と回復にかかる時間というところだろう。

 割合で回復するのはスキルや魔法でしかまだ見ることはない。そういう意味では、コレは結構珍しい品だと言えるのだ。


「この飴は一見大したアイテムではないようにも思えるが、利点は幾つかある。口に含んでいればなくなるまでずっとMPの微回復が続く事。割合で回復するからHPやMPの数値が多くなると得なこと。瞑想のようなスキルと違ってじっとしていなくてもいいので、歩きながらでも回復できること。噛み砕くことで回復にかかる時間をコントロールできること。まぁ、呪文を唱えるわしにはちと邪魔になるんじゃが、戦いながらでも使えること。後は何より、五百Rで十五粒入り。お買い得じゃろ。ちなみに味は甘くて爽やかなミント味じゃよ」

「いや、俺も欲しいわ、それ。HPバージョンもあるのか?」

「さっき店主が言っておった赤と青のうち、赤がHP回復じゃよ。わしも一つ買っておったじゃろう? 味は唐辛子……」

「食えるか!」

「……というのは冗談じゃよ。木苺のような味じゃな」

「嫌な冗談は止めてくれ……」

 がっくりと肩を落とした彼の姿に気分を良くした私は思わず笑ってしまった。鋭いツッコミが返ってくるというのはなかなか楽しいものがある。

 笑っている私をじろりと軽く睨むと、ギリアムはさっき通ったこの小路の入り口を見た。


「あと、さっきなんかものすごく気になることを言ってたろう。最後の方で」

「ああ、取り置きを頼んだ事かね?」

「取り置き! それだよそれ! つーか、そんな事が出来るなんて初めて知ったんだけど、ホントに出来るのかよ!?」

 勢い良く問いかけてくる彼に頷くと、ギリアムは喜んでいいのか驚いて良いのか解らないというような複雑な顔をした。


「あんたに聞かせたかったはあのやり取りもそうじゃが、一番はそれじゃよ。結論から言えば、あの店主はまず間違いなく、わしの為にあの商品を取り置きしてくれるだろうの」

「マジか……そんな事ができるなんて」

「別に不思議でもあるまい? 現実でも行きつけの店でなら出来るじゃろう。店に通って常連になって店員と仲良くなれば、裏メニューが出てきたり、とっておきの商品の情報を教えてもらったり、お勧めの使い方を聞いたり、次の入荷の時に取り置いて貰えたり……そういうのと一緒じゃな」

「それは、確かに現実ならそうだが……」

「ならばわしとあの店主のやり取りが、現実と大きな差のあるものだと思えたかの?」

「……いや」

 ファトスにいる時にNPCとひたすら仲良くしたおかげで私は色々な事を知る事が出来た。それをここでも同じように活かしているだけだ。


「このゲームはこちらが驚くほど、NPCも『生きている』んじゃよ。だからそんな彼らと仲良くすれば、色々なちょっとしたおまけに出会う可能性がある」

「けど、NPCの数なんて半端ねぇだろ。片っ端から話しかけてたら遊ぶ時間がなくなっちまわねぇか?」

「そこら辺はコツじゃな。面白いNPCのいるショップなんかは、見分けるコツがあるんじゃよ」

 私はそこまで言うと、寄りかかっていた壁から背を離して小路の入り口へと足を向けた。八番通りへと出るぎりぎりのところで止まり、ギリアムを手招く。

 彼は素直にやってくると、私が指差す方を見た。


「あの看板がどうかしたのか?」

「壷のマークが書いてあるのは見えるじゃろう」

「ああ、薬屋のマークだろ?」

「その薬屋のマークの脇に、小さな模様があるのがわかるかね?」

 言われてギリアムが目を凝らす。木の板に描かれた薬のマークの脇にあるのは言われなければ気付かないような小さな花の模様だった。紡錘形の五枚の花びらが形作る小さな花の模様。

 それを目にした彼は首を傾げて私の方を見た。


「あの花みたいな模様か?」

「そう。あれはの、その店で扱う品を自家生産している、あるいは生産者から直接仕入れているという事を表しているマークなんだそうだ」

「……それに何の意味が?」

「表通りの店は問屋から仕入れた汎用品を売っているからマークはない。その代わり品切れも滅多にないし、品揃えも豊富じゃな。対してこういう裏通りの小売店は、その独自性で勝負している店が多い。品揃えは一見余りよくないが、実は意外な掘り出し物があったりするのはこういう店の方じゃろう」

 もちろんこれらの情報は全て本やNPCから仕入れたものだ。だから私は買い物の時は裏通りのこういう店の看板ばかり見て歩いている。そのせいで躓いたり人とぶつかったりした事も一度や二度ではないんだけども。


「あのマークの花びらの数はその店と繋がる職人の腕の確かさを示している。大体三つくらいから腕に自信ありとマークを入れるようになり、数が多くなるほど良いそうじゃよ。商業ギルドで規定されているので嘘は許されんと聞いたから、信用できるじゃろう」

「つまり、そういう店ならあんたが買ったみたいなとっておきの品があるかもしれないってことか」

「そう、そしてあのマークは、より個性的なNPCがいる目安になるのじゃよ。個性的なNPCは仲良くなるのに結構通わなければならんが、仲良くなってしまえば色々な事を教えてくれたり、さっきの取り置きのように便宜を図ってくれたりする可能性が高い」

「……魔法具店にもあるか?」

「それはもちろん。もう何軒も見かけておるし、わしとあんたが最初に会ったあのオットーの店も、そうじゃったよ」

「オットー……そんな名前だったのか。つーか店に……店の人間に、名前があったのか」

 その事実にギリアムは目を見開き、それから視線を落としてため息を吐いた。


「爺さんは、いつもあんな風に買い物を?」

「ああ。慣れると楽しいもんじゃよ」

「そっか……それを俺に教えてくれたってことは、俺が同じ事をしても?」

 おずおずと掛けられた問いに、私は笑顔で答えた。

「無論じゃよ。そうでなければわざわざ教える訳がなかろう」

「そりゃそうだけどよ、なら、何でこんなすげぇ事を教えてくれたんだ?」

「わしが知っとる事なんて、他にも気付いとる人はいるだろう。いずれ広まることなら、まずは自分のフレンドに教えたいと思っても不思議じゃなかろう? ましてや、この街をアラームに従って走り回ってがんばっとる友人になら、なおさら。まぁ、この素敵な帽子とパイプの礼と思ってくれたら良いよ」


 手にしたパイプを持ち上げてそういうと、ようやく彼も嬉しそうに笑った。

 ギリアムには頑張って熟練度を上げてもらって、いつか素敵な老眼鏡を作ってもらうんだから、応援するに決まっているってもんだ。


「まぁ、店が騒がしくなると困るから、できればさっきのやり取りや今語った事はあまり広めんで欲しいところじゃがの」

「もちろん広めたりしねぇよ。これからあちこち通って仲良くならなきゃなのに競争率を上げるほど馬鹿じゃねぇしな。ばれないように、客がいない時にNPCに話しかける事にするさ」

「なら良かった。では常連目指して頑張ってな」

「ああ! まずはこれからさっそく街中の店をチェックして小まめに通うとこから始めるぜ。ありがとうな、爺さん」

「こちらこそ、良い品を貰ったし、楽しかったよ」

「また何か自信作が出来たら連絡するぜ。そのうち狩りも良かったら一緒に行こうな!」

「ああ、是非。ではまたいずれ」

 別れを告げるとギリアムは最初に出会った日のように走り去っていった。これから魔法具の材料を売る店を一軒ずつ訪ねるつもりなのだろう。

 NPCと仲良く喋る強面の男の姿を見てみたい気もしたが、やる気の所を邪魔しても悪い。私は彼が走っていった道をのんびりと歩き、広場へと向かった。

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― 新着の感想 ―
こういうVR MMOものの、NPCをNPCとしてスルーしないことが鍵な話好き。
 目印があるのは良いね。
[良い点] おぉ、やっぱり仲良くなるメリットあるんですね。看板に目印があるのは意外でした。 というか本がもう攻略本みたいな扱いだ!!他にも極小数いるんだろうなぁ。NPCと仲良くして楽しんでる人……同類…
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