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18天使様の誘惑(古って思った人はおじさん通りこしてお爺ちゃんです)

「じゃ、今日から私達、友達同士ね♪」


アリーさんはそう言うと、ニッコリ微笑んだ。


「ああ、宜しくね」


この時、俺はどうかしていた。


二番目の恋人の陽葵を一番好きになっていて、一番好きだった天使様と友達になるとか、あり得ない。


「磯風は何処に住んでいるの?」


「この付近だよ」


どうもアリーさん、天使様の家は俺達の家の近くらしい。


ただ、正確な場所を教える訳には行かない。


陽葵と二人っきりの生活してるなんて知れたら、学校が動く未来しか見えない。


「私、合格ってことだよね?」


「合格?」


俺は一瞬なんのことかわかず聞き返す。


「磯風、言ったじゃん。私のこと嫌いって」


「それ、気にしてたの?」


「普通するでしょ?」


「いや、俺なんかに嫌われたって別にアリーさんの人気に何の影響もないだろ?」


「磯風から嫌われてどうするのよ!」


「へ?」


謎の言葉を残すアリーさん。


しかし、とぼとぼと二人で歩いて行くうちに、俺とアリーさんの家がもしかして近所なんじゃないかと思い至り、その上、この失態に至ったことに自分でも驚く。


俺、一体どうしたんだ?


「今日の俺ってちょっとおかしいような気がするな」


「それはそうだと思うよ。磯風が横向いているうちに睡眠薬盛ったから」


「は?」


俺は訳がわかんなくなった。ていうかそれ、悪い男が女の子にするヤツじゃないの?


「私、磯風のこと好きだよ。友達になりたかったから、そうした。そうでないと、あの妹さんに遠慮してなってくれなかったでしょ?」


「い、いいいいいっ、妹のことって何のことかな?」


俺は動揺した。そう言えば海の岩陰でのこと、アリーさんに見られたかもしれない。


「磯風に妹なんていなかったもん」


「な、なんでそれを!」


「あ? やっぱりそうなんだ。磯風チョロいね」


「う!?」


騙された。誰だよ、こんな子を天使様だなんて思ってたの!


俺だよ!


「磯風、あの子誰なの? あの子の目、どう見ても恋する乙女の目よ。相手は__磯風だよ」


「__い、いや。それは」


俺は説明できるはずもなく、ただ黙り込んだ。


「やっぱり酷い人ね。磯風って__」


海で言われたことを思い出す。しかし、どういう意味だ?


「まあ、それはいいよ。話したくないんでしょ? それより私の家に寄って行かない?」


アリーさんは1軒の立派な一戸建ての前で立ち止まった。


表札には『天津風』とある。どこかで見たような家のような気がする。


いや、俺は昔この付近に住んでいたから当然か?


しかし、友達と言っても女の子の家に男の俺が訪問するのは気が引ける。


アリーさんの家族になんて言えばいいんだ?


それに何より俺はこのヤバいアリーさんと全力で距離を置きたかった。


「いや、いくら友達でも女の子の家を訪問するなんてボッチの俺にはハードル高いよ」


「あら? 私のお母さんにどう挨拶していいかわかんないとか? でも安心して、今日は両親も誰もいないから♪」


アリーさんはニッコリ微笑むと俺の手をとって家へ引き入れようとしてる。


「男の子と女の子の友情ってどの位持つのかな? 私は秒で壊れると思うよ」


「はあ!?」


何言ってるの? この子?


俺らの年齢で親も誰もいない家に男を招くとかあり得んだろ?


それともリア充の世界って、そんなに性に対して乱れているものなのか?


そう言えばアリーさんは裏オプがどうこうとか__。


今は無くなったとはいえ、憧れていた天使様がそんなだったら、俺は嫌だ。


「うちの家、壁は厚い方だし__磯風も男の子だからそういう気持ちあるでしょ?」


「ふざけるなぁ!!」


俺は本気で怒った。


この天使様、絶対ヤケクソで行きずり同然の俺に身体を預けようとしている。


そんなの友達でもなんでもない。


何より俺が憧れていた天使様がそんなのは嫌だ。


そういう割り切りの関係でも望んでいるのか?


あの天使様が?


振られた気分でヤケクソになってるのか?


「いいか、俺はそんなつもりでアリーさんに近づいたんじゃない! アリーさんの本性を見て、やっぱり天使様も同じ人間だと共感できたよ。でも、俺は今日初めて話した友達の女の子のアリーさんに手を出すとか__俺はそんなアリーさんに漬け込むようなヤツじゃない! そんなヤツと思われた方が腹が立つよ!」


「磯風……酷い人だよ……私の愚痴に付き合ってくれて、助けてくれて、そして私の気持ちを盗んだくせに__」


「俺だって男だ。アリーさんは魅力的だ。だけどな、俺は卑怯なのは嫌いなんだ!」


そう意気込んだ時、俺のポケットから何か落ちた。


「あ!」


「きゃ!?」


それは秋月からもらったコンドウさんだった。あのままポケットに入れたままだった。


アリーさんが俺のことを胡散臭げに見ている。


「__ヤル気満々じゃん」


こうしてアリーさんに微妙な空気が漂った。

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『連載版』クラスで最低と蔑まれた上、幼馴染に振られたけど、後輩を助けたら、超グイグイ来た~俺が無実な上、実はweb小説の神作者だとわかってももう遅い~
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