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1妹ちゃん、兄の2番目の彼女になってラブコメ展開の夢を見る

「ちょっとお兄ちゃん、恥ずかしいから見ないでよ」


「あ、ごめん」


俺はベッドの上の陽葵(ひまり)から視線を外した。


磯風陽葵(いそかぜひまり)、俺、磯風朝陽 (いそかぜあさひ)の義理の妹だ。


「あれ? またブラがちょっとキツくなったかな……」


陽葵は持たざらない者が聞いたら激怒されそうなセリフを吐いてピンクの可愛いブラジャーを着けて後ろのホックを止める。


「そう言えばデカくなっていたような気がする」


「そうなの?……私、さすがにこれ以上胸は大きくならないで欲しいんだけど……あ!? ちょっと何反芻してるの! お兄ちゃん!」


「今さら恥ずかしがるの? だって散々……」


「ちょっとお兄ちゃん! デリカシーなさすぎ! それが可愛い妹への言葉?」


もっともだけどあれだけ大胆な癖に、意外と些細なことにはこだわるな。


「あれ、制服のジャケットもスカートもないよ。お兄ちゃん、どこやったの?」


どこだっけ?


昂っていたから興奮してブレザーとかスカートどっかに投げたような気がする。


「あ、あった。ドアの前だよ。ずいぶん遠くにあるな」


「遠くにあるなじゃないでしょ? あんなに激しくするからでしょ?」


「仕方ないだろ? 陽葵が魅力的なんだから」


「は、恥ずかしいこと言わないでよ、もう!」


陽葵は制服の上下を取りにドアの前まで行く。


下着姿の彼女の身体は何度見ても綺麗だ。


あどけない顔に反して身体は大人だ。Fカップの胸でこの顔はほとんど反則だ。


俺が無防備な妹を眺めていると。


「ん?」


ヤバい。陽葵を眺めているのがバレた。


見るなという方が無理だ。


こんなエロい身体していて、下着姿なんだから。


「ダメなお兄ちゃんね、私の身体見てまたムラムラして来たのね。仕方ないなぁ~♪」


陽葵は意地悪な顔になった。


こうなると陽葵は歯止めが利かない。


ちょっ!!


陽葵がグイっと顔を俺の近くに寄せてくる。


近い、近い!


「―――――!!!!」


いきなり口づけをしてくる。


「もう一回しよ♪」


義妹の提案に情けなく陥落する俺のダメな理性。


「ほんと、ダメなお兄ちゃんね。妹にこんなことして♪」


また意地悪な顔で俺を煽る妹。


「でも、最後の一線は絶対超えないからな。約束だからな!」


「う~ん。それはお兄ちゃんが勝手に決めたんでしょ? 私、いいよ、お兄ちゃんなら♪」


「バカッ! 俺達お互い二番目の恋人だろ? お前の一番の人に悪いだろ!」


「お兄ちゃんが気にすることないでしょ?」


「男はそういうこと気にするの! 俺がお前の彼氏にどんな顔して会えばいい?」


「今更? こんなことしておいて?」


「うっ!!」


こいつッー---!!


俺は誘惑に負けておきながら最後の抵抗をする。


いつものやり取りだ。


☆☆☆


俺は人並みの性欲はあるが、年がら年中、女の子とエッチしたいとか、義理とはいえ妹に手を出そうとか考えているような危険人物じゃない。むしろただのボッチで、安全なヘタレだ。


しかし、俺は義妹と恋人同士になっていた。


そして、行為はドンドンエスカレートしてベッドの中でそういった行為をするまでになった。

もちろん、最後の一線だけは絶対超えない。


何故俺がこんな事態になったか____。


こうなったのには経緯がある。まず、それを説明させて欲しい。


あれは1か月前のことだ。


いつものように俺は高校の部室で外を眺めていた。


俺には想い人がいた。


金髪の天使、天津風さん。


皆から天使と呼ばれる彼女は全校男子生徒の憧れの的だ。


アメリカ人のハーフで綺麗な金髪、整った顔立ち、成績優秀、細くて綺麗なプロポーション。


誰もが夢中になる存在だ。


そんな彼女は夕暮れ時の今時分必ずこの部屋の下を通って下校する。


彼女の彼と共に。


俺はそれを口惜しそうに見ていた。


その時。


「お兄ちゃん♪」


「……ええっ?」


突然俺を後ろから妹が俺を襲う。陽葵は1年前に親父が再婚した時の連れ子で、散々俺にまとわりついて、俺を揶揄う。凄く、ウザい。


妹は俺の背中に飛びついていた。


「へへへっへへ☆お兄ちゃん♪」


「ばっ、馬鹿、いきなり背中に抱きつくな! ここ学校の中!!」


ホント、陽葵のウザさは相変わらずだ。


「お兄ちゃん☆私、今ブラしてないよ」


「な、一体何を? 何を言ってんの?」


いつも以上に義妹がウザいが、なんかいつもより攻めが激しい。少しご褒美でもあるが、背中に胸を押しつけてきて、無駄にでかい胸が鬱陶しい。陽葵の胸はかなり大きい。前にちょっと擬視したら、『Fカップだよ』とドヤ顔された。


これでやたらとウザくて、俺の事、バカにしなければむしろ好感が持てるけど、こいつはひたすらウザく、俺をバカにする。だからメンドクサイ。


そう思っていた。


「ふふふ、お兄ちゃん可愛い。実の兄を凌辱しているみたいで興奮する♪」


「凌辱ってそんな言葉、どこで覚えてきたんだ?」


「お兄ちゃんのコレクションの中、雑魚っちい、ぷぷっ♪」


「―――――――~~~~ッ!!!!」


妹の声が意地悪なものに変わる。


「お兄ちゃんのベッドの一番下に何故かあんな物が♪」


俺はいつもバレないようにベッドの下におかずを隠していた。あれが見つかったのか?


「息が荒いね。女の子に辱められて凄く興奮しているね?」


「五月蠅いよ! 女の子がそんな破廉恥なこと言っちゃ駄目だろ!」


「でも、『女子高生制服のわななき』……私をそんな目で見てただなんて……。」


「お願いだから、エロ本のタイトルを言わないで? それに陽葵のことそんな目で見てなから!」


でも妹はどんどん俺を責める。


「そう言いながら、私を目で犯していてたのね、熱い視線がねっとり絡みついて気持ち悪い」


「目でなんて犯していないよ!」


「じゃあ、妄想で何度も犯している? もっと気持ち悪い♪」


「だから、ホント、目でも妄想でも犯していないから!」


いつも俺のことをバカにしてくる妹。


でも、この日はいつもと何かが違った。


「私って、そんなに魅力ないのかな?」


「そんなことはないだろ。ムカつくけど、お前は天使様と人気を両分する人気者だろ」


そうなのである。


俺にとってひたすらウザいこの妹は人前では猫を被ってかなりの人気者だ。


加えて幼い顔立ちの上のこの大人な身体。


そんな妹が突然放った一言で俺達の関係は変わってしまった。


「金髪の天使様が好きなの?」


「ああ、一番好きだ」


「私のことは?」


「二番かな」


冗談で言った一言だった。


好きは好きだ。


俺はこの生意気でウザい妹がなんだかんだで好きだった。


もちろん、妹としてだ。だけど。


「なら二番目でいいから彼女にして」


そう言った彼女はこれまで見たこともなく真面目な顔をしていた。


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