表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/33

2,非常勤講師の始まり

 俺が住む光ヶ丘町は私鉄が縦横無尽に走り、国営鉄道や市営地下鉄が都会と結んでいる平均的な街だ。


 4月、俺は今。講堂で壇上に立ちマイクを前にしている。


「えーっと、先程。森山(もりやま)幸祐里(さゆり)理事長から、ご紹介ありました、高宮(たかみや)(まもる)です。現代社会と体育補佐を担当する非常勤講師です、これから1年間。よろしくお願いします」


 講堂のあちこちから聞こえてくる拍手を聞きながら元いた場所に戻ると、次々に教師や非常勤講師達の挨拶が始まった。


 俺は、人前で何かを話すことが好きか嫌いかと問われたら嫌いではない。


 そして、新入生達が講堂から出ていった後、職員室で改めて自己紹介が始まった。この時知ったが、この学校内で男性は俺だけだった。森山理事長に話を聞くと、「後々、採用数を増やす方針だけど、今は実験よ?」と明るく話してくれた。


 ちなみに、森山(もりやま)幸祐里(さゆり)理事長は今年26歳になったばかりだと面接の時に教えてくれた。容姿端麗で明るく話してくれる、まさにこの学校のアイドル的理事長だろう。


 午後17時45分、教師達が明日の予定を決めている中、俺は1人だけ日課になってしまった現代社会科目の総復習をこなしている。今は、内閣についてのページだ。


 正直、政治に興味はない。俺たち兵士は、上官に言われたが戦場で敵を倒すだけを考えたら良いだけだ。


「お疲れ様でしたー」


 そんな声が聞こえて来たので、俺も帰りの準備を始めた。しかし、どんなに遅くなっても、俺は困らない。だって、所持している大型二輪のハーレーなら15分程度で住んでいるマンションだから。


 翌朝、出勤したらハーレーの独特のエンジン音で驚いた登校中の女生徒達が教室や正門側から顔を出していた。


 ヘルメットを脱ぎサングラスをとると、ネクタイなどが入ったリュックを片手で持ち意気揚々と裏門から中に入った。すると、出迎えていたのは女性教師達がこっちを見て固まっていた。


「あ、おはようございまーす」


 何気なく挨拶すると会釈だけして、全員がその場からいなくなった。


 ハーレーに乗っているのは、趣味だ。趣味と職を一緒にするなと思っているのは多いかもしれない。しかし、これだけは言わせてくれ。


 趣味を失くした人は、殺人率が高くなるぞ?

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ