日本危険指定ダンジョン 『酒の楽園』
『酒の楽園』。これは店の名前では無い。ダンジョンの名前だ。
ある日突然、世界中にダンジョンが現れた。そして各国は『ダンジョン省』と言う物を作ってダンジョンの危険さを調査した。
そして日本でも調査が行われて危険なダンジョンを見つけた。それが後に名付けられる『酒の楽園』だった。
そのダンジョンは中はショッピングモールだった。
普通のショッピングモールと違うのは店頭に並んで居るのが酒やおつまみだけだと言う事。
そして異常な事に、ダンジョンの中に一般人が沢山居た。成人を超えている老若男女がずっと酒を飲み騒いでいる。時々静かな者も居る。
ダンジョン内で何をしているのかを聞こうとしても、ほとんどが酔い過ぎて話が通じない。
唯一話を聞けた男によると「いつの間にかこのダンジョンに入っていた。ここで酒を飲んでると、もう自分がどうなっても良くなる。」と話した。
そして「俺は酒が好きだからここに居る!」と叫ぶと周りの人も「俺もだ!」「私もよ!」と一斉に賛同する。
どうやらこのダンジョンには酒好きを呼び寄せてそこにずっと居させる精神汚染があるようだ。
話をしていた男が棚から酒を取る。すると一瞬で補充された。おつまみもだ。皿が空になると一瞬で皿の上におつまみが現れる。
「凄いよなぁこのダンジョン!タダで酒とおつまみが飲み食いできるんだぜ!万歳万歳!」
その言葉に本能的に「不味い」と感じた調査員が、話していた男をダンジョンの外に連れ出そうとする。
その時話していた男が、物理的に溶けて変形する。
話していた男は、複数の種類の酒缶や酒瓶に変形する。
振ってみれば中身がある事が分かった。
いきなりの事態に調査員達が動けずに居ると、周りでも変化が起こり始める。
周りで酒とおつまみを飲み食いしていた老若男女達が次々と、物理的に溶けていって酒缶に酒瓶、果てにはおつまみに変形する。
調査員が怯えているとダンジョン外から何も知らない酔った一般人達が歩いてくる。
そして元が人だった酒やおつまみを飲み食いし始める。
その光景に調査員達はダンジョン外に逃げ出す。
そしてダンジョン外に出てすぐにダンジョン省に報告。
そのダンジョンはとある議員に『酒の楽園』と名付けられた。
その名前をつけた議員は『酒の楽園』に侵入したのを一般市民に目撃されたのを最後に行方不明になった。
こうして『酒の楽園』はその名に相応しく無い凶悪なダンジョンに登録された。
そのダンジョンの出入り口にはバリケードを張っているが、それを超えて侵入したまま2度と帰って来なかった者が後を絶えなかった。




