第8話 告白...
昼はそんな感じで、学校が終わった。
さっさと帰り、ゲームでもしようかと帰っていると、琴音さんに呼び止められた。
「ちょっと、一緒に来てくれる?」
「え、うん」
言われるがままに、琴音さんに付いて行くと琴音さんの家に招待された。
昨日は玄関までだったので、家の中に入ってみると結構広い。
ここで、二人で暮らしているとなると広くて少し寂しくなりそう....
「じゃあ、ちょっとここでお茶でも飲んでおいて」
っと、言われてしまいお茶を飲みながら何があるのかなって思っていると、荼毘様が学校から帰ってきた。
「ただいま~」
ここで、返事をした方がいいのではないかっと思い返事をした。
まるで、ぎこちない新婚夫婦のようだ。とか想像してしまった自分の太もも
をちねりりながら、返事をした。
「お、おかえりなさい」
「え?」
荼毘様は私がいることに驚き少し、立ったまま停止している。
「あの、荼毘様...」
「あ、え~と、ごゆっくりして行ってください。」
そういわれたが、どのようにゆっくりすればいいのか分からないので、お茶をすすり琴音さんが来るのを待っていると、荼毘様が返ってきたことに気づいた琴音さんが二階から降りてきた。
「あ、お兄ちゃん。これから、数分家をでるからやることはちゃんとしなよ」
「ちょ、余計なことを...」
「そこまでしなきゃ、お兄ちゃん何も出来ないでしょ!?」
何かを話しているのかは分かるのだが、コソコソと話して声が小さいので、内容までは聞き取れなかった。
荼毘様は琴音さんが家を出ると、私の前の席に座り向かい合わせになった状況で、しばらくこの状態が続き、何か話題をっと、私が話そうと頑張るのだが話題がないので離せず。
無言の状態で時間が進んでいく。
「あ、あの...」
「な、なんでしょうか」
急に荼毘様が話してくるので、ビックリはしたが返事をした。
「昔、俺と遊んだことは覚えてる?」
「あ、はい。昔この近くの公園でボール遊びとかしてたね。あの時は、私と同じぽっちゃり系とかで可愛かったけど、痩せるとイケメンになるなんてビックリだよ」
「そ、そうかな」
昔の話をされて、何かあるのかと思ったが、昔の話だと普通に話せ、話しやすいので話のキャティボールが出来る。
荼毘様をイケメンとか言われなれていることで褒めると、何故か少し照れているのだが、こんな私に褒められた嬉しがるとは。
「それで、美玖さんに言いたいことがあるんだけど」
「はい」
なにか、ブタ臭いとか、席が近いので匂いについてなのではないかっと覚悟していたのだが、どうやらそんなことではないようだ。
「美玖さんと昔よく遊んでいた時に、俺を色々助けてくれてたじゃない」
「うん」
私と同じぽっちゃり系のときはよく私と同じように「デブ」とか悪口を言われていたので、そおいう思いをするのは私だけでいいと思い、注意とかしていたな~と昔に慕っていると急にだった。
「で、その時美玖ちゃんが俺に、「もし、彼女が出来なかったら付き合ってあげる」って言ってたじゃない」
「多分言ってたと思うけど....」
昔そんなこと言ったなっと言う感じしか思い出せないが、荼毘様の
好きな女性にフラれてフォローするときに言ったような気がする。
たぶん、ふった女性は今の荼毘様を見るとふったことを後悔するんだろうな~っと思っていると急に私に告白をしてきた。
「だ、だから、美玖さん俺は今彼女が居ない。」
「え?」
こんなイケメンなのに、彼女が居ないことに驚いた。
「だから、俺と付き合ってください!!」
「え、えええ!!」
私は荼毘様に告白されてしまった。
私好みでゲームに出てくる私が押しているキャラの顔に似ている。そのせいで王子様とか思って『様』づけて読んでいるのにこんなブタの私に告白して、付き合ってほしい?
なにかの、間違えではないのかとか思ったが、荼毘様の顔を見ると、かなり真剣だし...
ここは、ハイって答えてもっと思ったが、あるゲームが頭をよぎった。
そう、私を絶望させた『ブタに恋した王子』と言うゲームが。
最終的にはブタの主人公ではなく美少女と結ばれるストーリを思い出してしまう。もし、最終的に私も他の美少女と荼毘様が付き合うことになりフラれるのではと思ってしまい「いいですよ」っと答えられなくなってしまった。
私は気まずくなり、そのまま津田家を出て行き、私の家に飛び込み布団にくるまった。
「ど、どうしよう。『はい』って言いたいのに、怖くて言えない。それに、
逃げ出したから明日の学校に行きづらいよ...」
っと、うめきながら布団から出れなくなってしまった。
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「お兄ちゃんどうだった?」
しばらく、お兄ちゃんの告白を邪魔しないように家の前でぶらぶらしていると、美玖ちゃんが買えるのを見て家に入ってきた。
「フラれた...」
かなり、ショックを受けて落ち込んでいる。
「なんて言われたの?」
「何も答えてくれなかった。そのまま、家を出ていかれた...ああああああん!!」
お兄ちゃんが失恋してしまい、昔告白して失恋した以来に大泣きをしているが、美玖ちゃんは別にお兄ちゃんの告白を断ってはいないのなら、まだ希望があるのではないかとお兄ちゃんに伝えると、涙をぬぐい、「ほんとに?」っと弱弱しい声で聞き返してきた。
「本当だよ。だって、お兄ちゃん急に告白したんでしょ?」
「少し焦って...」
「急な事でビックリしちゃったんだよ。だから、急に逃げ出したんだよ。お兄ちゃんは顔はいいんだから、自信もって!!」
っと、お兄ちゃんを勇気づけると多少元気になり立ち上がった。
「そ、そうだよね。まだ、フラれたわけじゃないんだからね」
なんとか、お兄ちゃんの元気を取り戻すことが出来た。
しかし、どうして美玖ちゃんは何も答えずに家を飛び出したのだろうか?
そんな疑問がよぎったが、「明日学校で聞けばいいか」っと思ったのだが、一週間・二週間と経ったのだが、美玖ちゃんは学校に来なくなってしまった。