表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
彼女をNTRれたうえに車で跳ねられ、事故のお詫びに何でもすると言った運転手のお姉さんが実は……。  作者: beru


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

39/46

第三十九話 デート中に思わぬ相手と

「あーあ、興冷めしちゃったわ。もう帰ろうかな」

「あ、待ってください」

 弁当を食べ終わった頃、葉月さんは溜息をつきながら、席を立ち、ホテルの部屋から出て行こうとしたので後を追う。 

 葉月さんを怒らせてしまったが仕方ない。

 今はまだお子様な俺を許して……くれるだろうか?


「葉月さん、これから何処に行きます?」

「さあね。帰ろうかしら」

「そ、そうですか。送りましょうか」

 まだ昼も過ぎた頃なので、葉月さんとのデートを楽しみたかったが、彼女を怒らせてしまったのであれば、無理強いはしない方が良いか。

「疲れちゃったわね。車で送ってって」

「はい?」

「はい? じゃないわよ。車で私を自宅まで送っていけって言っているの。進一郎、私の為に何でもするって言ったわよね。ほら、早くしな」

「そ、そんな事を言われても、俺、クルマ持ってないですし、何より免許取れる年齢じゃないんですが……」

「ああ? 最愛の彼女さまがお願いしているんだから、グダグダ言わずに、さっさと車を用意しろって言っているんだよ。また轢かれたいの?」

「あの、ですから俺、免許も持ってないんですって。いててっ!

 葉月さんが俺の頭をゴンっと殴り、

「あんた、脳みそ入ってないのかしら? 車をどうにかして用意しろって言ってるのよ。ハイヤーでもタクシーでも呼べば良いでしょうが」

「た、タクシーですねっ! わかりました! えっと、どうやって呼ぶんだ?」

 葉月さんがタクシーを呼べと言ってきたので、慌ててスマホで呼ぶ方法を調べる。

 てか、タクシーって結構高いんだよな……金足りるかな?

 数千円の出費は覚悟しておいて、足りなかったら、葉月さんに……。


「言っておくけど、私に一円たりともたかるんじゃないわよ。本来、デート代なんて、男が全部持つべきなんだから。ましてや私みたいなS級美人とデートしているんだからね。百万積んでも足りないくらいでしょうが、ああ?」

「わかりました! えっと、その……タクシーを呼ぶには……」

 近くのタクシー会社に電話すれば来てくれるっぽいが、取り敢えず電話をしてみる。


「あのー、ちょっとタクシーを使いたいんですけど……え? 今、混んでいて、すぐには来れない。そ、そこをどうにか……いえ、急病とかじゃないんですけど……」

 スマホで地元にあるタクシー会社に電話をしてみるが、混んでてすぐに来られず、緊急時でないとすぐに手配できないと言われてしまい、かなり待つことになると言われてしまった。

「すみません、ちょっと混んでいて、すぐにタクシー来れないって……いででっ!」

「男が言い訳するんじゃねえよ! さっさと、クルマ用意しろって言ってるでしょうが!」

「わ、わかりました。別のタクシー会社に問い合わせてみますね!」

 葉月さんが俺の足を思いっきり踏みつけて、早く呼べとせっついてきたので、慌てて違うタクシー会社に電話をしてみる。

 しかし、同じように混んでいるので、すぐには無理と言われてしまい、どうしてもというなら、予約してくれと言われてしまったので、八方ふさがりの状況になってしまった。


「すみません、混んでいると言われたので、すぐには……」

 タクシーって、呼ぶのこんなに大変だったのかよ。駅前とかにしょっちゅう停まっているのは見たが、どうしてもってなら、駅前まで行くしかないのか?

「使えない男ね。タクシー一つ、手配も出来ないなんて、どんだけポンコツなのよ。アッシーにもなれないなんて、彼氏として、頼りなさすぎ、仕えなさすぎ」

「そ、そんな……あ、十八になったら、すぐに免許取って、車買えるようにしますので、そしたら、葉月さんも車で……」

「んな、先の話をしているんじゃないわよ。今、クルマを用意しろって言っているのが、わかんないの? はあー、所詮、この程度の男ね。私の為なら死ねるとか言っておいて、死にもしないし、タクシーを捕まえることも出来ないなんてさ」

 もう、どんだけ我がままを言えば気が済むんだと、頭が痛くなってきたが、タクシーが捕まらないのは俺のせいじゃないってのに、そんな事を言われてもどうしようもない。

 免許もないから、車なんて運転できないし、いくら何でも親を呼ぶのはちょっとな……。


「どうして私が怒っているかわかっているんでしょうね? 進一郎の情けなさにイライラしているからよ。抱けって言っても、言い訳しまくって、やらないし、私の為に死ねって言っても死なないしさ。事故や弟の事で負い目があったから、こっちも下手に出ていたけど、もう我慢の限界に来ちゃったわね」

「そ、それは……あの、俺、葉月さんの事は本当に好きで……」

「へえ。口だけでは言えるんだ。んで、それをどう証明する気なのよ。好きなら、さっさと抱けば良かっただけの話ね」

「ですから、それは俺もまだ未成年な訳でして……」

「言い訳ばかりでうんざりね。事故のことで、何でもするって先に言ったのはこっちだけど、事故の事はもう気にしないで忘れろって言ったのも進一郎だからね。だから、言う通りにしてやるわよ」

 ま、まずい……このままでは、本当に葉月さんに愛想を尽かされてしまう。

 こうなったら、無理矢理にでもまたホテルに……。


「待ってください、やっぱり俺、葉月さんと……!」

「きゃっ! いきなり、抱きつくんじゃないわよっ!」

「うわっ!」

 ドンっ!

 葉月さんに後ろから抱きついて、また無理にでもホテルに引っ張ろうとすると、葉月さんに突き飛ばされて、後ろに居る人とぶつかってしまった。

「いてえな、気を付けろっ!」

「す、すみません! あっ!」

「ん? いいっ! お、お前は……」

 俺がぶつかった相手……それは、まさかの……英樹じゃねえかっ! 何でこいつが、ここに?

「あらー、英樹じゃない」

「あ、姉貴まで……く……」

 葉月さんの存在にも気づき、英樹は肩にしょっていたスポーツバッグを持って、足早にここから去ろうとすると、

「待ちなさいよ。あんた、今日、試合だったんでしょ? どうだった?」

「ああ、勝ったよ。文句あるか?」

「そりゃ、よかったわね。あんたが試合で頑張れるよう、愛情込めて、私がお弁当作った甲斐があったわ」

「う……別に姉貴は関係ねえし」

 葉月さんが弟にそう言うと、英樹は顔を赤くして視線を逸らしてしまうが、そういや、俺がさっき食った弁当は英樹の奴の残り物だって言っていたな。


「今度、応援に言ってやろうか。お姉ちゃんが応援すれば、あんたもやる気百倍でしょう」

「絶対来るなっ! てか、今度の試合は平日だからな! 話は終わりか? じゃあな」

「あんまり、遅くならないようにねー。ふふ、偶然ねー。ここで、英樹に会うなんて。どんな気分かしら? 姉が彼氏とのデート中にバッタリ会うなんて。しかも、部活の大会に帰りにさ」

「あの、葉月さん」

「何よ?」

 英樹は足早に去ってしまったが、やっぱり葉月さんは英樹の事をどう思っているのか気になってしまい、

「葉月さんって、良いお姉さんですね」

「あら、急にどうしたの?」

「何だかんで気にかけているみたいですし」

「あはは! 今のやり取り見て、本気でそう思えるなら、おめでたい奴ね! てか、あいつ今日はこの近くの市民体育館で試合あったみたいなのよ。まさか、偶然にも会っちゃうとはねー」

 この近くで試合があったって、もしかして今のも英樹に俺をぶつけたのワザとなのか?

 そうとしか思えない偶然ぶりだったが、果たして……。


「仕方ないわね。ほら、これからまだ買い物するから付き合いなさい。荷物持ちさせてやるから」

「は、はい」

 葉月さんは俺の腕を組んで、近くのショッピングモールに一緒に行き、二人でウインドウショッピングを楽しむ。 

 最後はどうにかデートらしいことは出来たが、葉月さんに愛想を尽かされない様にしなければ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ