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光が必要な方へ

この話は

私が生きてきたレールを

今現在、脱線してしまった人、又、その周りにいる方々。

真っ暗な毎日、辛く苦しくて頭を抱えている方々に

少しでも小さな光になればと思い書かせてください。




小さい頃の記憶って

インスタントカメラみたいなフィルムみたいな

気がしませんか。


だって

所々しか記憶ないし。


父子家庭で育った私は

母の記憶がありません。


だけど

確かにそのフィルムには母が存在していました。


マンションの前で

猫に囲まれ泣いていた私を

母は急いで抱え上げ

助けに来てくれた。


父との喧嘩で

母は紫色のあざだらけの顔で

泣きながら

マンションから追い出されていた。



その二つのフィルムから

母の姿はなくなった。マンションもなくなった。


次のフィルムは

祖母の一軒家で楽しく、不自由なく過ごしている私だった。


祖母との楽しいフィルムたちはたくさんあって

伝えようとすれば

朝までかかる。



小学一年生になった私のフィルムは二つ。

入学式の前日に

自転車の後ろで

足が巻き込まれ、大怪我をした。


小さい頃の不注意の怪我。

あるある。


二つ目は

学校から帰った私を

毎日おかえりと声かけて迎えてくれる祖母。

その日は何故かいなくて

でも、すごく体中が寒くざわついた。

家中を探した


そしたら

おかえり。って

確かに聞こえた。階段の下の方から。

走って向かった。


階段の下近くには

洗面所とお風呂、トイレがあるんだけど

祖母は

水を流しっぱなしで

ずり落ちて座るように目をつぶっていた。


「おばあちゃん?おばあちゃん!」

手を触った。

すごく重たくて冷たかった。



人が死ぬ


という事を私はまだ知らなかった。

だから

病院!!としか思えず


だけど

救急車の番号を知らない。

110…

違う。それは警察だ


11…わからない。


隣の家にでも

行けばよかったのに

訳もわからず

仲の良い友人の家に行った

家からは少し遠い。

でも、それ以外になにも考えることができなかった。6歳だった。


それから

たくさんの大人達が家を囲み

それからそれから…


おかえりと言われる訳がないと。

私が帰る時間の数時間前にすでに息を引き取っていたと。



一年生のフィルムが終わる。


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