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エルフの金貸し
取り立て
「気長に待つよ。貴方が返せるまで」
というのがエルフの金貸しの常套句である。
「金を借りるならエルフに限る。奴らは時間の感覚が違うから、返済期限が100年後なんてこともザラさ」
そう言って大金を借り続け、一生を豪遊して過ごした男がいた。男は無茶な生活がたたって早死にしたが、死の瞬間に、借金を返さずに済んだと安堵していた。
時が流れ、返済期限になるとエルフの金貸しが男を訪ねてやって来た。
男の墓に、ネクロマンサーを引き連れて。
「気長に待つよ。貴方が返せるまで」
蘇った男を前にエルフの金貸しは言った。