身体能力テスト
「ディラウ?数々の名を聞いてきた俺が知らん苗字
と言うことは相当階級が下なのか?」
「まあそんなことはどうでもいい!」
「俺と勝負…」
「注目!!!」
教官が叫んだ瞬間、場が静まり返った。
暴れていたやつでさえ、動きを止めた。
あの教官、なんの武器を持っているんだ?
始めてみた…木製で、いや一部は金属か。
鋭いわけでわなさそう。
弓みたいな感じでもない…
「私の名前は、デモ=レボル、お前らの訓練担当だ」
「これから身体能力テストを行う!」
「君等の兵科を決める大事なテストだ!」
「まずは、動体視力から測る!」
教官はそう言うと、動体視力の検査場へ訓練兵を
案内した。
「やることは簡単!
これから飛んでくる石を全て避けろ!」
「では先頭から順番に来い!」
「はいっ!」
「名乗れ!」
「アイカラ=レースです!」
「わかった!それでは…開始!」
テストが始まった。
最初の新兵は幾つかの石は対処できていたが、
全ての石は対処できていなかった。
石は全体にとんできていた。足元にとんでくる石は
特に注意しづらく、よく当たっていた。
さて、他の人のやつを見て対策をねっておこうかな。
そんなに速く飛んでくるわけじゃなさそうだが…
足元も狙ってくるのか、伏せる作戦は無理だな。
「終了!それでは次!」
「はいっ!アウラ=レシアです!」
2人目は足元の石をジャンプでかわそうとした。
しかし、空中にいる間避けることができず、
結局多くの石に当たっていた。
「終了…それでは…」
「長いな…一人ずつやっていくなんて、
なんて非効率…」
と、テラは不満を述べながら他の人のテストを
眺めていた。
「終了!それでは次!」
「はいっ!ラストア=ゼノです!」
「いい返事だ!それでは開始っ!」
このぐらい、どうってことない!余裕余裕って、
少しずつ石が多く…まずい!
ビシッ!ビシッ!ビシッ!…
ゼノは他の人より多くの石に当たっていた。
そして文句を言いながら元の場所に戻っていった。
「くくくく…あいつ、さっき暴れてたやつだよなあ
お前!すっげえ避けるの下手じゃねぇか!」
「ははは…次は僕か。」
「終了!次っ!」
「はいっ!ディラウ=テラです!」
「よしっ!それでは、開始っ!」
ヒューン!
待て待て…飛んでくる石の数がなんか少し
多くないか!?しかも…速い!
ビシッ! ビシッ!
「ハッハッハッ!あいつ下手くそだな!」
「何言ってんだ!お前のほうが下手だったぞ!」
ヒュンヒュンヒュンヒュン!
どう避ける…?単に順番に手前から避けていくだけでは無理だ!…そうだ!一番手前だけ考えてその次を考えていなかったからダメなんだ!全部を避けるなら…
もっと先まで、考えて動かなければ!
「なんだあいつ!?ちょっとずつ避けれるように
なってきただと!?」
にしても速い…!全部は避けれない…!
なら、移動範囲を縮小…!範囲外の石は無視して
実質的な石の数を減らす…!
そしてまだだっ!体をできるだけ横向きにして当たる面積を減らす!
ヒュンヒュンヒュンヒュン!
教官はテラをじっくりと見つめていた
ほう…あいつ、頭を使ってこれ程の石を避けている…
やはり、素晴らしい才能がある。
「終了!」
終わった時、テラはとても疲労していたが、
かつてないほどの達成感を感じていた。
しかし、同時にこれが最初の種目であることを
思い出し体力が持つかの不安が生じた。
「それでは、次の種目に移る!」
「次は持久走だ!」
「全員、位置について…よーい…始め!」
これは体力の温存が大事…一定の速度を保…
テラがそう思った時、後ろからとんでもない声が
聞こえてきた。
なんだろう、ちょっと見てみ…ってゼノ!?
「うぉぉぉぉぉ!」
「なんだあいつ!?最初からあんな速度!
バカか!?」
ゼノがテラの横にきた時、ゼノは大声で言った。
「おい、お前!持久走では負けん!」
最初からこの速度だと…なんてやつだ…
「じゃあな!俺は先にゴールさせてもらう!」
ビューーーーーン!
ゼノが全力疾走を始め少し経った頃、
他の新兵が指をさして叫んだ。
「おいっ見ろっ!あいつ、あいつ!」
テラはなんだと思い、指の方向を見てみると、
そこにはヘトヘトになったゼノがいた。
あいつっ、て体力尽きてるじゃん!やっぱ無茶だ!
でも…足がまだ動いてる…あいつ…あれで…
ゼノの足は動き続けていた。
確実にスピードはいていたが、目はしっかりと
ゴールを見つめ、走り続けた。
そしてついに…
「ラストア=ゼノ、ゴール!」
「ゴールした〜!?」
な、なんてやつだ
こうして、ラストア=ゼノはぶっちぎり1位で
持久走を終えた。動体視力テストの惨状があったので
持久走で1位になった後はとても機嫌が良くなっていた。
「次の種目!岩運び!」
なんだこれっ!?重っ!
そう、実はテラはあまり力は強くなかった。
「うぉぉぉぉ!俺は先に行かせてもらうぜ〜!」
まだ体力あるんかい!
「次がラストの種目だ!」
「一対一!」
「ルールは簡単!好きな武器を選んで、
トーナメント形式で戦う!以上!」
「第一回戦は…」
こんなテストもあるのか…
もうそろそろ僕だな。さあ相手は…
「一巡目ラスト二十五回戦は…」
「ラストア=ゼノ 対 ディウラ=テラ!」
お前かい!
「武器を選べ!」
武器か…いや使い方がわからんし…なしでいっか…
「位置に付け!それでは…」
「開始っ!」
相手の武器は大剣…射程は圧倒的に向こうが上!
つまり、正面から戦っても勝てない…
うまく攻撃を避けつつ策を練る必要がある…!
「どうした!さっさと、攻撃してこいよ!」
ブオンッ!
空を裂くような一撃がテラを襲う。
あっちは素手…素手か…まあいい
間合いにはいられないようにすれば簡単に勝てる!
つまり横に大剣を振って近づかせないようにする!
「うおらっ!うおらっ!」
近づかせないようにしてきている…!
しかし、大剣は振ったあとに体勢が崩れやすい!
「そこを狙う!」
ブンッ!
ゼノは若干、体勢を崩した。
「今だ!」
まずい!思ったより隙がなっ…
ドゴッ!
「ぐっ…!だいぶ痛い、が!」
「クソっ!コイツ大剣に捕まってやがる!」
「離れろっ!うおらぁ!」
大剣を大きく振った…つまり!
「まずい倒れる!」
きた…!隙だっ!
「顔面パンチ!」
ボコッ!
「グッ!」
決まった!もう1回…
「させるかぁ!」
ドッ!
蹴られた!まずい!
「うぉぉぉぉぉ!」
「必殺縦斬り!」
ドゴオッ!
岩を砕いたような音が地底に響き、
そして場が一気に静かになった。
はぁはぁ…こいつは頭はいい…が、
身体能力はあまり高くはなかった…危なかったぜ…
教官はこの戦いに熱中していた。
それは結果を言うことも一瞬忘れていたほどだった。
「勝者…ラストア=ゼノ!」
「あぁ…勝った…勝っっ……」
勝ったと分かった直後、ゼノは倒れた。




