科目 五
前回:人型の鮕が移動し、リンパ節は陥落した。脱出用の大門は封じられ、平穏の宗師たちは惑わされ、寂冥の衛士たちは召喚された。猴は大犬に踏み潰された。そんな中、黒い痰が落ちた先の部屋の扉が開いた……
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「カチッ!」
一同の注視する中、大量の粘ついた黒い痰がどろどろと部屋から流れ出した。それは瞬時に歪みながら膨張し、全身が不気味な灰色を帯びた、エネルギー情報を宿した濃痰の塊と化す!
やがて二本の足のようなものが形成され、すぐに上半身からさらに三本の足が飛び出す。表面には小さな瘡ができており、まるで海に棲む五角の星に敬意を表しているかのようだ。それは地面に平たく這いつくばっている。
この異様な生物を前に、一同は戦意を漲らせ、それぞれが構えを取る!
まず反応したのは、実力を隠し続けてきた土だった。吸いかけのタバクを挟んだまま、重傷の天や天を介抱する尼よりもさらに後方へと走り込む。
それゆえ、最前線はやはり太が譲らず、我を忘れて両手を合わせて力を溜めている。そしてその隣には羅が立ち、油紙の傘を怪物に向けている。
二線に位置する嬌と郎は、初戦でしくじったものの、それでも剣を抜く/指を構える同じ姿勢を取っている。説得力には欠けるが、とはいえ今や開眼している。ただの朱い印ではあるが、ないよりはましで、一応の期待はかけられる。
土は皆の後方でタバコをくわえ、大声で叫ぶ「さあ来い! 五角の妖怪め、じっとしてろよ、今から技を繰り出すからな!」
尼はその前方で、技の程を推し量るように言う「巨星の風格を備えている。必ずや一鳴驚人であろう」
案の定、次の瞬間、技が繰り出された! しかも伴奏つきだ!
いつしか、あの平台上で大犬がまたも巨大な足に変わり、足指が実に器用に地面を弾いて奏でている。
先ほど踏み潰されたばかりの猴の上で、まるで猴が人皮の鍵盤と化したかのように、背筋の凍るようなBGMが鳴り響く!
そして五角の怪物は優雅に肢体を舞わせ、口を開いた。五つもある! 五本の肢体の先端に、それぞれ小さく付いている。
五つの口が甲高い声で、実に不気味な歌を詠い上げる——
「只身 幾多の歳月を歩み来たり~
刀光の 夜を照らすを慣れ見たり~
侠骨魔心 いかにして見分けん~
弾指の一夢 ただ一瞬に過ぎず~
(只身走过多少的岁月~ 看惯刀光照亮过黑夜~ 侠骨魔心如何来分辨~ 弹指一梦不过一瞬间~)」
その時、観客席の仮面の者たちが一斉にサイリウムを掲げ、陰気に合唱する——
「黄砂の中の残陽は血の如し~
幾多の魂魄 此処にて眠りに誘われたり~
この成敗 誰か解するものがあらん~
(黄沙之中的残阳如血~ 多少魂魄在此被催眠~ 这成败 有谁来了解~)」
歌い終えると、全観客の仮面に刻まれた文字「平/冥」が輝き、大きな拍手が沸き起こる。
しかし同時に、免疫の小兵たちは全員ひざまずいてしまう。相手(免疫抑制)の気勢があまりに強力すぎたのだ!
ここで五角の怪物が動きを止め、感慨深げに挨拶する「おお! おお! これは意外だ。スピーチの用意をしていなかった。まずは寿頭のおやじ、それに祖師様のご指導に感謝を申し上げます。あなた方がいなければ、私がこんなに早く脚光を浴びることなどなかったでしょうから!」体を伸ばして続ける「おお、人生、若すぎて名声を得てしまった。あまりにハイになりすぎて何を言えばいいのかわからない。ははは、なんてこった……」
小兵たちはようやく正気を取り戻し、巨星に対しては内心鼻白みながらも、姿勢を立て直そうともがき、なかなかどうして無様である。
ところが五角の怪物が突然、不気味な口調に変わる「おやおや、まだ私のスピーチが終わっていないというのに、もう立ち上がるとはな!」そして猛烈に再び変異を遂げ、恐ろしい、星にも馬にも見える、五つの頭を持つ姿へと変貌する。その中の一つは特に凶悪だ……
この恐ろしい星馬は、すぐさま、一瞬にして、一同に向かって飛びかかってきた!
——癌細胞とはそういう気性である。
太が最初に反応し、真っ先に飛び出しながら怒号を放つ「化け物、好き放題するな! かかってこい!」道袍を翻らせて言う「皆の者、しばらく待っていなさい。私が活性化の気勁を放つまで、まだ追ってこなくて構わないから!」
実際には一同はまだ完全に事態を把握しきれていないが、彼女はますます勢いよく言い募る「いわゆる——我、海星を喰らわずして誰が喰らう……」
言い終わらぬうちに、五角の怪物が凄まじい勢いで迫り、その影はすでに彼女を覆い尽くしていた!
「しまったったったったったった……」太が見上げた瞬間、五角の怪物は鷲づかみに噛みつくように彼女に覆いかぶさり、地面に強く押さえつける。体格はやや小さく太の全身を完全に覆いきれてはいないが、小学生でも知っている通り、ヒトデの管足は強力だ。その足によって彼女は微動だにできなくなっている!
太が横たわったばかりで、息をつく間もなく、今度は下からカチカチと駆けるような音が聞こえてくる。見ると、あの凶悪な真っ赤な馬の頭が、なんと自分の胸の谷間の位置にうつ伏せになり、正面から這い寄ってきているではないか!
実は、同じ光景が彼女の四肢でも繰り広げられていた。残りの四本の角もそれぞれ真っ赤な馬の頭に変わり、それぞれ太の両手両足に向かって走っていく!
仲間たちはこの一部始終を目撃しながらも、ただもどかしく見守るばかりだ。特に最前線にいた羅は、焦って叫ぶ「師太、早く! 活性化の気勁を放って! 皆待っているのよ!」
嬌はしくじるのが怖くて、こっそりと剣を少しだけ抜いてみるが、どうやら剣の光は見えないらしく、すぐに収めてしまう。郎も相変わらず指をあれこれ比べているが、どう見ても普通の指先にしか見えない。
そんな中、太は精神を集中して気を練っている。一言も発していない。実際には言葉を発することなどできない。馬の頭が彼女の口をがっちりと塞いでいるからだ。次の瞬間、五角星全体が外側に向かって、太を大の字に引っ張り始める。彼女の胴体、四肢、手足は、五角星のびっしり生えた管足の遠心力によって、すべて限界まで引き伸ばされる。頭部は馬の頭が覆い被さり取って代わり、両目も馬のものに変わり、さらにすべてが真っ赤に染まった!!
——リンパ節は今や強力な免疫抑制の状態に陥っている。太がたった一人で活性化を成し遂げるなど、彼女の力だけでは到底及ばない!
この時、太はすでに馬に全身を乗っ取られ、まさに星馬の奥方と化していた。頭はすっかり馬の頭に変わってしまい、体中の経脈が塞がれたかのような感覚に襲われ、冷や汗がたらりと伝う。彼女は自ら嘆く「全身の気と血が滞っておる……」同時に筋肉の断裂する音が微かに響き、彼女の目は赤く、そして黒く濁っていく——
「このままでは九死八病……七孔六血……五馬……」
ところが彼女はさらに自分自身に言い聞かせる——
「このような引き伸ばし、まさに我が意にかなう!」
分尸にならんとするその時、太は慌てて大きく息を吸い込んだ。
こちらでは、太が解体されそうになるのを見て、羅が「師太、もう見てられんわ!」と傘を掲げて飛びかかる構えをする。後方の嬌と郎が声を揃えて羅に言う「姉御! 我々には力がありません。あなたに頼みます!」
言い終わると同時に、三人、そして後方の二人までもが一様に驚愕の表情を浮かべる。天だけはさすがに平静を保っている(見えないからである)。
一同が見たのは、太の胸郭が戦の鼓のように膨れ上がり、道袍がはち切れ、人も馬もろともゆらりと浮かび上がる姿だった。
「ガアアア——!」彼女の喉から一声の怒号が迸り、血脈は漲り、経絡を伝って全身に漲り渡る。彼女は叫ぶ「陰陽逆転、五雷起つ——!」彼女はすでに大技を放つ準備を整えていた! 自爆である!
——壊死様アポトーシス。別名「余儀なくされたプログラム的細胞死」。形態は壊死に似ているが、その過程は細胞の精密なプログラムによって制御されている。死の受容体などのシグナルによって開始され、細胞小器官の腫脹、細胞膜の破裂、内容物の放出を引き起こし、急性炎症を惹起することで免疫を活性化する!
尼はその深遠たる意義を理解しているがゆえに、恐怖のあまり顔色を変える「これを放てば、師太は灰燼に帰してしまいます!」
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次回につづく《天残絶命符》
このリンパ節の円形闘技場で、五角星が華麗に登場し踊りを披露する中、鮕の一番のお気に入りのペットとして、奴も当然のように一枚噛んでくる——一枚、巨大な足で!




