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神降臨

作者: 雉白書屋

 それはある日突然、人々の前に現れた。

 否。『それ』などとは畏れ多い。そのお方は間違いなく神。白髪、白い服。一本の柱のような天から降り注ぐ神々しい光に包まれ、空から地上へと降りてきたのだ。

 その場に居合わせた者たちは瞬時にそれが神だと悟った。

 何かのトリック。人、もとい神を模した兵器。軍事作戦。はたまた宇宙人。こじつけがましくも可能性は他にも考えられたはずだが、それもまた神の力なのかもしれない。その威厳が彼らにそう悟らせたのだった。


 そして、神は辺りを見渡し仰った。それはそれは大変、荘厳なお声で。神がそう呼びかけたいと念じた者たち全員の耳にハッキリと届いた。


『我が子らよ。争うのはやめなさい。双方違う神の名を掲げ争っているが元は同じ。神は一つ。そう我一人。お前たちが傷つけあい痛めるのは我が心。ただちに戦争をやめ――』


 神に降り注いだ銃弾の嵐。爆撃爆撃爆撃爆撃。それは容赦なく行われた。

 これまでずっとほったらかしにしてたくせに、助けを求める声も無視していたくせに今さら地上に来てなんだ。と、誰も彼も少なからず思っていただろうがそれが理由ではない。

 

 神の名。神の言葉。神をだしに争っているのだから余計なことを言うな。である。


 こうして神は死んだ。いや、もうとっくの昔に死んでいたのだ。

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