2:竜の神と鳳凰の神にお願いされました。
「・・・・・・」
自分の死んだ状況を説明されたが、今だ自分が死んだ事に納得いかない響であった。
それで響が死んだ事を、エナジーとフレイヤが順を追って説明してくれたが、今だ納得出来る訳ではなくしかも自分自身は、今現在ここに存在しているから否定するしかない。ただ自分の身体は確認できないのであるが、これは間違いなく夢と思うしかなかった。
「何を言ってるだよ?俺は今現実に、ここにいるじゃん。まあ、場所はあれだけど・・・しかし、それを考えるとやっぱり夢じゃないのか、実際に色々と俺は考えれてるから・・・まあ、死んだらどうなるか知らないけど・・それでも死んだ覚えはないよ。何かの光に包まれた記憶はあるけど、それ以外は・・・」
そうだそうだこれは夢だ!そうじゃなければ俺の考えた妄想か何かだ。どうせまた寝る前に変なテレビでもみて、そのまま寝たんだろうよくある事だ・・・うん、たぶん。
するとそんな響の心の声を読み取ったのか、古神竜のエナジーが少し可哀想な子を見るような視線を向けて申し訳なさそうに声をかけてきた。
『ヒビキよ!残念じゃが、お主は間違いなく死んでいる。今そこにいるお主はいわば霊体なのだ。理解してくれ。それとお主は確かに光に包まれたが、その光は耐性のない者が触れると消滅してしまう光だったのだよ。それに・・・・』
続けて説明してくれた内容では、まずこちらの世界でいう所の異世界で、とある事情により複数の人達が強引に、その世界へ召喚されてしまったようなのだ。
それでその中に古神竜のエナジーと鳳凰神のフレイヤ達の、そのそれぞれに娘も今回の召喚に巻き込まれしまったらしい。
まあ、娘と言ってもホントの娘ではなく、実は神竜の巫女と鳳凰の聖女としてそれぞれ別の世界に送り出す予定の特殊な娘達であったらしく、それで幼い頃から特別な加護を与えて育てていたそうだ。
『まあいわば、我々の能力を全て受け継がさせる予定の巫女と聖女だ。それで近い将来その力が必要となる別の異世界へ召喚する筈だったのだが・・・それらも今回の召喚で全てが無駄になってしまったわい』
ただその大切な娘達が巻き込まれるのを防ぐ為に、古神竜と鳳凰神である2人?いやたぶん神だから2柱は、急いでこの世界に顕現して来たのだが、寸前のところで召喚の全てが完了して、その2人も一緒のウチに姿を消したらしいのだ。
まあその2人の娘達は俺と同じ様に巻き込まれたが、古神竜と鳳凰神の力を持つ巫女と聖女なので、今回の召喚の光に耐えられ問題なく異世界へ無事飛ばされたみたいだ。
それでもその娘達は近いうちに別の場所に召喚されるはずだったので、本来は起こるはずのない別の召喚の儀式に反応して、それに巻き込まれ召喚されていったのである。
ただ、巻き込まれた召喚の為にその行き先が決まってない状態で、そのうえその娘達2人は異世界のどの大地に落下して落ちるようでその心配をしていた。だがどうやらちゃんと無事に、その異世界にたどり着いたところまで、先程確認できたそうだ。
だがその娘達が召喚された異世界に干渉して助けたいそうなのだが、その世界に古神竜のエナジーと鳳凰神のフレイヤが顕現すると、その世界そのものが崩壊する恐れがあるそうだ。なので直接その世界にも干渉できず、そのうえ簡単に手が出せないので困っていて、どうにか代理を立てその異世界に介入しようと考えていたそうだ。
で、そこに同じく召喚に巻き込まれ運悪く死んでしまい、魂だけになりさ迷っていた俺を見つけて、今現在この宇宙空間でエナジーとフレイヤの力により、俺に霊体というより未知のエネルギーを与え身体を構築して、現世に留めているそうだ。ホントなら天国にも地獄にも行けずそのまま消滅してしまい、転生も何もできない状態なのだそうだ。
その事を、順をおって説明してくれて、話を最初の方に戻し再度お願いをしてきた。
まあ、その時の説明で天国や地獄が、ホントにある事が凄く新鮮であった。しかも転生まである事もであるらしい。
しかし、この時点でもまだ半分は夢であるだろうと思っている。
『それでなヒビキよ。お主を蘇えらせる代わりに、我の力を受け継いでいる娘と、フレイヤの力を受け継いだ娘を探し出し護ってやって欲しいのだ。彼女らは将来ある世界を救う為の巫女と聖女なのだが、それはもうどうでもよい。ただ、なんとしてもその娘らを救い出し助けて欲しいのじゃ』
『それとあなたにも出来るだけ、その娘達の力になって貰いたいのです。それで蘇えらすと同時に私達の力をあなたに授けます。なので、すみませんが2人の娘達をよろしくお願いします』
一方的なお願いなのだが、もしこれが夢ではないとして、本当に自分が死んでいるのなら、このままここに居てもしょうがないし、それにそのままだったら完全に消えてしまうのなら、そのお願いを聞いても問題無い。それに無条件で蘇えらして貰えるのなら協力した方が得なのかな?
でも・・・その娘達2人とも探し出して護らないといけないの? それに力を授けるって・・・もしかしてその世界って物騒なの・・・そういえば力になり護れとも言っていたような?
するとまた心を読んだのか、エナジーが不思議そうに語ってきた。
『ん?そうだが・・・お主はどのようなお願いだと思っとったんだ? それにこれからお主を送ろうとする場所は、はっきり言って物騒で危険な場所だぞ。だから娘を助けて護って欲しいとお願いしているのだ。それに先程は近いうちと申したが、既に一度召喚されてしまったのでな。時間をおくか更に強力な加護を誰かから授かるしかないが現状は無理だ。それに我々が動けばその世界が大変な事になる。ここ地球はさほどの影響はないが、それでも少しの影響を受けるがそれでも大した事はない。しかし異世界では、我々の力が大きく影響してしまう。それだけ危険な世界だ』
「・・・えっ?何で今、考えてる事が解ったんです。また俺の心を読みました?それに物騒で危険な場所だって・・・冗談ですよね」
今度は先程と違い、ただ考えていただけなのに、その事まで心を読み取られたようだった。
それに物騒で危険な場所なんて冗談じゃないよ。ただでさえ争い事が嫌いなのに、俺が助けて護るなんて・・・俺では役不足なのではと思っていた。
何せ俺は、既に人生の半分は生きてきてた歳で、争い事などとは一切関係無い人生を送ってきたからである。
それに特殊能力などは無く、せめてできる事といえば1人暮らしなので家事全般と退屈しのぎに参加したサバイバル講習ぐらいだった。それ以外はどこにでもいる普通のおっさんなのだからである。




