6:世界樹とアクア?
いきなり家族認定ですか、もしかしてこの娘は羽があるから親に捨てられたとか・・・。まあ、そんな事はどうでもいいや、とりあえず今後どうするか考えないと、とりあえずアクアに聞いてみようかな。
何時のまにか肩車の状態から地上に下りてピョンピョン跳ね回り、喜んでいるアクアに向けて尋ねてみた。
「なあ、アクア、ここってどこだか解るか?それと、お前はどこに住んでるの?・・・てっ、いうよりここって食う物ってあるのか?」
「ん?ここ母様の・・・精霊の森と湖だったとこ?でも・・・母様、力がもうないの。だから・・・もうすぐここ無くなっちゃうの・・・グスッ」
先程まで嬉々として笑顔だったアクアの顔に陰りを見せ、涙を浮かべながらたどたどしく答えて、泣きながら俺に近付き抱きついて来た。
あちゃぁ、どうやら触れたらいけないワードが・・・先程まで俺の肩に乗っかっていた状態から、いつの間にか下に降りて喜んでいたアクアが、俺の胸に顔を埋めて声を殺して泣いていた。とりあえずアクアを抱っこした状態で泣き止むのを待つことにした。
「どうしたモンかな?・・・流石にこの状態じゃ、何も聞けないや・・・」
どうやらアクアには母親がどこかに居るらしいのだが、途中での説明の意味がまったく良く解らん、・・・力が無くなっているとか言ってるし、ついでにこの場所がなくなるとかいってたな?
今の話がホントならこの場所を、離れた方が良いような気がするが・・・でもな、何か俺がしないといけないような気が・・・。
まあ、確かにここから湖を泳い、向こう岸に見える森に入ったとしても、どこに行けばいいのか解らん。・・・それに、さっきのアクアの話じゃないが、ここにずっといる訳にも行かない。それにこの娘、アクアを1人で置いて行く訳には・・・。
何で?ここまでこの娘事が気になるんだ?それに今日始めてあったのに、この娘が今後の俺の運命に関わって来るような感じもしている。何故かは解らないけど?
それに何でここまで、アクアは俺に、凄く懐いているのだろうか・・・それもよく解らんな?
あれ?・・・そう言えばさっきアクアが気になる事を言ってたよな?母様の力がどうのとか・・・。ん?ならアクアの母親はこの近くにいるのかな?
「なあ、アクア。お前の母親は近くにいるのか?もしいるならあわせてくれ。もしかしたら助けられるかも・・・」
そうだアクアは小さいからよく解らんのだろうから、この娘の母親がいるなら、その人に詳しく聞けば良いのではないか。それにもし怪我をして動けないのなら助けてかげないといけない。そうだ、全は急げだ・・・。
俺の質問にアクアは、胸に埋めていた顔をあげ、俺を見つめてから中央のでっかい大樹を指差した。
俺はその方向を見て、首をかしげているとアクアが声を掛けてきた。
「ヒビキ!母様は、世界樹の精なの・・・あの樹そのものが母様なの。でも、今は力が殆ど残ってないから・・・。それにjこの世界の神様は助けてくれないの。母様のこと嫌ってるから、それでこの森も湖も全部なくすつもりなの。でも、ヒビキが来てくれたの。母様が言ってたの今度ここに現れた人にお願いしなさいって、この森が助かるかもしれないの」
いや流石に俺が来たからって、そんなに早く状況が変わる訳無いでしょうが・・・・・・!?てっ、なんですと?この樹が世界樹でしかもアクアはその世界樹の精の子供なのか・・・・どうなってんだ。さすが異世界だ・・・そう言う設定なのか?
流石に現在の状況には響も驚いたが、長年ファンタジーゲームで遊んだり、色んな小説やラノベを読んでいたのでその点の知識はあった。だが、まさかその物語みたいな状況の中で自分が関係して、それを体験している事に驚いていた。
それになによりも、今まで生きてきた長い人生の中で、ここまでリアルな体験をしている事に感動に近い感情を抱いていた。
しかし、今は自分の事より、目の前にいるアリアと、そのアリアが言っている世界樹のことを考え気にしないといけない。自分の感情なんて後回しだ。
でも、なるほど何となくアリアが言っている事は理解が出来てきたぞ、それに何で古神竜のエナジー様と鳳凰神のフレイヤ様が一年以上も前に俺を過去に送ったのかと、それに何で自分達の娘が物騒で危険な場所で、凄く問題がある場所に落とされたと言っていたのかが、今俺の中で一本の線に繋がりだしたのでる。
今のアクアに聞いた話からすると、恐らくこうなのではないかと思う。
まずアクアが言うように、ここいら一帯は恐らく元は神聖な場所だったのだろうと思う。ただ何らかの理由でこの場所の効力が失われかけているか、切れかかって無くなろうとしているのだろう。
それに、もう今俺達が居るこの場所だけが唯一安全な場所で、何か・・・たぶん世界樹に護られている神聖な場所であり、その聖なる力と言うか澄みきった気で覆われていると推測される。
しかし先程のアクアが話していた内容からすると、ここのこの状態は、もうそう長く持ちそうも無く、今なお徐々に世界樹であるアクアの母親の力が、弱くなってきているみたいなのだ。
恐らく、そのタイムリミット的には1年、いや、そこまで長く持たないのだろう古神竜のエナジー様と鳳凰神のフレイヤ様の娘達が、この地に落ちてきた時点では、もう、問題があるみたいな事を言っていた。だから、恐らく・・・。
でも、今と言うより現在は俺が過去に飛ばされて、ここにやって来た。それなら、今すぐに俺のできる事をやって、この地を今のまま保てば良いのではないのだろうか・・・。いや、この地だけでなく、アクアが言うように世界樹を救う事を考えた方がいいように思える。
しかし、俺的には現状はどうして良いのかが解らないうえに、事実この後どうなるかはさっぱり解らないのである・・・でも、もしかしたら俺が頑張らなかったから、問題が発生したのかも知れないし、逆に頑張りすぎた結果、問題が発生したかも知れないのである。
その事でちょっと考えていて、黙り込んで難しい顔をしてしまった。
俺が黙って考えていたのが気に入らなかったのか、アクアがまたいつの間にか俺の肩に、またがって頭を無言でポカポカと叩いてきた。
そして、俺が気が付いたのを確認して声を掛けてきた。
「ヒビキ、ヒビキ、暗い顔したらメーなの。アクアと一緒にいるの。アクアと家族なの。そして母様を助けてなのぉぉ」
何でこんなに懐かれたのかはよく解らんが、とりあえず難しい事は考えるのをやめよう。
アクアが言うように、ここで暗い顔をしていたら先に進まないし、それに頭が悪い俺が考えても始まらない。なので、難しい事は考えずに、とりあえず前向きに考えよう。




